「羽」「羽根」「羽毛」「翼」の違いと使い分けの例文

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「羽」「羽根」「羽毛」「翼」は、どれも「羽」という字が使われていて、空を飛ぶ時に使うものを表していますが、それぞれが指すものや状態には違いがあります。違いをまとめると、以下のようになります。

鳥や虫、または飛行機が空を飛ぶために使う器官や器具体にくっついた状態
羽根羽の形のもの、または羽を加工したもの体から離れている状態
軸がある状態
羽毛鳥の体の表面に生える毛綿毛の状態
鳥、または飛行機が空を飛ぶために使う器官や器具対になった状態

このページでは「羽」「羽根」「羽毛」「翼」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

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「羽」「羽根」「羽毛」「翼」の意味と例文

まず、「羽」「羽根」「羽毛」「翼」の辞書での意味を確認しておきましょう。

はね【羽・羽根】
1.鳥の全身をおおって生えている毛。羽毛。
2.鳥が空を飛ぶための器官。翼。
3.昆虫類が飛ぶための器官。
4.飛行機の翼。
5.器具・機械類に取り付けた翼状のもの。
6.矢の本もとにつけた羽毛。やばね。

うもう【羽毛】
鳥の羽。特に、柔らかい羽。

つばさ【翼】
鳥類が空を飛ぶための器官。前肢が変形したもの。
飛行機の翼(よく)。また、飛行機。

出典:『明鏡国語辞典』

辞書では、「羽・羽根」は一つの項目で説明されています。また、「羽毛」も「鳥の羽」と書かれており違いが明確ではありません。それぞれの意味の違いや使い方をより詳しく見ていきましょう。

「羽」「羽根」の意味の違いと使い方

では、まず「羽」「羽根」についてです。

「羽」「羽根」はともに「鳥や虫が空を飛ぶ時に使う器官」ですが、体にくっついているのか、体から離れているのかで使い分けられます。以下の例文を見てください。

・鷲が羽を広げて飛んでいった。
・てんとう虫が羽をたたむ仕組みを解明した。

・白い羽根が一本落ちていた。
・羽根ペンを手に取ってサインをした。

「羽」は「飛ぶ」という行為をする時に実際に使われるものを指します。そのため、体にくっついた状態である必要があります。「羽」は鳥類・昆虫類に使うことができるだけでなく、空を飛ぶ飛行機にも使われます。また、「羽を休める」「羽を伸ばす」のように飛ぶ鳥の様子を前提として作られた比喩表現の場合も「羽」を使います。

一方で「羽根」は、体から離れてばらばらになっていたり、加工された状態のものに使います。そのため「羽子板」「羽根布団」「赤い羽根募金」には「羽根」が用いられます。また、飛行機は「羽」を使いますが、ヘリコプターや扇風機には「羽根」を使います。これは、ヘリコプターや扇風機のはねの部分が、飛ぶ鳥や虫とは形状が大きく異なるためです。

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「羽毛」の意味と使い方

では、次に「羽毛」についてより詳しく見てみましょう。

「羽毛」というと「羽毛布団」が思い浮かぶのではないでしょうか。そして、それと同時に「羽根布団」も思い浮かぶかもしれません。「羽根布団」は先ほど「羽根」のところで説明した通り、「羽」が加工されたものなので「羽根」という表記が使われます。ここまでは納得できるかと思います。

ここで、「羽根」の辞書での意味をもう一度見てみましょう。「鳥の全身をおおって生えている毛」とあり、「毛」の意味が含まれています。では、「羽根」と「羽毛」との違いは何なのでしょうか。

「はね」には、中心に軸のあるようなものとないものがあります。「羽根」は、軸のあるものを指し、「羽毛」は、軸のないふわふわとした綿毛のようなものを指すのです。そのため「羽根布団」は「羽毛布団」ほどふんわりした感じがなく、軸がカバーにあたるのでがさがさした音が出る場合があるそうです。

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「翼」の意味と使い方

では、最後に「翼」の意味と使い方を確認しておきましょう。

「翼」も「空を飛ぶための器官」ですが、「対になっていること」がポイントになります。それは、漢字の成り立ちを知るとわかります。

「翼」は「異+羽」から成り立っていますが、「異」は人が両方の手を挙げている様子を表しています。そして、「一つのほかにもう一つ別のがある」という意味を持っています。「翼」は、「一つの羽のほかにもう一つの羽がある」ことを表しているということになり、基本的に「対になった羽」のことを指します。

以下の例文を見てください。

・鷲が羽を広げて飛んでいった。
→〇鷲が翼を広げて飛んでいった。

・ヘリコプターの羽根
ヘリコプターの翼

・てんとう虫が羽をたたむ仕組みを解明した。
てんとう虫が翼をたたむ仕組みを解明した。

「鷲の羽」のように対になっていることが前提の場合は「羽→翼」で置き換えが可能です。しかし、「ヘリコプターの羽根」は対になっていないので置き換えはできません。また「てんとう虫」の場合も置き換えはできないのですが、これは「翼」はある程度の大きさがあるものにしか使われないためです。

「羽」「羽根」「羽毛」「翼」の違い、まとめ

「羽」「羽根」「羽毛」「翼」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

鳥や虫、または飛行機が空を飛ぶために使う器官や器具体にくっついた状態
羽根羽の形のもの、または羽を加工したもの体から離れている状態
軸がある状態
羽毛鳥の体の表面に生える毛綿毛の状態
鳥、または飛行機が空を飛ぶために使う器官や器具対になった状態
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