「事実」「真実」「真理」の違いと使い分けの例文

「事実」「真実」「真理」は、どれも嘘や偽りのないことという意味ですが、以下のような違いがあります。

  • 事実:実際に起こった事柄(現場重視)
  • 真実:起こった事柄に対する解釈(解釈重視)
  • 真理:普遍的に正しい事柄(理論重視)

このページでは「事実」「真実」「真理」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにさらに詳しく解説しています。

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「事実」「真実」「真理」の詳しい意味

「事実」「真実」「真理」には、それぞれ以下のような意味があります。

【事実】

1.実際に起こった事柄。また、実際に存在する事柄。

2.ほんとうに。実際に。

【真実】

1.表現されたものの内容にうそ偽りがないこと。また、本当のこと。

【真理】

1.確実な根拠に基づいて、普遍的に正しいと認められる事柄。また、一般に、否定のしようもなく正しいと認められる事柄。

2.論理学で、命題の内容が現実に照らしてそのとおりに成立していること。真。


出典:明鏡国語辞典

「事実」のポイントは、「実際に」の部分です。理論や想像ではなく、その場で起こったことやその場にあることを意味しています。

その場で起こったことは、誰が見ても同じですから嘘や偽りのない事柄ということになります。

「真実」のポイントは、「表現された」の部分です。ある事柄を取り上げてそれを表現したとき、その表現したものに嘘や偽りがないという意味です。

つまり、「真実」には、それを表現する人の解釈が入るということです。

あまり楽しい例ではありませんが、わかりやすいので殺人事件を取り上げて説明します。

殺人事件があった場合、「事実」は人が死んだことです。でも、殺人事件の「真実」は、故意だったのか過失だったのかは当事者にしかわかりません。

警察に「人が死んだんだよ!」と問い詰められても反論はできませんが、「お前が殺したんだろ!」と言われても、「それは真実ではありません。」と反論できるということです。

次に「真理」ですが、ポイントは「普遍的に」の部分です。

「真理」は、漢字を分解すると「真:まこと」の「理:ことわり」であるように、道理や理論などの道筋に合っているという意味です。そして、「普遍的」であること、つまり「例外なくすべてのものに当てはまること。」が「真理」です。

論理的な矛盾がなく、どの時代の誰も否定をすることができない、例えば、「人は必ず死ぬ。」は、今のところ死ななかった人はおらず、そのことを誰も否定できていないので「真理」と言えます。

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「事実」「真実」「真理」の使い方と例文

では、具体的な例文を見ながら使い方を確認していきましょう。

まずは「事実」しか使えない例です。

〇事実が判明する。

✕真実が判明する。

✕真理が判明する。

 

〇事実無根の話

✕真実無根の話

✕真理無根の話

「判明」は、「事態を調査することで明らかになる」という意味なので、現場重視の言葉です。そのため、実際にあったこと・そこにあることを基にする「事実」といっしょに使うことはできますが、人の解釈が入ってくる「真理」や理論を重視する「真理」といっしょに使うことはできません。

また、「事実無根」は「証拠も根拠もなく、でたらめである。」という意味ですが、だからこそ証拠や根拠という「実際にはどうか」を踏まえる「事実」としか使うことができません。

では、次に「真実」しか使えない例を見てみます。

✕事実の恋を見つけた。

〇真実の恋を見つけた。

✕真理の恋を見つけた。

✕言葉だけで事実味が感じられない。

〇言葉だけで真実味が感じられない。

✕言葉だけで真理味が感じられない。

「恋」というのは、人の気持ちに関わるものです。現場で何が起きているかとか、理論的にどうかということを越えたものが「恋」ですよね。そのため、「真実」としかいっしょに使うことができません。

「真実味」に使われている「味」というのは感覚で感じるものですから、主観的なものです。化学で味を作ることはできますが、最終的にそれをどのような「味」だと認定するかは人間の解釈です。「真実味」も、人の感覚によって感じる「本当らしさ」のことですから、「解釈」が入っています。現場重視の「事実」や理論重視の「真理」とは相容れない言葉です。

では、最後に「真理」しか使えない例を見てみましょう。

✕事実を悟る。

✕真実を悟る。

〇真理を悟る。

✕永遠不変の事実

✕永遠不変の真実

〇永遠不変の真理

「悟る」は、「物事の道理を明らかに知る。」ことです。そして、「道理」は「正しいことわりの道」ですから、「真理」とともに使うためにあるような言葉です。「事実」を知り、「真実」にたどり着き、遂に「真理」を悟るといった感じでしょうか。

「永遠不変の真理」も「真理」としか使えない表現です。

「事実」は、その時、その場所にある事柄を基にしており、一回的です。今日ある事実が起きたとしても、それが必ず同じように明日も起こるわけではありません。

「真実」は人の解釈ですから、AさんとBさんでは真実だと考えていることが変わります。そのため、どちらも「永遠不変」ではありません。

普遍的なことわりを意味する「真理」だけが唯一「永遠不変」と言えます。

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「事実」「真実」「真理」の違い、まとめ

「事実」「真実」「真理」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。

最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にご活用ください。

  • 事実:実際に起こった事柄(現場重視)
  • 真実:起こった事柄に対する解釈(解釈重視)
  • 真理:普遍的に正しい事柄(理論重視)