間違いだらけの「いたします」と「致します」の正しい使い方

ビジネスメールなどで「よろしくお願い致します」と書いてしまうと恥ずかしい思いをしますよ!このページでは、ビジネスシーンでの間違いが極めて多い「いたします」と「致します」の、知らなかったでは済まされない正しい使い方について解説しています。

「いたします」と「致します」の正しい使い方を理解する3つのポイント

  1. 【いたします】謙譲語として使う時はひらがな表記が正しい書き方
  2. 【致します】漢字表記だと「至らす」という意味の違う言葉になる
  3. 【公用文】補助動詞や補助形容詞はひらがな表記と定められている



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「いたします」と「致します」の正しい使い方を解説します

上に述べた正しい使い方3つのポイント、それぞれについて詳しい解説をいたします。

【いたします】謙譲語として使う時はひらがな表記が正しい書き方

結論から言うと「よろしくお願い致します」すなわち「致します」は間違いです。正しくは「よろしくお願いいたします」と「いたします」の箇所をひらがな表記します。

パソコンのキーボードに「イタシマス」と打ち込むと、大部分の漢字変換ソフトは「致します」と変換してしまうため、それが正しい表記と思われがちです。

しかし「いたします」と「致します」。読み方はまったく同じ言葉ですが、ひらがなの場合と漢字の場合とでは、意味が異なる言葉になってしまうのです。

「いたします」「いたす」は謙譲の気持ちを表す補助動詞ですが、それが「致します」「致す」のように漢字表記になると謙譲とは無縁の動詞になります。

【致します】漢字表記だと「至らす」という意味の違う言葉になる

【致す】
①至らせる、及ぼす
②ささげつくす
③仕向ける
④結果としてもたらす
引用:岩波書店『広辞苑』

「いたす」を「致す」と漢字表記するとそこには謙譲の要素がまったくないことがお分かりいただけるかと思います。

しかも「致す」は動詞です。

つまり「よろしくお願い致します」と書いてしまうと「お願いする」という動詞に、謙譲の気持ちを表す要素が含まれていない動詞を組み合わせて使っていることになるのです。

【公用文】補助動詞や補助形容詞はひらがな表記と定められている

「いたします」のような補助動詞を公用文の中で使う場合、すべてひらがな表記を用いることが文化庁の内閣訓令第1号『公⽤⽂における漢字使⽤等について』で定められています。

次のような語句を,( )の中に示した例のように用いるときは,原則として,仮名で書く。(中略)
・・・かもしれない(間違いかもしれない。)
・・・てあげる(図書を貸してあげる。)
・・・ていく(負担が増えていく。)
・・・ていただく(報告していただく。)
・・・ておく(通知しておく。)
・・・てください(問題点を話してください。)
・・・てくる(寒くなってくる。)
・・・てしまう(書いてしまう。)
・・・てみる(見てみる。)
・・・てよい(連絡してよい。)
・・・にすぎない(調査だけにすぎない。)
・・・について(これについて考慮する。)
引用:文化庁『公⽤⽂における漢字使⽤等について

上の例にはこのページのお題である「いたします」は含まれてはいませんが、「いたします」も補助動詞の一つです。

「いたします」と同様にうっかり漢字表記しがちな「ください」や「いただく」などとともに、公用文では補助動詞や補助形容詞はすべてひらがな表記することが定められている事実をこの機会に覚えておいてください。

あくまでも私的な手紙や、プライベートのメールなどでは差し支えないのですが、ビジネスメールやビジネス文書で「いたします」と書き記す場合、公用文のルールに従った表記をすれば間違いを指摘されることはまずないでしょう。

仮に「ひらがなで書くな、漢字で書け」と言われたら、文化庁の指針に従ったまでと説明すればそれで問題は解決です。

「いたします」と「致します」の正しい使い方、まとめ

「いたします」と「致します」の正しい使い方、おわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、最低限ここだけは抑えておきたいポイントを以下にまとめます。

  • 【よろしくお願いいたします】正しい
  • 【よろしくお願いします】間違い



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