「ただ」「無料」「無償」。三つの言葉の意味は同じです。代価・料金が不要なことをあらわす言葉です。意味は同じですが、以下のような使い分けが求められます。
- 【ただ】話し言葉。主に買い手だけが使える
- 【無料】書き言葉。売り手と買い手が使える
- 【無償】契約書など硬い表現が求められる時
このページでは「ただ」「無料」「無償」の違いと使い分け方について、さらに詳しく解説しています。
【ただ、無料、無償】それぞれの言葉の意味と使い分け方を解説
【ただ】話し言葉。主に買い手だけが使える
【ただ】
代償・祝儀などを与えたり受け取ったりしないこと。代価が不要なこと。無料。また、無償であるさま。
出典:小学館『日本國語大辞典』より一部抜粋
「ただ」「無料」「無償」。
同じ意味を表す三つの言葉の中で「ただ」が持つ最大の特徴、他の二つの言葉と違いが際立っている点は「ただ」は口語・話し言葉に特化していることです。
また「無料」と「無償」は買い手・売り手が使っても差し支えありませんが、「ただ」という言葉を買い手が使うと恩着せがましい印象を与えかねないので注意が必要です。
「ただ」は漢字で「只」とも書き、上下に分解するとカタカナの「ロハ」になることから「無料」や「ただ」の俗語である「ロハ」という言葉が生まれました。
【無料】書き言葉。売り手と買い手が使える
【無料】
料金を要しないこと。ただ。
出典:小学館『日本國語大辞典』より一部抜粋
「無料」は「ただ」と比べた時には書き言葉としての特徴を持っていますが、硬い表現が求められる「無償」と比べると話し言葉に近い性質も兼ね備えている用途の広い言葉です。
商品のポスターやチラシの販促物。店頭での口頭による案内など、使い分けに迷う必要なく使うことができるのが「無料」という言葉の最大の特徴、且つ利点です。
【無償】ビジネス文書など硬い表現が求められる時
【無償】
報償がないこと。また、代価を払わないで済むこと。ただ。無料。有償に対していう。
出典:小学館『日本國語大辞典』より一部抜粋
硬い表現・かしこまった言い回しが求められる公文書やビジネス文書、契約書などに使われてることが多いのが「無償」という言葉の特徴です。
実際、「無償」という言葉は法令文中に「教科書無償措置法」など合計28回使われていることが確認できます。
しかし、同じく法令文中に「無料」という言葉が使われているケースは皆無です。
「ただ」「無料」「無償」の違い、まとめ
「ただ」「無料」「無償」の違いと使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
「ただ」「無料」「無償」。これら三つの言葉の使い分け方のポイントを最後にもう一度まとめますので頭の中の整理にお役立てください。
- 【ただ】話し言葉。主に買い手だけが使える
- 【無料】書き言葉。売り手と買い手が使える
- 【無償】契約書など硬い表現が求められる時