「縄(なわ)」と「綱(つな)」の違いは、以下の通り太さと強度で区別されます。
縄(なわ) | 綱(つな) | |
太さ | 細い | 太い |
ただし、細さ・太さを区別する基準はない | ||
強度 | 弱 縛った小さな荷物などを解くためにハサミなどで簡単に切れる | 強 命綱(ザイル)や綱渡りのロープなど決して切れてはならない |
このページでは、「縄(なわ)」と「綱(つな)」の違いについて、さらに詳しく解説しています。
【縄と綱】つくり方の違い
細い繊維材料を集めて左撚り(より)をかける工程をへて、精紡機からつむぎ出した糸のことを「単糸(たんし)」または「ヤーン」といいます。
この「単糸」が、その後の撚り(より)方の違いによって「縄」または「綱」になるのです。
【縄(なわ)】が「単糸」から出来るまで
細い繊維に左撚りをかけることで「単糸」になりましたが、その1本の「単糸」に右撚りをかけることで「単糸」は「子縄(こなわ)」または「ストランド」になります。
この「子縄」を3本、4本、または8本撚り合わせることによって出来上がったのが「縄」です。
【綱(つな)】が「単糸」から出来るまで
「縄」の場合は、1本の「単糸」から「子縄」をつくりましたが、「綱」の場合は「単糸」を数本から数十本集めて「子縄」をつくります。
「縄」よりも「綱」の方が太く強度が高いのは「子縄」のつくり方の違いから来るものです。
この「子縄」を3本、4本、または8本撚り合わせることによって「綱」をつくる最終工程は「縄」と同じです。
【縄と綱】「単糸」から出来るまでの工程まとめ
縄 | 綱 | |
単糸 | 細い繊維に左撚りをかけてできる | |
子縄 | 一本の単糸に右撚りをかけてできる | 複数の単糸に右撚りをかけてできる |
完成 | 3・4・8本の子縄を撚り合わせる |
【縄と綱】強度と用途の違い
「縄」と「綱」は、つくり方の違いから太さと強度の違いがあり、特に強度によって使い道が異なります。
「雑誌を縄で縛る」などと使われるように、主に小さな荷物を縛る時などに使われるのが「縄」です。小さな荷物なのでそれほどの強度は求められません。
また「縄」を切って荷物を解く場合もあるため、刃物で簡単に切れることも「縄」には求められます。
一方で「綱」は、「命綱」「綱渡り」などと使われるように切れない強度を求められます。刃物などで簡単に切ることができない、切れてはならないの「綱」の特徴です。
簡単に切れない「綱」は、文字通りの命綱となる登山のザイル、吊り橋のケーブルなど決して切れてはならない場所で使われます。
【縄と綱】違い、まとめ
「縄」と「綱」の違い、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
このページの最後にもう一度「縄」と「綱」の違いを区別するポイントを以下にまとめますので、頭の中の整理にお役立てください。
縄 | 綱 | |
作り方の違い | 1本の単糸で子縄を作る | 複数の単糸で子縄を作る |
太さ | 綱より細い | 縄より太い |
強度 | 刃物で切ることができる | 決して切れてはならない |