「休憩」と「休息」。よく似ているこれら二つの言葉の違いは、休む時間の長短やリラックスの度合いによって次のように使い分けます。
- 【休憩】短時間休む:仕事の合間に喫煙ルールで一服する
- 【休息】長時間休む:ソファで横たわってゆったりと休む
上記のような区別をする理由についても解説しています。合わせてご覧ください。
【休憩と休息】意味の違いと使い分け方
【休憩】【休息】意味の違い
「休憩」と「休息」それぞれの言葉の意味は次の通りです。『日本國語大辞典』から引用しました。
【休憩】
心身の疲れを直すため、仕事や運動などを一時中止して休み憩うこと。ひと休み。休息。いきつぎ。【休息】
①のんびりとくつろぐこと。仕事や歩行などをやめて体を休めること。
②休止すること。とだえること。出典:小学館『日本國語大辞典』
ともに仕事の手を一旦休めて休むことを意味する言葉ですが、上に引用した記述だけだと明確に区別しきることができません。
しかし「休憩」の意味にある「憩う」。「休息」の意味にある「くつろぐ」。それぞれの言葉の意味を確認すると、区別が明瞭になってきます。
【憩う】【くつろぐ】意味の違い
「憩う」と「くつろぐ」。これらの言葉の意味は次の通りです。こちらも『日本國語大辞典』からの引用です。
【憩う】
息をつぐ。休息する。休憩する。【くつろぐ】
①かたくしまっているものや、きっちりはまっているものなどが、ゆるむ。ゆるくなる。くずれる。
②余地ができる。余裕がある。
③ゆったりとした気分になる。心が休まる。安心する。
④からだを楽にする。休息する。また、服装、姿勢、態度などを楽にする。出典:小学館『日本國語大辞典』
「休憩」の意味に含まれている「憩う」と比較して、「休息」の意味に含まれている「くつろぐ」の休み方のリラックスの深さが際立っていることがわかりました。
そして、このリラックスの深さこそが「休憩」と「休息」の違いを区別するポイントです。
「休憩」という言葉は国会法第117条にも使われています。言葉の選定に厳密な法律の条文にも使われているほどの言葉なので、かしこまった表現が求められる文書を書く場合などでは「休憩」を使うのが無難な選択かもしれません。
国会法
第百十七条
議長は、議場を整理し難いときは、休憩を宣告し、又は散会することができる。
出典:『国会法』
【休憩】【休息】意味の違い、まとめ
「休憩」と「休息」は、ともに仕事の手を休めて、体を疲れから回復させるために短時間だけ休むという意味です。
しかし、休む際のリラックスの仕方の深さに違いがあり、自ずと休む時間にも違いが生じてきます。
まとめると次のようになります。
- 【休憩】仕事の合間に短時間だけ一息ついて気分転換する
- 【休息】仕事の合間に長時間くつろいで疲れを完全に癒す