「クッキー」「ビスケット」「サブレ」は、小麦粉を使った焼き菓子ですが、それぞれ以下のような意味があります。
- 【クッキー】アメリカから日本に伝わった焼き菓子
- 【ビスケット】イギリスから日本に伝わった焼き菓子
- 【サブレ】フランスから日本に伝わった焼き菓子
このページでは「クッキー」「ビスケット」「サブレ」の意味と違いを詳しく解説していきます。
「クッキー」「ビスケット」「サブレ」の意味
「クッキー」「ビスケット」「サブレ」は、見た目や味に違いがありますが、小麦粉を使って焼いたお菓子で、サクサクとした触感が良く似ています。それぞれの意味について、詳しく解説していきましょう。
「クッキー」の意味
「クッキー」はアメリカから日本に伝わった焼き菓子です。英語では「cookie」となります。
アメリカではサクッとした触感の焼き菓子の総称として「クッキー」と呼ばれています。アメリカ人から見れば、「ビスケット」も「サブレ」も「クッキー」なのです。
しかし、日本では「クッキー」に対して「糖分(砂糖類)と脂肪分(バターなど)が原材料全体の40%以上」という定義があります。辞書では、以下のように説明されています。
【クッキー】
(=小さいケーキ)香料を入れた固焼きの洋風干菓子。ビスケットと違い、手焼きで形・味に変化のある物が多い。
出典:三省堂「新明解国語辞典第六版」より抜粋
「ビスケット」の意味
「ビスケット」はイギリスから日本に伝わった焼き菓子です。英語では「biscuits」となり、焼き菓子全体(クッキーもサブレも)を「ビスケット」と呼びます。
「クッキー」「サブレ」と比較すると、やや硬く水分や油分が少ない印象を受ける人が多いでしょう。イギリスではビスケットの由来について「保存食用にパンを二度焼きしたのが始まり」という説があります。
日本では「ビスケット」に対して「糖分(砂糖類)と脂肪分(バターなど)が原材料全体の40%未満」という定義です。辞書では「ビスケット」について以下のように説明されています。
【ビスケット】
(二度焼かれたの意)子供のおやつなどにする、固焼きの洋風干菓子。小麦粉にバター、砂糖などを入れて作り、味は概して単一ではないものが多い。
出典:三省堂「新明解国語辞典第六版」より抜粋
「サブレ」の意味
サブレはフランスから日本に伝わった焼き菓子です。「クッキー」「ビスケット」とは違い、英語ではなくフランス語(sable)になります。フランスでも「クッキー」「ビスケット」という言葉はなく、焼き菓子全体を「サブレ」と呼んでいます。
「サブレ」という由来は生産地であるフランスの「サブレ=シュル=サルト」という都市名からきていると言われています。
日本では細かい定義はありませんが、「クッキー」「ビスケット」に比べて、油分が少なく砂糖が多いのが特徴です。また、小麦粉の比重が少なめで、ベーキングパウダーは含まれてないものが多くなります。同辞書では「サブレ」についての記述がありませんでした。
「クッキー」「ビスケット」「サブレ」の違い
日本の食品には「名称」が記載されています。「クッキー」「ビスケット」「サブレ」を含む「クッキー類」には、以下のような定義で名称が分けられています。
(定義)
https://www.biscuit.or.jp/summary/data/hyoji.pdf
第2条 この規約で「ビスケット類」とは、ビスケット(クッキーを含む。以下同じ。)、クラッカー(乾パン及びプレッツェルを含む。以下同じ。)、カットパン及びパイ並びにこれらの加工品をいう。
2 この規約で「ビスケット」とは、小麦粉、糖類、食用油脂及び食塩を原料とし、必要により澱粉、乳製品、卵製品、膨張剤等の原材料を配合し、又は添加したものを混合機、成型機及びビスケットオーブンを使用して製造した食品をいう。
3 この規約で「クッキー」とは、ビスケットのうち次に掲げるものをいう。
(1) 「手づくり風」の外観を有し、糖分及び脂肪分の合計が重量百分比で40パーセント以上のもので、嗜好に応じ、卵製品、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜等により製品の特徴付けを行って風味よく焼きあげたもの
(2) その他、全国ビスケット公正取引協議会(以下「公正取引協議会」という。)の承認を得たもの
出典:ビスケット類の表示に関する公正競争規約及び同施行規則
なんと!表記する名称として「サブレ」はないのです。商品名に「サブレ」という言葉が入っていても、食品としての名称は上記を基準に「ビスケット」あるいは「クッキー」となります。
ここで、前項の辞書で「クッキー」に記載されていた「ビスケットと違い、手焼きで形・味に変化のある物が多い」という意味に繋がりますね。「ビスケット」よりも「クッキー」の方が、形に模様や絵柄が施されたものが多いのでしょう。
また、大枠ではどの焼き菓子も「ビスケット類」となります。「クッキー」も「サブレ」も、「ビスケット」の仲間なのです。
ちなみに、日本では伊藤製菓株式会社より「バターサブレクッキー」という商品名のお菓子が販売されています。スーパーで良く売られているので、見たことがある人も多いでしょう。もはや、フランスなのか、アメリカなのか、さっぱりわかりませんが、如何にも日本語的な商品名ですね。こちらの名称は「クッキー」になります。
「クッキー」「ビスケット」「サブレ」のその他の違い
普段何気なく美味しくいただいているビスケット類ですが、調べると由来や意味、違いなどがわかって面白いですね。
最後に、「クッキー」「ビスケット」「サブレ」の意味と違いをまとめましたので、ご参考になさってください。
クッキー | ビスケット | サブレ | |
国 | アメリカ | イギリス | フランス |
定義 | 糖質・油分が40%以上 | 糖質・油分が40未満 | 比較的小麦粉比重が少ない |
その他 | 手作り風の外観が多い | 日本での焼き菓子の総称でもある | 名称ととしての「サブレ」の分類はない |