「再生」と「復活」。微妙に意味が違うこの一対の類語は、以下のように数字で考えてみることでその違いがわかりやすくなります。
再生 | 復活 |
2や3に落ち込んものが元の10に戻ること | 完全に0になったものが元の10に戻ること |
失われかけたものが元に戻ること | 完全に失われたものが元に戻ること |
このページでは「再生」と「復活」では、それぞれの言葉の意味を確認しながら、違いと使い分け方を使用例とともに解説しています。
「再生」と「復活」の違いと使い分け方を解説
微妙に異なる類語の違いを明らかにするには豊富な情報が必要です。
そこで、日本語の国語辞典の中でも圧倒的な情報量を誇る『日本國語大辞典』で「再生」と「復活」の意味を確認。
「再生」と「復活」の対比に役立つ意味のみ引用しました。
【再生】2や3に落ち込んものが元の10に戻ること
【再生】
①死にかかったものが生き返ること。また、生き返らせること。絶体絶命の状態から助かること。回生。蘇生。
④廃物を加工、工夫して再び使えるように作ること。
出典:小学館『日本國語大辞典』
『日本國語大辞典』の中で解説されている「再生」の定義にある文言「死にかかったもの」「絶体絶命」「廃物」などからわかること。
それは、よみがえったものは失われかけてはいたものの完全には失われてはいないもの、衰えていたものだったことということです。
このことを数字であらわすならば、元は10だったものが2や3にまで衰退し、その後再び10のレベルに戻ることを「再生」といいます。
・古紙を再生してトイレットペーパーをつくる
・倒産の危機に瀕していた企業が再生をはたす
・朽ち果てた古民家を再生してカフェを開業する
【復活】完全に0になったものが元の10に戻ること
【復活】
①生き返ること。失われたものなどがもとにもどること。よみがえること。蘇生。
②いったん廃止、停止していたもの、または破壊されたものなどをもとどおりにすること。もとの状態にもどること。再興。復興。
出典:小学館『日本國語大辞典』
『日本國語大辞典』の中で解説されている「復活」の定義にある文言「失われたもの」「廃止」「停止」「破壊」などからわかること。
それは、よみがえったものは完全に失われていたものということです。
このことを数字であらわすならば、元は10だったものが完全になくなる、すなわち0になってしまい、その後再び10のレベルに戻ることを「復活」といいます。
・一度は途絶えた伝統芸能が復活する
・廃止されていた鉄道路線が復活する
・選手生命を失ったかに見えたアスリートが奇跡の復活を遂げる
「再生」と「復活」の違いと使い分け方、まとめ
「再生」と「復活」の違いと使い分け方、このページの解説でご納得いただけましたでしょうか。最後にもう一度、「再生」と「復活」の違いのポイントをまとめますので、頭の中の整理を行ってください。
- 【再生】失われかけたものが元に戻ること
- 【復活】完全に失われたものが元に戻ること