「探求」「探究」の違いと使い分けの例文

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「探求」「探究」はどちらも「たんきゅう」と読み、何かを探したり探ったりすることを意味しますが、何をどのような目的で探すのかと言う点で違いがあります。その違いを簡単にまとめると以下のようになります。

 何を目的は
探求どこにあるかわからないものを手に入れること、追い求めること
探究物事の真の姿を明らかにすること、見きわめること

このページでは「探求」と「探究」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

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「探求」「探究」の意味と例文

まず、「探求」と「探究」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【探求】
さぐり求めること。さがし回ること。探索。

【探究】
深くさぐりきわめること。事理をたずねきわめること。研究。

出典:『日本国語大辞典』

どちらも探ることですが、どのようなことを探る場合に使うのかまではわかりません。以下でより詳しい意味や例文を見ながらそれぞれの違いを確認していきましょう。

「探」「求」「究」の漢字の意味

言葉の意味を知るときには、漢字の意味を知るとよりわかりやすくなりますので一つずつ見ていきたいと思います。

まずは、「探求」「探究」のどちらにも使われている「探」からです。「探」の左側の部首は手を表しています。右側の文字は「穴+又(て)+火」から出来ていて、穴の奥にある火を手でさぐり出す様子を表しています。ここから「探」は、奥深く手を入れてさぐる、奥深く入ってさがし求めるという意味で使われます。

「求」は、頭や手足のついた動物の毛皮を描いたものです。毛皮は体に引き締めるようにしてまといつけるので、離れたり散ったりしないように、ぐいと引き締めることを表しています。ここから「求」は、自分のものにしようとする、探し求めるという意味を持つようになりました。

「究」は「穴+九」から出来ています。「九」は手が曲がった様子です。「究」は穴の一番奥に手が届いたために、それ以上手が伸ばせず曲がったことを表しています。ここから「究」は、奥深く入り込む、奥底まで入り込んで確かめるという意味を持っています。

では、それぞれの漢字の意味がわかったので、「探求」と「探究」について詳しく見ていきましょう。

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「探求」の意味と例文

「探求」は、それぞれの漢字の意味を組み合わせると「奥深く入って探し求める+自分のものにしようとする」となります。「探求」は、何かを手に入れようと探し回るという意味です。

「奥深く入って」という意味があることから、簡単に見つかるものではなく、見つけにくいもの、どこにあるかがわかりにくいものを探す場合に使います。例文を見てみましょう。

・初版本、絶版本の探求の依頼は神谷書店まで。
・下寺尾遺跡群は、歴史文化を探求し創造する「学びの場」である。
・探求コースとは自分の可能性を探って伸ばせる、そんなコースです。

初版本や絶版本は普通の本屋では見つかりません。なかなか見つからないけれど、どうしても手に入れたいものなので「探求」を使います。二つ目の例文では遺跡を見たり調べたりすることで、かつての歴史や文化をうかがい知ることができることから「探求」を使います。また、三つ目の例文の「自分の可能性」は一体どのようなものかはわかりませんが、見つけていきたいものです。「探求コース」で奥深くまで探して見つけようという意味で「探求」が使われています。

「探求」は、貴重な品物や秘境など具体的な物・場所とともに使うことができます。また、歴史文化、可能性、理想のような抽象的なものとも使えます。

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「探究」の意味と例文

では、次に「探究」の意味を見てみましょう。「探究」は、漢字の意味を組み合わせると「奥深く入って探し求める+奥底まで入り込んで確かめる」となります。

ポイントは、奥深く・奥底という意味が重なっていることと「確かめる」という意味があることです。「探究」は「探求」と比べて、より深いところを探します。また、「探究」は確かめたい、明らかにしたいという気持ちで探すという点が「探求」とは異なります。例文を見てみましょう。

・彼は国が乱れている間も、学問を探究することをやめなかった。
・作曲家は音の感覚世界を通じて人間存在の本質を探究し続けた。
・真理の探究をするために必要不可欠な「思考を広げる」3つのポイント!

「学問」「本質」「真理」はどれも手に入れることのできるものではありません。でも、明らかにしたい、見極めたいという思いで、深く考えたり調べたりします。そのため「探究」を使います。「探究」は、物事の意義や本質といった真の姿を知るために研究するという意味合いを持っています。

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「探求」「探究」の意味の比較

ここまで「探求」と「探究」の意味と使い方の違いを説明してきましたが、以下の例文のように「探求」と「探究」のどちらでも使える場合があります。ただし、伝わる意味は異なりますので、よく考えて使い分ける必要があります。

・究極のラーメンの探求にまい進する:究極のラーメンはどこのラーメンか食べ比べる
・究極のラーメンの探究にまい進する:究極のラーメンを作るために作り方を研究する

・本当の幸せを探求する:幸せになりたいと思い、幸せを追い求める
・本当の幸せを探究する:本当の幸せとは何かを明らかにしようと深く考える

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「探求」「探究」の違い、まとめ

「探求」と「探究」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

 何を目的は
探求どこにあるかわからないものを手に入れること、追い求めること
探究物事の真の姿を明らかにすること、見きわめること
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