「暑い」「熱い」の違いと使い分けの例文

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「暑い」「熱い」は、どちらも温度が非常に高い時に使われる言葉ですが、何の温度の高さをどのように感じるかに違いがあり、また温度の高さに対する気持ちも違います。その違いをまとめると以下のようになります。

 何のどのように気持ち対義語
暑い気温体感不快寒い
熱い

物質(固体・液体・気体)
感情(比喩表現として)

触感快、不快冷たい

このページでは「暑い」「熱い」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

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「暑い」「熱い」の意味と例文

まず、「暑い」「熱い」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【暑い】
気温や体全体で感じる温度が、適温より高いと感じる。

【熱い】
1.物質の温度が自分の体温より著しく高いと感じる。
2.体や体の一部が、普通より高い熱をもっていると感じる。特に、病気のために体温が高いと感じる。
3.〔比喩的に〕感動・興奮・熱中などのために、体や心が燃え、情熱がわきたつように感じられる。
4.二人の間に恋愛感情が高まっている。

出典:『明鏡国語辞典』

「暑い」の意味はシンプルですが、「熱い」はさまざまな意味を持っています。以下で例文を見ながら、それぞれの意味や気持ちの違いを具体的に確認していきましょう。

「暑」「熱」の漢字の意味

言葉の意味を知るときには、漢字の意味を知るとよりわかりやすくなりますので一つ一つ見ていきたいと思います。

まず「暑」からです。上にある「日」は太陽を、「者」は台の上で柴が燃えている様子で、柴を燃やすほど太陽の温度が高いことを表しています。太陽の温度が高いということは空気が温まるということですから、「暑い」は気温が高くてあついという意味です。

では、次に「熱」を見てみましょう。「熱」の上の部分は、人が木を持っている様子を表しています。下の四つの点は、燃えている火です。「熱」は火のついたトーチのことで、それで何かを燃やしたりあぶったりすることから、あぶり焼けるという意味や火が燃えてあついということを表します。また、火で燃やしたことによって物や水などの温度が高くなっている場合にも「熱い」を用います。

漢字の成り立ちから、「暑い」は気温の高さによるあつさを、「熱い」は物質の温度が高くなったことによるあつさを表すという違いがあることがわかったと思います。

それでは、「暑い」「熱い」の例文を見ながら使い方の違いを確認していきましょう。

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「暑い」の例文

気温の高さによるあつさを表すときに使われる「暑い」の例文を見てみましょう。

・今年の夏は特に暑い。
・部屋の暖房が効きすぎていて暑い。

一つ目の例文は、「暑い」を使う典型的な例です。夏は太陽の日差しが強くなって気温が上がりますから「暑い」です。二つ目の例文は、太陽によって部屋の温度が高くなったわけではなく暖房器具によってあつくなっていますが、体全体で感じるあつさの場合には「暑い」を使います。

「暑い」には不快な気持ちを表すという特徴があり、「今日は暑い」と言えば、それだけで暑いから嫌だ、嬉しくないという気持ちを表します。もし気温が高くて嬉しいなら「暖かい」を使います。

ちなみに、温度が高くて嬉しいときは「温かい」を使います。「暖かい」と「温かい」の詳しい違いはこちら

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「熱い」の例文

「熱い」は、物質が火などによって温められて温度が高くなったことを表すときに使われます。例文を見てみましょう。

・熱い食べ物や飲み物は苦手だ。
・熱い湯気でやけどをしてしまった。
・気球に熱い空気を送り込む。

「熱い」は食べ物や飲み物のような固体・液体、湯気や空気のような気体など、どのような物質に対しても使うことができます。

固体や液体に「熱い」を使うことはわかりやすいと思いますが、気体のあつさと気温のあつさは似ているので「熱い」か「暑い」で悩むかもしれません。そのような場合は、触感なのか体感なのか、また反対の言葉(対義語)で表現すると何なのかを考えるとわかります。

例えば、二つ目の例文の「あつい湯気」は気体ですが、手で触ったことによりあつさを感じたので「熱い」を使います。

三つ目の例文の「あつい空気」は、直接触ったのか、体で感じたのかわかりにくく使い分けに悩むかもしれません。そのようなときは対義語を考えるとわかります。「あつい空気⇔冷たい空気」ですよね。「熱い⇔冷たい」「暑い⇔寒い」なので、湯気の場合は「熱い」を使うことがわかります。

「熱い」は、以下の例文のように比喩的に用いられることもあります。

・感動して胸が熱くなる。
・その話を出すとすぐ熱くなるから問題だ。
・あの二人はお熱い仲だ。

感動したり、興奮したりして体や心が燃えるような気持になる時には「熱い」を用います。

なお、「暑い」は不快な感情を表しますが、「熱い」は快、不快のどちらの場合でも使うことができます。

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「暑い」「熱い」の違い、まとめ

「暑い」「熱い」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

 何のどのように気持ち対義語
暑い気温体感不快寒い
熱い

物質(固体・液体・気体)
感情(比喩表現として)

触感快、不快冷たい
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