「うらむ」と発音する「恨む」「怨む」「憾む」。
「うらみ」と発音する「恨み」「怨み」「憾み」。
これら三種類の「うらむ」「うらみ」の違いは次の通りです。
- 【恨む・恨み】不満
- 【怨む・怨み】憎悪
- 【憾む・憾み】後悔
このページでは、【恨む・怨む・憾む】【恨み・怨み・憾み】の意味の違いと使い分けと、それぞれの言葉をどんな場合に使い分ければ良いのかについて解説しています。
【恨む・怨む・憾む】【恨み・怨み・憾み】違いと使い分け
【恨む・怨む・憾む】【恨み・怨み・憾み】使い分け
東京堂出版『同訓異字辞典』に記載されている使い分けマニュアルによると、【恨み・怨み・憾み】の三種類の「うらみ」は次のように区別されています。
「恨む・恨み」は相手を憎んだり不満に思ったりする場合に。
「怨む・怨み」うらみの感情に憎悪が伴っているような場合に。
「憾む・憾み」は自分の行為を後悔する場合に。
出典:東京堂出版『同訓異字辞典』より引用
「恨む・恨み」と「怨む・怨み」は、相手を憎む気持ちや不満の感情という点で共通していますが、「恨む・恨み」よりも「怨む・怨み」の方が憎悪の感情が強いことが特徴です。
一方「憾む・憾み」は、不満の感情や残念に思う気持ちが相手ではなく主に自分に向けられている点が他の二種類の「うらむ・うらみ」と異なる点です。
【恨む・怨む・憾む】【恨み・怨み・憾み】使い分け用例
三種類の「うらむ・うらみ」の違いを区別するには、一つの状況に三種類の「うらむ・うらみ」を当てはめてみることで、理解しやすくなります。
以下に例を挙げてみます。
- 【事故を恨む】事故のせいで新車に傷がついた
- 【事故を怨む】事故のせいで大切な人を亡くした
- 【事故を憾む】注意力が散漫だったことを悔やむ
上記の例の「恨む」は、新車に傷がついたことには大きな不満があるものの、憎悪の感情を持つほどの状況ではありません。
しかし「怨む」のケースでは、憎悪の感情を持つなと言ってもそれは無理があります。
最後の「憾む」は、不満の感情が相手や他者に向けられたものではなく自分自身に向けられています。
【恨む・怨む・憾む】【恨み・怨み・憾み】それぞれの用例
「うらむ・うらみ」三種類それぞれ独自の用例を観察することで、【恨む・怨む・憾む】【恨み・怨み・憾み】の違いがより区別しやすくなります。
三種類それぞれ独自の用例は次の通りです。
【恨む・恨み】それぞれの用例
- 就職活動がうまくゆかず世の中や時代への恨みの気持ちを抱いた
- 恨みっこなしで別れよう
- 試合で負けたからって恨むなよ
【怨む・怨み】それぞれの用例
- 大事な人を奪われた怨みを晴らさずにいられない
- 人生を狂わされたことを一生涯怨み続ける
- 先代からの怨み
【憾む・憾み】それぞれの用例
- 英語テストでのスペルミスが憾まれる
- 気負いすぎた憾みがある
- 愚かだった過去に憾みを残す
【恨む・怨む・憾む】【恨み・怨み・憾み】違い、まとめ
【恨む・怨む・憾む】【恨み・怨み・憾み】違いと使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
最後にもう一度、このページの冒頭で述べた【恨む・怨む・憾む】【恨み・怨み・憾み】の違いをまとめますので、頭の中の整理にお役立てください。
- 【恨む・恨み】不満
- 【怨む・怨み】憎悪
- 【憾む・憾み】後悔