「寂しい」と「淋しい」の違いと使い分け方を徹底解説!

「寂しい」と「淋しい」。これら二つの言葉の間に意味の違いはありません!

ただし使い分けには十分な注意が必要です。「寂しい」と「淋しい」のどちらを使ってもいい場合と、「寂しい」しか使えない場合があるからです。

このページでは「寂しい」と「淋しい」の違いを理解し、正しく使い分けることができるためのポイントをお伝えしています。

「寂しい」と「淋しい」の違いと使い分けを理解する3つのポイント

  1. 「寂しい」と「淋しい」の意味はまったく同じ
  2. 「寂しい」だけが常用漢字
  3.  迷ったら「寂しい」を使えば間違いない

「寂しい」と「淋しい」。二つの言葉のうち「寂しい」だけが常用漢字なので、公用文や学校の国語のテストの解答用紙には「寂しい」しか使えません。ご注意ください。

だからといって「淋しい」が間違っているということではありません。

プライベートな手紙やメール、文学作品などでは「寂しい」と「淋しい」のどちらを使っても問題ありません。大丈夫です。

そこで、私的な文章を書くとき限定の「寂しい」と「淋しい」の正しい使い分けの考え方を以下にお伝えします。

「寂しい」と「淋しい」の違いと使い分けを徹底解説

【寂しい/淋しい(さびしい/さみしい)】

  1. もとの活気が失せて荒廃した感じ
  2. 欲しい対象が欠けていて物足りない
  3. 孤独がひしひしと感じられる
  4. にぎやかでない。ひっそりとして心細い

出典:岩波書店『広辞苑』

漢字が違うのに意味が同じ。いわゆる「異字同訓」を使い分けるには、漢字そのものの意味を調べると両者の違いを区別する早道になります。

そこで「寂」と「淋」、二つの漢字そのものが持っている意味を明らかにしながら、どのように使い分けたら良いのか、そのポイントをお伝えします。

「寂しい」

【寂】
声がなくひっそりとしている、静かでものさびしい
出典:旺文社『漢和中辞典』

「声がなく」「静か」とあるように、物理的に音がないか、または音が少ない様子のことを【寂】という漢字は意味しています。

人の気配がなくて、シーンと静まりかえった光景を思い浮かべてください。

尾崎放哉の有名な俳句に「咳をしても一人」というものがありますが、あまりにも静か過ぎることで孤独が身にしみる。

そんな状態を表現したいときに「寂しい」を使えば、あなたの伝えたいことは相手にしっかりと伝わるかと思います。

「淋しい」

【淋】
水をそそぐ、うるおす、ぬれる、したたる、したたり流れる
出典:旺文社『漢和中辞典』

【淋】という漢字には「さびしい」という意味はまったくありません。にもかかわらず、どうして「さびしい」という言葉にこの漢字が使われているのでしょうか。

【淋】という漢字が持っている意味、よく観察してみてください。すべてに共通する点が一つだけあります。共通点とは水(液体)です。

漢字そのものも水(液体)をあらわすサンズイ(氵)ですね。

この水(液体)から、あなたは何を想像しますか。もうお察しのことと思います。【涙】です。目からしたたり流れる水(液体)、すなわち「涙」のことです。

「寂しい」と「淋しい」の使い分けポイントは【涙】

「寂しい」という言葉は、音もなくて静まり返った様子を表現する言葉です。

  • 人通りが少なくて寂しい商店街
  • 会場がシーンと静まりかえって寂しいほどだ
  • 一人で留守番するのは寂しい

音がないとは言い換えると人が少なくて孤独を感じるということです。ただ、その孤独は泣くほどの孤独ではありません。(小さな子供は泣くかもしれませんがそれは例外です)

ところが孤独が高じると涙が出ます。泣けてきます。特に、愛する人と別れた後の孤独。大事な人に先立たれた後の孤独は、涙なしではいられません。

そんな、涙が目に浮かぶほどだったり、涙を流すほどの時は「淋しい」を使います。

  • 半年以上も愛するあなたに会えなくて淋しい
  • 可愛がっていたペットが死んでしまい淋しい
  • 長年連れ添った伴侶に先立たれて淋しい

おさらいすると「寂しい」と「淋しい」の使い分けポイントは【涙】です。

【補足】「さびしい」と「さみしい」の違いと使い分け

「寂しい」と「淋しい」の違いと使い分けのポイントは上に述べた通りです。しかし、実に面倒なことにこの二つの言葉は、それぞれ「さびしい」と「さみしい」という二つの読み方を持っているのです。

しかし、こちらの使い分けは簡単です。安心してください。

「さびしい」だけが常用漢字に採用されている読み方なので、公文書や学校の国語テストの解答用紙に使えるのは「さびしい」だけです。

また採用面接などの正しい言葉の使い方を求められる場面でも「さびしい」と発音しておくのが無難です。

一方、私的な手紙やメール、普段の会話などではどちらを使っても大丈夫です。

  1. 「さびしい」と「さみしい」どちらも間違いではない
  2. 「さびしい」だけが常用漢字
  3.  公用文、テストの解答用紙、採用面接では「さびしい」と発音する

「寂しい」と「淋しい」の違いと使い分け、まとめ

「寂しい」と「淋しい」の違いと使い分け、おわかりいただけましたでしょうか。理解しやすいように、違いと使い分けのポイントを一覧表の形でまとめてみます。お役に立てれば幸いです。

  寂しい 淋しい
公用文 使える 使えない
解答用紙 正解 不正解
私的な手紙 使える 使える
使い分け 静かで孤独 孤独すぎて涙が出る

 

  さびしい さみしい
公用文 使える 使えない
解答用紙 正解 不正解
採用面接 使える 使わない
日常会話 使える 使える