「踊る」と「躍る」違いと使い分け方をたった一言で区別する

ともに「おどる」と発音する「踊る」と「躍る」。よく似た二つの言葉の違いを区別するポイントをたった一言で表すと次の通りです。

  • 【踊る】ダンス(dance)
  • 【躍る】ジャンプ(jump)

このページでは「踊る」と「躍る」の違いについて、さらに詳しく解説しています。

【踊る/躍る】の意味

多くの国語辞典では「踊る」と「躍る」は同じ意味を持つ言葉として解説されており、『広辞苑』でも以下に引用するような語釈が掲載されています。

ちなみに『広辞苑』では「踊る」「躍る」の二つの「おどる」という読み方をする言葉に三つ目の「跳る」も加えています。

【踊る/躍る/跳る】
①手・足をあげなどしてはねる。飛び上がる。はね上がる。
②はげしく動揺する。
③踊りを演じる。舞踏する。
④喜び・驚き・発憤などで動悸がはげしくなる。
⑤踊り歩となる。
⑥人の意のままに行動する。
⑦活字や書いた文字などが乱れる。
出典:岩波書店『広辞苑』

【踊る/躍る】の違いと使い分け方

『広辞苑』はじめ大半の国語辞典では「踊る」と「躍る」は同じ意味の言葉として扱われる中で文化庁の『言葉に関する問答集(総集編)』は二つの言葉を明確に区別しています。

『言葉に関する問答集(総集編)』による「踊る」と「躍る」の違いは次の通りです。

【踊る】ある決まりに従っておどるおどり
【躍る】勢いよく飛びあがること
出典:文化庁『言葉に関する問答集(総集編)』

また『同訓異字辞典』では、「踊る」と「躍る」の違いを次のように説明しています。

【踊る】ダンスをする場合、操られる場合に。
【躍る】激しく跳ね回る場合に。
出典:東京堂出版『同訓異字辞典』

【踊る/躍る】の使い分け用例

【踊る】の用例

  • フォークダンスを踊る(ある決まりに従って踊ること)
  • デマ情報に踊らされる(人の意のままに操られること)
  • 緊張のあまり手が震え字が踊ってしまう(書いた文字が乱れる)

【躍る】の用例

  • 全国大会優勝を躍り上がって喜ぶ(喜びなどで飛び上がる)
  • 心踊る・胸が踊る(発憤などでワクワクする)
  • 血湧き肉躍る(心の昂ぶりをあらわす慣用句)

【踊る/躍る】の違い、まとめ

「踊る」と「躍る」はともに次のような意味を共有しています。

「ある決まりに従って踊ること」「ダンス」「人の意のままに操られること」「勢いよく飛びあがること」「激しく跳ね回ること」

しかし、一般的には次のように使い分けがなされています。

  • 【踊る】ある決まりに従っておどるダンス。人の意のままに操られること。
  • 【躍る】勢いよく飛びあがること。激しく跳ね回ること。
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