「様」と「殿」の使い分け方を正しく理解する3つのポイント

ビジネス文書やメール、郵便物などの宛名につける「様」と「殿」。この二つの敬称は、使い分け方は簡単でありながらも誤用されているケースが少なくありません。

このページでは、上司や取引先に対して失礼のない「様」と「殿」の正しい使い分けのポイントをできるだけ簡潔にお伝えしています。

「様」と「殿」の使い分け方を正しく理解する3つのポイント

  1. 【様】目上・目下、どちらの人に対しても使える
  2. 【殿】目下の人に対してだけ使える
  3. 【様】全て「様」で問題ない。地方自治体は「様」で統一する傾向がある。

上の3つのポイントを一瞬で把握できるよう一覧形式にまとめたのが以下の表です。

目上の人に対して 目下の人に対して
OK OK
殿 NG OK



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「様」と「殿」の使い分け方を徹底解説

【様】目上・目下、どちらの人に対しても使える

ビジネス文書やメールなどの個人の宛名の敬称として、最も多くそして一般的に使われているのが「様」です。

「様」が最も多く使われているその理由は、相手が目上・目下、男性・女性を問わず誰に使っても失礼に当たらないその汎用性にあります。

また1952年(昭和27年)に国語審議会が『これからの敬語』の中で「公用文の「殿」も「様」に統一されることが望ましい」としたため、一部の地方自治体などが「殿」を「様」に切り替えはじめ、「様」に統一する傾向は今もなお進行中です。

現在、「様」が多くの人に受け入れられていること。また「様」への統一を省庁が推進した前例があり、且つ地方自治体が「様」への統一に移行しつつあること。

このような傾向があるため、個人の宛名の敬称はすべて「様」で統一してしまっても特段の問題はありません。

参考:国立国語研究所「ことばQ&A」

コラム:最も敬意が高い敬称として定義された「様」
江戸時代初期、当時の日本でキリスト教の布教を行なっていた宣教師が日本語を学ぶために刊行された書物があります。その名は『日本大文典(Arte da Lingoa de Iapam)』(ロドリゲス著、1604~1608刊行)その書物の中で紹介された四種類の敬称の中で「様」は最も敬意が高いものと定義されていました。参考までにその四種類の敬称を敬意の高い順に記すと以下の通りです。「様」「公」「殿」「老」

【殿】目下の人に対してだけ使える

「様」が、相手のポジションを気にすることなく使っても失礼に当たらないのに対して、相手のポジションによって慎重な使い方が求められるのが「殿」です。

時代劇などで藩主のことを「殿」や「殿様」と呼ぶことなどから、最も高い敬意を表す敬称と認識されがちですが、実は「殿」は目上の者が目下の者に使うとき限定の敬称です。

国語辞書として最大規模の情報量を誇る『日本国語大辞典』では「殿」は下記のように定義されています。

官庁などの公の場で用いるほか、書面などでの形式的なもの、または下位の者への軽い敬称として用いる
出典:日本国語大辞典

また「様」が会話の中でも文書の中でも自在に使えるのに対して「殿」は文書限定。たとえ相手が同僚や部下であったとしても会話の中で「殿」を使ってしまうと、相手を見下したという印象を与えかねません。

コラム:公用文では「殿」が使われる
なお、省庁が発行する公用文では「殿」が使われるのが一般的です。上にも述べた通り国語審議会が「公用文の「殿」も「様」に統一されることが望ましい」と告知したものの、一部の地方自治体以外の省庁に「様」は浸透せず、今もなお省庁の公用文では「殿」が使われ続けています。

このページのまとめ

「様」と「殿」の使い分けのポイント。ご理解いただけましたでしょうか。もし、迷いが解消されないようでしたら、究極の使い分けとして「様」だけを使う。このような選択をしても問題はありません。

最後に、このページで述べたことを一覧形式でまとめておきますのでお役立てください。

  殿
目上の人に対して OK NG
目下の人に対して OK OK
文書の中で使う OK OK
会話の中で使う OK NG
公用文 OK OK

 




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