「使用・利用・活用」対象がモノと人とで異なる違いと使い分け

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「使用」「利用」「活用」。これら三つの微妙に意味の違う言葉は「つかう対象」がモノか人かによっても意味が異なり、そのことが違いと使い分けを難しくしています。

このページでは、「使用」「利用」「活用」の三つの違いと使い分け方のポイントを出来るだけわかりやすく簡潔にまとめています。

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「使用・利用・活用」対象がモノと人とで異なる違いと使い分け

◆「つかう対象」がモノの場合
【使用】本来の目的のために使う。
【利用】本来の目的以外のことに使い便利にする。
【活用】そのものの能力をいかして使う。
◆「つかう対象」がの場合
【使用】賃金を支払い人を働かせる。
【利用】自分が得をするために他人を使う。
【活用】その人の能力をいかして使う。
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「使用・利用・活用」それぞれの言葉の意味

【使用】本来の目的のために使う/賃金を支払い人を働かせる

【使用】
物に本質的な変更を加えたりすることなく、その用法に従って利用すること
引用:小学館『日本国語大辞典』

上に引用した「物に本質的な変更を加えたりすることなく」とは、もっとわかりやすくシンプルに言うと「そのまま使う」「本来の目的のために使う」ということです。

では「そのまま使う」「本来の目的のために使う」とは具体的にどういう意味でしょうか。ここでは電話帳を例に挙げて説明します。

電話帳が存在する本来の目的は何ですか?もちろん電話番号を調べるためですよね。わざわざ説明するまでもないことです。

この、わざわざ説明するまでもないことが「そのまま使う」「本来の目的のために使う」を意味します。

一方、人に対して「使用」を用いるのは賃金を払って働かせる場合ですが、この使い方は経営者や人事部以外の方は日常生活の中では使う場面は滅多にないかと思います。

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【利用】本来の目的以外のことに使い便利にする/自分が得をするために他人を使う

【利用】
使用を便利にすること。
引用:小学館『日本国語大辞典』

自分が得をするための手段として使うこと。
引用:小学館『新選国語辞典』

「使用」が「そのまま使う」「本来の目的のために使う」を意味しているのに対して、「利用」はその対象がモノの場合「本来の目的以外のことに使い便利にする」という意味です。

ここでも電話帳を挙げて説明します。

電話帳を漬物石代わりにしたら何かと重宝です。電話帳で筋トレをしたら、筋トレの器具を買わなくても安く筋トレを行うことができます。

とても便利な電話帳ですが、漬物石も筋トレ器具も電話帳の本来の目的ではありません。これが「本来の目的以外のことに使い便利にする」ということです。

なお、モノに使うとポジティブな意味合いを持つ「利用」ですが、人に使うと一転してネガティブな言葉になってしまいます。

例えば「自分の出世のために部下を利用することを厭わない上司」・・・これが人を対象にすると「利用」がネガティブになってしまう例です。

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【活用】そのものの能力をいかして使う/その人の能力をいかして使う

【利用】
いかして用いること。はたらかせて用いること。
引用:小学館『日本国語大辞典』

そのものの本質・能力をいかして使うこと。
引用:小学館『新選国語辞典』

「活用」は便利に使うことを意味する「利用」と区別がつきにくい言葉です。

「利用」が「本来の目的以外のことに使い便利にする」のに対して「活用」は「本来の目的の中でその能力・ポテンシャルを最大限に活かして使う」時に用いる言葉です。

「活用」についても電話帳を例に挙げて説明します。

電話帳は職業別に電話番号が分類されています。この掲載形式を使って、ある特定の業種に絞った電話番号リストを作ればテレアポ営業の効率が格段にアップします。

電話番号を調べるという本来の目的の範囲内でありながら、単に電話番号を調べるという行為を超えた工夫がこの使い方にはみられます。これが「活用」です。

なお、「使用」と「利用」が、使う対象がモノか人かで意味が異なってくるのに対して、「活用」だけは使う対象がモノでも人でも意味の本質は変わりません。

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「使用・利用・活用」違いと使い分け、まとめ

「つかう対象」がモノか人かで意味も使い分けも異なる「使用・利用・活用」。このページの情報でおわかりいただけましたでしょうか。

以下にあらためてポイントをおまとめいたします。

 つかう対象がモノつかう対象が
使用本来の目的のために使う。賃金を支払い人を働かせる。
利用本来の目的以外のことに使い便利にする。自分が得をするために他人を使う。
活用そのものの能力をいかして使う。その人の能力をいかして使う。

 

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