「時間」「時刻」の違いと使い分けの例文

「時間」「時刻」は、どちらも時の流れの中のある一点を示すときに使う言葉ですが、意味の重なる部分と重ならない部分があります。その違いをまとめると以下のようになります。

 時点と時点の長さまとまった時間の単位好機特定の時点
時間〇一時間〇国語の時間✕時間到来〇到着予定時間
時刻✕一時刻✕国語の時刻〇時刻到来〇到着予定時刻

このページでは「時間」「時刻」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

「時間」「時刻」の意味と例文

まず、「時間」「時刻」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【時間】
1.ある時刻と時刻との間。長さを持った時。
2.ある目的のために区切られた時。
3.時刻。ある時点。
4.過去から現在、未来へと切れ目なく連なり、一定の速さでとどまることなく流れ去るもの。とき。
5.時間を表す単位。

【時刻】
1.時間の流れの中の瞬間的な一点。
2.ちょうどいい時。時機。

出典:『明鏡国語辞典』

「時間」は「時刻」よりも多くの意味で使われます。また、「時間」の三つ目の意味を見るとわかるように、「時刻」と同じ意味で使われることもあります。

以下では、「時間」と「時刻」の違いや重なりを、漢字の意味や例文を示しながら詳しく説明していきます。

時」「間」「刻」の漢字の意味

言葉の意味を知るときには、漢字の意味を知るとよりわかりやすくなりますので一つ一つ見ていきたいと思います。

まずは、「時間」「時刻」のどちらにも使われている「時」からです。「時」の右側の「寺」はもともと「止+寸」という字で作られていました。「止」は立ち止まる足を、「寸」は手を表していて、手足を動かして仕事をするという意味を持っています。その「寺」に太陽から作られた「日」が加わり、働いているうちに日が進むこと、つまり時の流れを表すようになりました。

次に「間」ですが、この漢字は左右両開きの戸の間から月の光が漏れる様子から作られています。「間」は戸のすき間、つまり二つのものに挟まれた範囲を表し、もともとは空間的な範囲を表していましたが、時間的な範囲も表すようになりました。

最後に「刻」です。左側の「亥」は豚の骨組みから作られた字で硬いものという意味です。左側の字は刀です。「刻」は硬いものを刀で掘ったり刻んだりすることで、もともとは物に対して使われていましたが、時間を刻む場合にも使われるようになりました。

では、それぞれの漢字の意味がわかったので、「時間」「時刻」について詳しく見ていきましょう。

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「時間」の意味と例文

「時間」は、それぞれの漢字の意味を組み合わせると「時の流れ+二つのものに挟まれた範囲」となります。つまり「時間」は、ある時点とある時点に挟まれた範囲の時の流れを指す言葉です。例文を見てみましょう。

・会社まで電車で一時間かかります。
・忙しくて睡眠時間が足りない。

一つ目の例文では、家を出発した時点から会社に到着する時点までの範囲の長さを「一時間」と表しています。また、二つ目の例文では、寝る時点から起きる時点までの範囲を「睡眠時間」と言っています。「国語の時間」「三時間目」なども同じですが、「時間」はある一定のまとまった時間の単位として用いることもできます。このような使い方は「時刻」にはありません。

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「時刻」の意味と例文

「時刻」は、それぞれの漢字の意味を組み合わせると「時の流れ+刻む」となります。つまり「時刻」は、時の流れを小さく刻んだ一瞬一瞬を示す言葉です。例文を見てみましょう。

・ただ今の時刻は、午前七時五分です。
・バスの時刻表を確認しておこう。

一つ目の例文のように、特定の時点を言う時には「時刻」を用います。また、二つ目の例文の「時刻表」は、乗り物が発着する時点を正確に示すものなので「時刻」を用います。

「時刻」は、「時刻到来」のように「好機、チャンス」という意味でも用いられます。チャンスをつかめるかどうかは一瞬のタイミングにかかっていることから、「時刻」が「好機」という意味でも使われるようになったのです。このような意味は「時間」にはありません。

「時間」「時刻」に共通する意味と例文

ここまで「時間」と「時刻」の意味と使い分けを見てきましたが、以下の例文はどうでしょうか。

・現地の到着予定時刻/時間は何時ですか。
・まもなく閉店時刻/時間となります。

到着する予定の特定の時点、閉店する特定の時点を言っているので「時刻」が適切なように思いますが、「時間」でもいいように思いませんか。

これが「時間」と「時刻」に共通する意味の部分です。「時間」も特定の時点を表すことができるのです。

ただし、「時刻」のほうがより厳密な意味を持っています。そのため先ほどの「ただ今の時刻は、午前七時五分です。」の例文のように、具体的で細かい時間を言う場合には「時刻」のほうが適切です。

「時間」は特定の時点を表すと言っても、やや幅が感じられます。例えば、デパートで「閉店時刻です」とアナウンスすると、まるでその時点ぴったりで入り口が閉められてしまうような印象を与えてしまいます。実際はそうではなく、決められた閉店時刻から少し幅を持って入り口が閉じられるわけですし、お客様を急き立てるような印象を与えたくはないので「閉店時間」が使われるのです。

このように、時点を厳密に表したい場合は「時刻」、時点とは言えある程度幅がある、または幅を感じさせたい場合は「時間」を用います。

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「時間」「時刻」の違い、まとめ

「時間」「時刻」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

 時点と時点の長さまとまった時間の単位好機特定の時点
時間〇一時間〇国語の時間✕時間到来〇到着予定時間
時刻✕一時刻✕国語の時刻〇時刻到来〇到着予定時刻