「緑」「翠」「碧」。どれも「みどり」と読み、英語でいう「グリーン」の色を指す言葉ですが、同じ「グリーン」でも色合いは微妙に異なります。
「緑」「翠」「碧」、三つの「みどり」の色の違いは次の通りです。
このページでは、「緑」「翠」「碧」、三つの「みどり」の色の違いだけでなく言葉の意味の違いについても詳しく解説しています。
【緑、翠、碧】三つの「みどり」の色と意味の違い
【緑】
「緑」は生長した草木の深いグリーンを表す語で、グリーン系統の色の総称です。
また「緑」は、三つの「みどり」の中で唯一の常用漢字です。使い分けに迷う場合「緑」を使っていればまず間違いはありません。
なお、公用文などでは常用漢字の「緑」しか使えませんのでご注意ください。
ところで信号機の「ススメ」を表す色を「青信号」と呼びますが、実は海外では「青」ではなく「グリーン」なのをご存知でしすか?
「青」という語は、本来は黒や白、そして緑まで含む言葉でした。
その名残りによって「緑」のはずの信号が「青信号」になったと言われています。
【翠】
「翠」という漢字は、もともとは美しい色の羽根を持つスズメほどの大きさの野鳥・カワセミのメスを意味する語でした。
ちなみにオスのカワセミは「翡」。オスのカワセミの羽根の色がブルーなのに対して、メスのカワセミの羽根の色はグリーンに限りなく近いブルーです。
メスのカワセミの羽根の色、これが「翠」の色です。
ところでオスのカワセミの「翡」、メスのカワセミの「翠」。二つの漢字を組み合わせると「翡翠」になることにお気づきでしょうか。宝石の「翡翠(ヒスイ)」です。
一説によると、古代中国に初めて輸入された「玉(宝石)」が、カワセミの羽根の色を思わせることからオスの「翡」とメスの「翠」を合わせ「翡翠」と名付けられたと言われています。
【碧】
「碧」は「みどり」だけでなく「あお」とも読みます。
また国語辞典などでも「碧」は「あおみどり色」と解説され、実際にブルーに限りなく近いグリーンです。
グリーン系統の色と並べてみるとブルーに見え、ブルー系統の色と並べると今度はグリーンに見えるのが「碧」という色の特徴です。
なお、当サイトではブルー系統の色と比較した「碧」についても解説しています。
このページと合わせてご覧ください。
【緑、翠、碧】三つの「みどり」の違い、まとめ
「緑」「翠」「碧」、三つの「みどり」の違いはこのページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
最後に、「緑」「翠」「碧」の違いの要点を以下にまとめますので、頭の中の整理にお役立てください。
- 【緑】グリーンの総称で常用漢字
- 【翠】カワセミのメスの羽の色
- 【碧】ブルーに近いグリーン