「明朝」と「翌朝」は、ともに「次の日の朝」を意味します。
ただし「次の日」が今日から見た「次の日」なのか、今日以外の日からも見た「次の日」なのかで「明朝」と「翌朝」は違いが区別されています。
また「翌朝」の読み方は「よくちょう」「よくあさ」どちらも正解。使い分け方は以下の通りです。
- 【明朝】明日の朝。「明日」とは今日から見た明日。
- 【翌朝】ある日の次の日の朝。「翌日」が今日から見た翌日とは限らない。
- 【よくちょう】かしこまった場面で使う。
- 【よくあさ】日常会話の中で使う。
「明朝」と「翌朝」は違いを区別をするのが簡単なようでいて奥の深い一対の類語です。このページでは「明朝」と「翌朝」の違い、「よくちょう」と「よくあさ」についてさらに詳しく解説しています。
「明朝」と「翌朝」の意味の違いと読み方を解説
【明朝】明日の朝
「明朝」とは明日の朝を意味する言葉で読み方は「みょうちょう」と「みょうあさ」の二通りがあります。どちらも正しい読み方です。
「明朝」という言葉の意味を特徴づけているのは「明日の朝」という一点です。
「明日」というからには基準日は「今日」ということになります。「今日」の次の日の朝、それが「明朝(みょうちょう、みょうあさ)」です。
「明朝」の類語には「明旦(みょうたん)」という言葉があります。
ちなみに「明旦」の「旦」という漢字は日の出のさまをあらわし早朝を意味します。
そのため「旦」という漢字が使われている「元旦」という言葉は1月1日の早朝の時間帯を表し、1月1日終日を意味する「元日」と区別されています。
【翌朝】ある日の次の日の朝
「明朝」と同様に「翌朝」も「次の日の朝」を意味する言葉です。
しかし「明朝」と「翌朝」の決定的な違いは「次の日」の基準となる日が「今日」なのか「今日」以外の日も含むのかというその一点にあります。
「明朝」の「次の日」とは今日から見た「次の日」です。しかし、「翌朝」の「次の日」とは今日から見た「次の日」だけとは限りません。
「次の日」を自在に設定できる特徴から「翌朝」は過去の出来事を語る文脈の中で使われることが多い言葉です。
よって、「明朝」と「翌朝」は次のように使い分けます。
・明朝、旅行に出発します。
・明朝、駅前で会いましょう。
【翌朝】の「次の日」とは今日から見た「次の日」とは限らない
・旅行に出発したのは台風が来た日の翌朝のことでした。
・駅前でその人と会ったのは終電帰りの日の翌朝だった。
【よくちょう】と【よくあさ】の違いと使い分け
「翌朝」には「よくちょう」と「よくあさ」という二通りの読み方があり、読み方は異なりますが意味はまったく同じです。
ただし、かしこまった場所・場面などでは「よくちょう」。かた苦しい言い方を避けたほうが良い日常会話の中では「よくあさ」。
このように使い分ければ、ほぼ間違いはありません。
ちなみに、文学作品の文中でのフリガナの使用頻度をデータベース化しているサイト「ふりがな文庫」のデータによれば、「翌朝」の最も多い読み方は「よくあさ」で38.3%。
一方で「よくちょう」というフリガナが付されているケースは15.8%で全体の第三位です。
文学作品の多くは話し言葉を好んで使う傾向にあります。そのため話し言葉である「よくあさ」という読み方が圧倒的に多くなったものと思われます。
参考:ふりがな文庫
「明朝」と「翌朝」の意味の違い、まとめ
「明朝」と「翌朝」の違い、このページの解説でご納得いただけましたでしょうか。最後に再び、「明朝」と「翌朝」の違いのポイントを以下にまとめますので、頭の中の整理にご活用ください。
- 【明朝】の「次の日」とは今日から見た「次の日」
- 【翌朝】の「次の日」とは今日から見た「次の日」とは限らない