「体力」と「精力」の違いを可能な限りシンプルにまとめると次の通りです。
- 【体力】身体の力。肉体の能力。
- 【精力】心と身体の活動のもととなる力。
このページでは、「体力」と「精力」の意味の違い。そして使い分け方について詳しく解説しています。
「体力」と「精力」の意味の違いと使い分け方
「体力」と「精力」の意味の違い
「体力」と「精力」の意味の違いは次の通りです。『日本國語大辞典』より引用しました。
【体力】身体の力。作業・運動を行う肉体の能力。また、病気に対する抵抗力。
【精力】心身の活動力。心身を働かせるもととなる力。根気。元気。せいりき。
出典:小学館『日本國語大辞典』
「体力」とは、労働や運動に耐えて疲労を克服する身体の力。運動を行う際の筋肉などの力や能力。病気に対して抵抗力を発揮し健康を回復させる力。
上の引用の語釈からもわかる通り「体力」とは、文字通り「体の力」です。
人間の体の力を表す「体力」は、比喩的に企業などの経営状況を比喩的に表現する際にも用いられます。
企業の収益性や財務安定性などが良好な状態を「体力のある会社」などと言い、「会社に体力があるうちに新事業を開拓する」のような使い方をします。
一方の「精力」とは体力、そして精神力の根源となる力です。
「精力」の「精」には「物の核心をなす力」という意味があり、「体力」の土台とでもいうべきものが「精力」です。
また「精」には「一生懸命に尽くす」という意味もあり「仕事に精力を傾ける」と言う場合、仕事に熱心に取り組むという意味となります。
「体力」と「精力」の使い分け方
「体力」と「精力」の使い分け方の違いは次の通りです。『類語例解辞典』より引用しました。
【体力】人間が実際に活動や運動をするための力。
【精力】人間が心身を活発に働かせるための力。
出典:小学館『類語例解辞典』
人間の物理的な活動に直接かかわってくるのが「体力」。その「体力」を発揮させ、人間の活動をより活発にするのが「精力」です。
なお、「精力」=「生殖力」と認識している方が少なくありません。
「生殖力」はたしかに「精力」の一部ですが「精力」のすべてではありません。
以下が「精力」=「生殖力」の関係です。
誤:「精力」=「生殖力」
「体力」と「精力」の意味の違い、まとめ
「体力」と「精力」の違い、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、「体力」と「精力」の違いを区別するポイントを以下にまとめます。
- 【体力】身体の力。肉体の能力。
- 【精力】心と身体の活動のもととなる力。