南国らしいのんびりとした響きが魅力の宮崎弁。
「てげ」「よだきい」「てげてげ」など、一度聞いたら忘れられない言葉がたくさんあります。
この記事では、宮崎県の方言を地域別の特徴・語尾・感情表現・ランキング・会話例まで、例文たっぷりでわかりやすく解説します。
宮崎の方言の地域別の特徴
宮崎県の方言は、大きく分けると「日向弁(ひゅうがべん)」と「諸県弁(もろかたべん)」の2つに分類されます。
さらに、大分県に接する県北部では、大分の言葉に近い特徴が見られます。
同じ宮崎県内でも、住んでいる地域によって語尾やアクセント、使う単語が少しずつ異なるのが面白いところです。
日向弁(宮崎市・日南市・西都市など県中部〜南部)
日向弁は、宮崎市を中心に県内の広い範囲で話されている方言です。
「〜ちゃ」「〜と?」「〜が」といった語尾や、「てげ」「よだきい」などの代表的な宮崎弁の多くは、この日向弁に含まれます。
アクセントの区別がほとんどない「無アクセント」の地域が多く、全体的に平坦でやわらかく、のんびりとした印象を与えるのが特徴です。
- 例文:今日はてげ暑いっちゃが。
- 例文:そんげ急がんでもいいとよ。
- 例文:なんしよっと? はよ来ないよ。
諸県弁(都城市・小林市・えびの市など県南西部)
諸県弁は、江戸時代に薩摩藩の領地だった旧諸県郡(現在の都城市・小林市・えびの市など)で話されている方言です。
鹿児島弁と共通する言葉が多く、「〜じゃっど」「わっぜ」「おやっとさあ」などが使われます。日向弁と比べると語気がやや強く、歯切れのよい響きに聞こえることもあります。
- 例文:あいはわっぜ良かにせじゃっど。
- 例文:今日はおやっとさあ、ゆっくい休んみやんせ。
- 例文:まこて寒かねえ。
県北部(延岡市・日向市北部・高千穂町など)
延岡市や高千穂町などの県北部は、大分県と隣接しているため、大分弁と共通する表現が見られます。
「しんけん(とても)」のような大分で有名な言葉が聞かれることもあり、同じ宮崎県内でも県南の人とは少し違った言葉づかいになります。山間部の高千穂などには、昔ながらの古い言葉が残っているとも言われています。
- 例文:この店のチキン南蛮、しんけんうまいっちゃ。
- 例文:そげなこと言うたらいかんじ。
基本の挨拶・日常会話フレーズ一覧
まずは、宮崎の日常会話でよく耳にする基本的な方言を一覧で紹介します。
旅行や移住の際に知っておくと、地元の人との会話がぐっと楽しくなります。
| 標準語 | 宮崎弁 | 意味・使い方 |
|---|---|---|
| とても・すごく | てげ | 程度が大きいことを表す、宮崎弁の代表格 |
| 適当に・ほどほどに | てげてげ | 「ほどほどに」「いい加減に」の意味。のんびり気質を表す言葉 |
| 面倒くさい | よだきい | おっくうでやる気が出ない気持ち |
| 本当に | まこて | 主に諸県地方。強調として使う |
| とても(県南西部) | わっぜ | 諸県地方・鹿児島で使われる強調語 |
| どう・どんな | どんげ | 「どんげした?」=どうした? |
| こんな | こんげ | 「こんげなもん」=こんなもの |
| そんな | そんげ | 「そんげこと言わんで」=そんなこと言わないで |
| あんな | あんげ | 「あんげ遠くまで」=あんなに遠くまで |
| 疲れた | だれた/ひんだれた | 体がくたくたになった状態 |
| お疲れさま | おやっとさあ | 主に諸県地方でのねぎらいの言葉 |
| かわいそう | ぐらしい | 相手に同情する気持ち |
| 怖い | おじい | 恐ろしい、怖いという意味 |
| 寂しい | とぜんねえ | 退屈で寂しい気持ち |
| びっくりする | ひったまがる | 強い驚きを表す |
| うるさい | せからしい | 騒がしくて迷惑な様子 |
| うっとうしい | やじろしい | わずらわしい、うっとうしい |
| だらしない | ずんだれ | 服装や態度がだらしないこと |
| めちゃくちゃ | ちんがら | 壊れたり台無しになったりした状態 |
| 困り果てる | あくしゃうつ | 手を焼いてどうしようもない状態 |
| 渋滞・のろのろ運転 | いっすんずり | 車が少しずつしか進まない様子 |
| 腐る | ねまる | 食べ物が傷んでしまうこと |
| 片付ける | なおす | 「元の場所に戻す」の意味 |
| 背負う | かるう | 荷物などを背中にのせること |
| 掃く | はわく | ほうきで掃除すること |
| 埋まる・はまる | いぼる | ぬかるみや泥に足がはまること |
| 全然 | いっちょん | 否定の言葉と一緒に使う |
| つらい・たまらない | のさん | 体や気持ちがつらい状態 |
| 悔しい・もどかしい | はがいい | 思い通りにならず、じれったい気持ち |
| 役に立たない | がんたれ | 粗末なもの、役に立たないもの |
| お腹がすいた | ひだるい | 空腹でふらふらする状態 |
| 〜らしい | 〜げな | 伝え聞いたことを話すときの語尾 |
| 〜のようだ | 〜ごたる | 様子や推量を表す |
| している | しちょる | 「〜している」の意味 |
| なんとなく | なんかしらん | 理由ははっきりしないけれど、の意味 |
| 本当に・全く | よいよ | 「よいよ困った」=本当に困った |
| いいよ | よかよ | 許可や同意を表す |
| そうだよね | だっちゃが | 相手への共感・相づち |
表に出てきた言葉を使った、実践的な例文を紹介します。
- 例文:この宿題、てげ多くてよだきいわ。
- 例文:てげてげでいいかい、無理せんでね。
- 例文:昨日は山登りしてひんだれたっちゃが。
- 例文:どんげしたと? 顔色悪いよ。
- 例文:そんげ言われたらぐらしいがね。
- 例文:夜の山道はおじいかい、一人で行ったらいかんよ。
- 例文:みんな帰ってしもうて、とぜんねえわ。
- 例文:急に雷が鳴ってひったまがった。
- 例文:使ったもんはちゃんとなおしちょってね。
- 例文:朝から国道がいっすんずりで、遅刻しそうやった。
すぐに使える宮崎弁の短い会話一言集
相づちや返事など、会話の中でさっと使える短い一言を集めました。
どれも短いフレーズなので、宮崎弁に慣れていない人でも取り入れやすいのが魅力です。
| 宮崎弁の一言 | 標準語 | 使う場面 |
|---|---|---|
| だっちゃが! | そうだよね! | 相手の話に共感するときの相づち |
| てげ! | すごい! | 驚いたときや感心したときの一言 |
| よかよ | いいよ | 頼みごとを引き受けるとき |
| よだきい… | 面倒くさい… | やる気が出ないときのつぶやき |
| なんしよっと? | 何してるの? | 友人や家族に声をかけるとき |
| どんげしたと? | どうしたの? | 相手の様子が気になるとき |
| ほんとけ? | 本当に? | 話の真偽を確かめるとき |
| まこて? | 本当に? | 主に諸県地方で、驚いたとき |
| ひったまがった! | びっくりした! | 強く驚いたとき |
| だれた〜 | 疲れた〜 | 仕事や運動のあと |
| ぐらしいね | かわいそうだね | 相手に同情するとき |
| せからしい! | うるさい! | 騒がしいときやしつこいとき |
| 早よしない! | 早くしなさい! | 相手をせかすとき |
| 気をつけて帰りないよ | 気をつけて帰ってね | 別れ際の見送り |
| また来ないよ | また来てね | 訪ねてきた人を見送るとき |
| おやっとさあ | お疲れさま | 主に諸県地方でのねぎらい |
| てげてげでいいが | ほどほどでいいよ | 頑張りすぎている人へのひと言 |
| そんげね | そうなんだ | 話を聞いて納得したとき |
- 例文:「明日晴れるげな」「だっちゃが! 楽しみやね」
- 例文:「これ手伝ってくれん?」「よかよ」
- 例文:「バスに乗り遅れたっちゃが」「ぐらしいね」
- 例文:「今日はありがとう」「気をつけて帰りないよ。また来ないよ」
日常の何気ない会話で使う宮崎弁一覧
朝の挨拶から食事、買い物、天気の話まで、日常のちょっとした場面で交わされる会話を一覧にまとめました。
宮崎弁の自然な言い回しを、標準語と見比べながら確認してみてください。
| 場面 | 宮崎弁 | 標準語 |
|---|---|---|
| 朝起きたとき | もう起きちょると? | もう起きてるの? |
| 朝ご飯 | ご飯できちょるよ、早よ食べない | ご飯できてるよ、早く食べなさい |
| 出かける前 | 傘持っていかんと、雨降るげな | 傘を持っていかないと、雨が降るらしいよ |
| 天気の話 | 今日はてげ暑いね | 今日はとても暑いね |
| 天気の話 | 台風が来るごたるね | 台風が来るみたいだね |
| 通勤・通学 | 道がいっすんずりやった | 道が渋滞していた |
| 職場で | その書類、なおしちょって | その書類、片付けておいて |
| 昼ご飯 | 昼、何食べると? | お昼、何を食べるの? |
| 食事中 | このチキン南蛮、てげうまいっちゃが | このチキン南蛮、すごくおいしいんだよ |
| 買い物 | これ、なんぼね? | これ、いくらですか? |
| 買い物 | ちょっと高いごたるね | ちょっと高いみたいだね |
| 家事 | 玄関、はわいちょってくれん? | 玄関を掃いておいてくれない? |
| 冷蔵庫を見て | これ、ねまっちょるよ | これ、腐ってるよ |
| 帰宅したとき | 今日はてげだれた | 今日はとても疲れた |
| 夕食後 | 洗い物、よだきいね | 洗い物、面倒だね |
| 子どもに | 宿題しちょると? | 宿題をしているの? |
| 寝る前 | もう寝るかい、電気消しちょって | もう寝るから、電気を消しておいて |
| 週末の予定 | 日曜、どっか行かん? | 日曜日、どこかに行かない? |
- 例文:「今日、どんげやった?」「てげ忙しかったけど、なんとか終わったっちゃが」
- 例文:「晩ご飯なんね?」「今日は冷や汁にしようかと思っちょる」
- 例文:「雨降りそうやね」「だっちゃが、洗濯物入れちょこう」
- 例文:「週末、海行かん?」「よかね! 行こう行こう」
宮崎弁の語尾でわかる特徴
宮崎弁の魅力は、なんといっても語尾にあります。
同じ意味の文でも、語尾が変わるだけでぐっと宮崎らしい響きになります。ここではエリアごとの語尾の傾向を紹介します。
日向弁エリア(宮崎市周辺)の語尾
宮崎市周辺でよく使われるのが「〜ちゃ」「〜と?」「〜が」「〜っちゃが」です。
「〜ちゃ」は「〜だよ」と断定や主張をする語尾、「〜と?」は「〜なの?」と問いかける語尾、「〜が」は「〜よ」と念を押す語尾です。
「〜っちゃが」は「〜なんだよね」のように、共感を求めるやわらかい響きがあります。
- 例文:明日は休みやっちゃ。
- 例文:どこ行くと?
- 例文:それ、うちのお母さんが作ったとよ。
- 例文:今日はほんとに疲れたっちゃが。
諸県弁エリア(都城市・小林市周辺)の語尾
諸県地方では、鹿児島弁と共通する「〜じゃっど」「〜ど」「〜け?」などが使われます。
「〜じゃっど」は「〜だよ」、「〜ど」は「〜よ」の意味で、力強く言い切る響きがあります。
- 例文:あん人はおいの先輩じゃっど。
- 例文:はよ行かんと遅るっど。
- 例文:もう飯食たけ?
県北エリア(延岡市・高千穂町周辺)の語尾
県北部では、大分弁に近い「〜じ」「〜ちゃ」などが聞かれます。
「〜じ」は「〜よ」「〜ぞ」に近い意味で、軽く念を押すときに使います。
- 例文:それは違うじ。
- 例文:早よ帰らんと暗くなるちゃ。
県全域で使われる語尾
県内の広い範囲で使われるのが「〜げな(〜らしい)」「〜ごたる(〜のようだ)」「〜ちょる(〜している)」などです。九州の他県とも共通する表現が多く、九州出身の人同士なら通じやすい語尾です。
- 例文:明日は雨げな。
- 例文:あの人、なんか怒っちょるごたる。
- 例文:弟はまだ寝ちょるよ。
感情表現を表す宮崎の方言
宮崎弁には、喜怒哀楽を豊かに表す言葉がたくさんあります。感情ごとに代表的な表現を見ていきましょう。
喜びを表す方言
うれしいときは「てげ嬉しい」「わっぜ嬉しか」のように、強調語と組み合わせて表現することが多くあります。「よかった」は宮崎でも「よかった」「よかったね」とよく使います。
- 例文:合格したげな! てげ嬉しいっちゃが。
- 例文:まこて良かったねえ、わっぜ嬉しかど。
怒りを表す方言
怒りやいら立ちを表すときは、「せからしい(うるさい)」「やじろしい(うっとうしい)」「はがいい(悔しい)」などが使われます。
- 例文:せからしい! ちょっと静かにしちょって。
- 例文:毎日同じこと言われて、やじろしいわ。
- 例文:あと1点で負けて、はがいいっちゃ。
哀しみを表す方言
寂しさや悲しさを表すときは、「とぜんねえ(寂しい)」「ぐらしい(かわいそう)」「のさん(つらい)」などが使われます。
- 例文:一人暮らし始めて、なんかとぜんねえ。
- 例文:雨の中で待たされて、ぐらしかったね。
- 例文:熱が下がらんで、のさんわ。
楽しさ・驚きを表す方言
驚いたときは「ひったまがる」、楽しくて盛り上がったときは「てげ楽しかった」とよく言います。
- 例文:宝くじ当たったげな! ひったまがったわ。
- 例文:昨日の花火大会、てげ楽しかったっちゃが。
宮崎弁の感情表現いろいろ一覧
喜怒哀楽だけでなく、疲れ・恥ずかしさ・あきれなど、さまざまな気持ちを表す宮崎弁を一覧にまとめました。
気持ちをそのまま言葉にしやすい表現ばかりです。
| 感情 | 宮崎弁 | 標準語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 喜び | てげ嬉しい | とても嬉しい | 例文:プレゼントもろうて、てげ嬉しいっちゃが。 |
| 喜び | よかった〜 | よかった | 例文:無事に着いたげな、よかった〜。 |
| 楽しさ | てげ楽しい | とても楽しい | 例文:みんなでバーベキュー、てげ楽しいね。 |
| 驚き | ひったまがる | びっくりする | 例文:急に停電して、ひったまがった。 |
| 驚き | まこてね? | 本当に? | 例文:結婚するげな。まこてね? |
| 怒り | せからしい | うるさい・わずらわしい | 例文:何回も言わんでいい、せからしい! |
| いら立ち | やじろしい | うっとうしい | 例文:蚊が飛んじょって、やじろしい。 |
| 悔しさ | はがいい | 悔しい・もどかしい | 例文:あと少しで間に合わんで、はがいい。 |
| 悲しみ | ぐらしい | かわいそう・気の毒 | 例文:雨で遠足が中止げな、ぐらしいね。 |
| 寂しさ | とぜんねえ | 寂しい・退屈 | 例文:友達が引っ越して、とぜんねえ。 |
| つらさ | のさん | つらい・たまらない | 例文:腰が痛くて、のさんわ。 |
| 恐怖 | おじい | 怖い | 例文:夜の墓地はおじいね。 |
| 面倒 | よだきい | 面倒くさい・おっくう | 例文:また書き直しや、よだきい。 |
| 疲れ | ひんだれる | 疲れ果てる | 例文:引っ越しの片付けで、ひんだれた。 |
| 空腹 | ひだるい | お腹がすいてふらふらする | 例文:朝から何も食べちょらんで、ひだるい。 |
| 困惑 | あくしゃうつ | 困り果てる・手を焼く | 例文:子どもが言うこと聞かんで、あくしゃうつわ。 |
| 落胆 | ちんがらになる | 台無しになる | 例文:楽しみにしちょった旅行がちんがらになった。 |
| あきれ | ずんだれちょる | だらしない | 例文:また靴下脱ぎっぱなし、ずんだれちょるね。 |
| 安心 | てげてげでいい | ほどほどでいい | 例文:心配せんでも、てげてげでいいとよ。 |
- 例文:「試合どんげやった?」「1点差で負けて、はがいいっちゃが」
- 例文:「一人で留守番、とぜんねえやろ?」「大丈夫、テレビ見ちょるかい」
かわいい・面白いと言われる宮崎の方言
宮崎弁は、やわらかい語尾やのんびりしたリズムから「かわいい」と言われることが多い方言です。
また、響きがユニークで思わず笑ってしまう言葉もあります。
かわいいと言われる方言
〜っちゃが(〜なんだよね) 語尾を少し伸ばして言うと、甘えたようなかわいらしい響きになります。
- 例文:今日、会えてうれしかったっちゃが。
- 例文:それ、私も好きっちゃが。
〜と?(〜なの?) 問いかけの語尾で、上目づかいで聞かれているような柔らかさがあります。
- 例文:もう帰ると?
- 例文:何食べたいと?
てげ(とても) 「てげかわいい」「てげ好き」のように使うと、ストレートな気持ちがかわいく伝わります。
- 例文:そのワンピース、てげかわいいね。
- 例文:あんたのこと、てげ好いちょるよ。
だっちゃが(そうだよね) 相づちとして使う言葉で、相手に寄り添う温かさがあります。
- 例文:だっちゃがー、私もそう思っちょった。
- 例文:だっちゃが、またみんなで行こうね。
よかよ(いいよ) やさしく受け入れる響きがあり、言われるとほっとする言葉です。
- 例文:気にせんでよかよ。
- 例文:遅れてきてもよかよ、待っちょるかい。
とぜんねえ(寂しい) 「寂しい」をやわらかく伝えられる言葉で、恋人同士の会話でも使われます。
- 例文:会えんとまこてとぜんねえ。
- 例文:週末いないと、とぜんねえっちゃが。
面白いと言われる方言
よだきい(面倒くさい) 宮崎弁の代表格で、響きのユニークさから県外の人にも人気のある言葉です。
- 例文:雨降っちょるし、出かけるのよだきいわ。
- 例文:よだきいけど、仕事やかい行かんと。
いっすんずり(渋滞) 「一寸(いっすん)ずつずる」ように少しずつ進む様子を表した言葉で、情景が目に浮かびます。
- 例文:連休の帰り道はいっすんずりやった。
- 例文:いっすんずりやかい、あと30分はかかるわ。
ちんがら(めちゃくちゃ) 物が壊れたり、計画が台無しになったりしたときに使う、響きが印象的な言葉です。
- 例文:台風で畑がちんがらになった。
- 例文:せっかくの予定がちんがらやわ。
ずんだれ(だらしない) 服装やだらしない様子を指す言葉で、ユーモラスな響きがあります。
- 例文:シャツ出して、ずんだれちょるよ。
- 例文:そんげずんだれた格好で出かけたらいかん。
ひったまがる(びっくりする) 「ひっ」という強調が付くことで、驚きの大きさが伝わる面白い言葉です。
- 例文:急に後ろから声かけられて、ひったまがった。
- 例文:値段見てひったまがったわ。
いぼる(はまる) ぬかるみに足がはまるときに使います。標準語にない言葉なので、県外の人は驚くことが多いです。
- 例文:田んぼで長靴がいぼってしもうた。
- 例文:雪にいぼって動けんかった。
宮崎でよく使う方言ランキングTOP10
宮崎の人が日常的によく使う方言を、ランキング形式で紹介します。
| 順位 | 方言・表現 | 意味 | 解説 | 例文 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | てげ | とても・すごく | 宮崎弁の代表格。老若男女問わず使われる強調語です | 例文:このマンゴー、てげ甘いっちゃが。 |
| 2位 | よだきい | 面倒くさい | やる気が出ない、おっくうな気持ちを表します | 例文:朝早く起きるのはよだきい。 |
| 3位 | 〜ちゃ/〜っちゃが | 〜だよ/〜なんだよね | 宮崎らしさを感じる代表的な語尾です | 例文:もう準備できたっちゃ。 |
| 4位 | 〜と? | 〜なの? | 問いかけのときに使うやわらかい語尾です | 例文:今からどこ行くと? |
| 5位 | てげてげ | ほどほどに・適当に | 宮崎の県民性を表す言葉とも言われます | 例文:仕事はてげてげにしちょきないよ。 |
| 6位 | どんげ | どう・どんな | 「こんげ」「そんげ」「あんげ」とセットで使います | 例文:新しい職場はどんげね? |
| 7位 | ひんだれる | 疲れ果てる | くたくたに疲れた状態を表します | 例文:一日中歩いてひんだれた。 |
| 8位 | とぜんねえ | 寂しい | 九州で広く使われる「徒然ない」に由来する言葉です | 例文:子どもが出ていって、とぜんねえ。 |
| 9位 | せからしい | うるさい | 騒がしいときや、しつこいときに使います | 例文:せからしいかい、テレビの音下げて。 |
| 10位 | いっすんずり | 渋滞 | 車がのろのろとしか進まない様子を表します | 例文:週末の橋はいっすんずりやね。 |
宮崎の方言の会話例
実際に宮崎弁がどのように使われているのか、会話形式で紹介します。
会話例1:友達同士の休日の予定
👩「明日なんしよっと?」 👨「なんも予定ないっちゃが。家でゴロゴロしちょこうかと思っちょる」 👩「えー、よだきがらんで海行かん? 青島の方、てげ気持ちいいとよ」 👨「そんげ言うなら行こうかね」
(標準語訳:「明日は何してるの?」「何も予定がないんだよね。家でゴロゴロしていようかと思ってる」「えー、面倒がらないで海に行かない? 青島のほう、すごく気持ちいいよ」「そう言うなら行こうかな」)
会話例2:家族の会話
👩「あんた、また服脱ぎっぱなしやが。ちゃんとなおしちょって」 👨「わかっちょるって。あとでするかい」 👩「あとであとでって、ずんだれちょるねえ」
(標準語訳:「あなた、また服を脱ぎっぱなしじゃない。ちゃんと片付けておいて」「わかってるって。あとでするから」「あとであとでって、だらしないねえ」)
会話例3:職場の休憩中
👨「昨日の帰り、10号線がいっすんずりで、家着いたら9時やったっちゃが」 👩「うわー、ぐらしい。事故でもあったと?」 👨「なんかしらん、工事しちょったごたる」 👩「それはひんだれたやろ。今日はてげてげで頑張りない」
(標準語訳:「昨日の帰り、10号線が渋滞で、家に着いたら9時だったんだよ」「うわー、かわいそう。事故でもあったの?」「なんだか知らないけど、工事をしていたみたい」「それは疲れたでしょう。今日はほどほどに頑張ってね」)
会話例4:都城での会話(諸県弁)
👨「今日はまこて寒かねえ」 👩「わっぜ寒かど。はよ家入って、あったかいもん飲まんと」 👨「おやっとさあ。ゆっくい休んみやんせ」
(標準語訳:「今日は本当に寒いねえ」「すごく寒いよ。早く家に入って温かいものを飲まないと」「お疲れさまでした。ゆっくり休んでください」)
移住者・旅行者が覚えておきたい宮崎のフレーズ
宮崎を訪れる人や移住を考えている人に向けて、知っておくと便利なフレーズを紹介します。
「てげ」=とても
宮崎で最もよく耳にする言葉です。お店の人や地元の人との会話で使うと、一気に距離が縮まります。
- 例文:このチキン南蛮、てげおいしいですね。
- 例文:宮崎の海、てげきれいやね。
「よだきい」=面倒くさい
地元の人が頻繁に使うので、意味を知っておくと会話の理解がスムーズになります。
- 例文:今日は暑くて、外に出るのがよだきいね。
- 例文:よだきいけど、行かんといかんとよ。
「なおす」=片付ける
「修理する」と勘違いしやすい言葉です。職場や家庭で「なおしちょいて」と言われたら「片付けておいて」という意味です。
- 例文:その書類、棚になおしちょってね。
- 例文:使ったお皿はなおしちょくよ。
「〜と?」=〜なの?
問いかけの言葉です。「なんしよっと?」と聞かれたら「何をしているの?」という意味です。
- 例文:どこから来たと?
- 例文:宮崎は初めてと?
「いっすんずり」=渋滞
車社会の宮崎では、ニュースや日常会話で耳にすることがあります。
- 例文:夕方は駅前がいっすんずりになるかい、早めに出た方がいいよ。
- 例文:お盆はいっすんずり覚悟やね。
「だれた」=疲れた
観光で歩き回ったあとに使えるフレーズです。
- 例文:高千穂峡を歩いて、だれたわ。
- 例文:だれたかい、ちょっと休憩しよう。
メール・チャットでの宮崎弁の使用例
宮崎弁は、親しい間柄のLINEや社内チャットで使うと、親しみやすさが伝わります。ただし、ビジネスメールでは標準語を使うのが基本です。シーン別にBefore/After形式で紹介します。
友人とのLINE
- 例文(Before):明日のランチ、どこに行く?
- 例文(After):明日のランチ、どこ行くと?
- 例文(Before):今日はとても疲れたから、早く寝るね。
- 例文(After):今日はてげだれたかい、早よ寝るっちゃが。
家族とのLINE
- 例文(Before):帰りが遅くなるので、ご飯は冷蔵庫に片付けておいて。
- 例文(After):帰りが遅くなるかい、ご飯は冷蔵庫になおしちょって。
- 例文(Before):一人で寂しいから、早く帰ってきてね。
- 例文(After):一人でとぜんねえかい、早よ帰ってきないよ。
地元の同僚への社内チャット(Slack/Teams)
- 例文(Before):資料の作成、とても助かりました。ありがとうございます。
- 例文(After):資料の作成、てげ助かりました! ありがとうございます。
- 例文(Before):今朝は国道が渋滞していて、少し遅れます。
- 例文(After):今朝は国道がいっすんずりで、少し遅れます。すみません!
ビジネスメール(社外向け)
社外向けのメールでは、方言を使わずに標準語で書くのがマナーです。
- 例文(Before):先日はてげお世話になりました。
- 例文(After):先日は大変お世話になりました。
- 例文(Before):資料はてげてげで大丈夫です。
- 例文(After):資料は概要がわかる程度で問題ございません。
宮崎の方言の歴史的背景
宮崎弁が現在の形になった背景には、江戸時代の藩の区分や、地理的な条件が大きく関係しています。
藩政時代の影響
江戸時代の日向国(現在の宮崎県)は、延岡藩・高鍋藩・佐土原藩・飫肥藩などの小さな藩や天領に分かれていました。一方、都城や小林などの諸県地方は薩摩藩の領地でした。この区分が方言の違いに強く影響しており、諸県地方で鹿児島弁と共通する言葉が多く使われているのは、薩摩藩の支配下にあった歴史によるものと考えられています。
- 例文:都城の人は「おやっとさあ」ってよく言うっちゃが。
- 例文:諸県の言葉は鹿児島に近いげな。
地理的条件と方言の伝播
宮崎県は九州山地に囲まれ、北は大分、南西は鹿児島、西は熊本と接しています。山地によって他地域との往来が限られていたことから、独自の言葉が残りやすかったと言われます。一方で、県北は大分、県南西は鹿児島と交流があったため、それぞれ隣県の方言の影響を受けています。
- 例文:延岡の言葉は大分に似ちょるごたる。
- 例文:高千穂の方は、昔の言葉が残っちょるげな。
近代以降の変化
明治時代の廃藩置県を経て、1873年に宮崎県が誕生しました。その後、一時期鹿児島県に併合されましたが、1883年に再び宮崎県として分県されています。テレビの普及や標準語教育によって若い世代では標準語化が進んでいますが、「てげ」「よだきい」などは今も世代を問わず日常的に使われています。
- 例文:じいちゃんの言葉はてげ濃いけど、私はそこまでじゃないっちゃが。
- 例文:若い子でも「よだきい」は普通に使うとよ。
宮崎の方言の豆知識
宮崎弁にまつわる、ちょっと人に話したくなる豆知識を紹介します。
「よだきい」は古語に由来するとされる
「よだきい」は、古語の「よだけし(おっくうだ、大げさだ)」に由来する言葉と考えられています。大分県でも使われている言葉で、古い日本語が方言として生き残っている例の一つです。
- 例文:「よだきい」って、昔の言葉から来ちょるげな。
- 例文:大分でも「よだきい」って言うとよ。
「てげてげ」は宮崎の県民性を表す言葉
「てげてげ」は「ほどほどに」「適当に」という意味で、温暖な気候の中でおおらかに暮らす宮崎の県民性を表す言葉として紹介されることがあります。「いい加減」というネガティブな意味だけでなく、「無理しすぎないで」という思いやりの意味でも使われます。
- 例文:そんげ頑張らんで、てげてげでいいとよ。
- 例文:宮崎の人はてげてげやかい、のんびりしちょる。
アクセントの平坦さも宮崎弁の特徴
宮崎市を中心とする地域には、言葉ごとのアクセントの区別がほとんどない「無アクセント」の地域が多いとされています。そのため、「橋」と「箸」などを高低で区別しないことがあり、宮崎弁のやわらかく平坦な響きにつながっています。
- 例文:宮崎の人は「橋」も「箸」も同じ言い方をするっちゃが。
- 例文:アクセントが平らやかい、のんびり聞こえるとよ。
宮崎の方言を使う際の注意点
宮崎弁を使うときに気をつけたいポイントを紹介します。
地域によって意味や使い方が異なる
宮崎県内でも、日向弁・諸県弁・県北の言葉では使う単語や語尾が異なります。都城の人に日向弁の言い回しを使うと「それは宮崎市の言い方やね」と言われることもあります。また、「ねまる」は九州では「腐る」の意味ですが、東北地方では「座る」の意味になるなど、他の地域と同じ言葉でも意味が異なる場合があります。
- 例文:このご飯、ねまっちょるかい食べたらいかんよ。
- 例文:都城では「わっぜ」、宮崎市では「てげ」を使う人が多いっちゃが。
ビジネスや目上の人には控えめに
方言は親しみやすさを伝える一方で、ビジネスシーンや初対面の目上の人には、くだけすぎた印象を与える場合があります。特に「よだきい」「せからしい」などは、相手によっては失礼に受け取られることがあるため、使う相手と場面を選びましょう。
- 例文:社外の方には「てげ」じゃなくて「大変」って言うようにしちょる。
- 例文:上司に「よだきい」は言わん方がいいよ。
無理に使いすぎない
移住者や旅行者が方言を使うと喜ばれることも多いですが、不自然に多用すると違和感を与えてしまうこともあります。まずは「てげ」「〜と?」など、使いやすい言葉から少しずつ取り入れるのがおすすめです。
- 例文:最初は「てげ」だけ使ってみたら、地元の人が喜んでくれた。
- 例文:無理に方言使わんでも、意味がわかるだけで十分っちゃが。
まとめ
宮崎の方言は、宮崎市を中心とした日向弁、鹿児島弁に近い諸県弁、大分弁の影響を受けた県北の言葉など、地域ごとに個性豊かな特徴を持っています。
「てげ」「よだきい」「てげてげ」「〜っちゃが」などの言葉には、温暖な気候の中でのんびりと暮らす宮崎の人々のおおらかさがにじみ出ています。
旅行や移住で宮崎を訪れる際は、まずは「てげ」や「〜と?」など簡単なフレーズから覚えてみてください。
地元の人との会話がぐっと弾み、宮崎の魅力をより深く感じられるはずです。

