「知識」と「知恵」と「見識」の違いと関係を具体的なたとえ話で解説

「知識」「知恵」「見識」。これら良く似た三つの言葉の違い。そしてそれぞれの言葉がどのように関係し合っているのか。このページでは具体的なたとえ話を用いることでより理解しやすくなるようにまとめています。

「知識」と「知恵」と「見識」の言葉の意味の違い

「知識」とは

「知識」とは、ある事柄について知っていること。知っている内容のこと。ただ単に知っているだけのことなので、ほとんどの人が持つことができるもの。それが知識です。

「知恵」とは

「知恵」とは、物事の理屈や仕組みをよく理解し、適切に処理・対応できる能力を意味する言葉です。高度な理解力を求められるため「知恵」を持つことができる人はおのずと限られてきます。

「見識」とは

「見識」とは、物事の理屈や仕組みのさらに奥にある本質を洞察する能力。物事の理屈や仕組みから最大限の利益を生じさせる能力です。「見識」を持つことができる人は「知恵」よりもさらに限られてきます。

「知識」と「知恵」と「見識」の違いと関係のポイント

「知識」「知恵」「見識」。三つの言葉のより簡潔にまとめると次のようになります。

「知識」誰もが共有できる情報、データ。
「知恵」知識に対して適切な対応をとれる能力。
「見識」知識をもとに創造できる能力。

「知識」はいくら増やしてもそこからは何も生み出されてはきません。「知恵」や「見識」がともなって、はじめて付加価値が生み出されてきます。

しかし「見識」なくして「知恵」や「見識」だけで付加価値が生み出されないことも言うまでもありません。

「知識」と「知恵」と「見識」の違いと関係をたとえ話で理解する

以上、「知識」「知恵」「見識」。三つの言葉の違いと関係を説明しましたが、あまりにも抽象的なので理解が困難ではないかと思います。

そこで、「知識」「知恵」「見識」三つの言葉の違いと関係を、具体的にイメージしながら理解できるよう、たとえ話を用いて解説を加えてみます。

「知識」をたとえ話で理解する

ある晴れた日の朝。その日は午後になると雨が降るという情報を天気予報で知ったとしましょう。「午後になると雨が降る」ということを知ってるだけの状態。これが「知識」です。

「知恵」をたとえ話で理解する

今は晴れているけれど、午後からは傘が必要になりそうだ。そう判断して午後からの雨に備えて傘を持って出かける行動。これが「知恵」です。出かける前に天気予報を確認して適切な対応をとるのも「知恵」に該当します。

「見識」をたとえ話で理解する

午後から人通りの多い場所で雨傘を売り、雨に濡れる人々に喜ばれながら自分も利益を得る。「午後になると雨が降る」という情報から付加価値を生み出せる能力が「見識」です。

「知識」「知恵」「見識」のさらなる上位概念「胆識」

「知識」「知恵」「見識」、それぞれの言葉をたとえ話に置き換えてみると、三つの言葉が持つ意味の違いと、それぞれの関係性もよりはっきりと見えてくるのではないでしょうか。

ちなみに「知識」「知恵」「見識」の延長線上には、さらに「胆識」と言う上位概念をあらわす言葉が存在します。

「胆識」の「胆」とは、俗に言う「胆(はら)がすわる」の「胆」で、「見識」に決断力と実行力が加わった状態を意味する言葉です。

上のたとえ話の文脈の中で説明するのなら、万難を排してでも雨傘を売る。雨傘を売って付加価値を生み出すという実行力が備わった状態。それが「胆識」です。

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)
Advertisement(広告)