「遵守」と「順守」の違い/公用文,ビジネス文書に使うべきは○○!

コンプライアンス意識の高まりの中で、ビジネス現場で「遵守」という言葉が使われる頻度が増えています。しかし新聞などでは「順守」という表記が使われているため「遵守」と「順守」の使い分けに迷う方も少なくありません。

このページでは「遵守」と「順守」の違いと使い分けをシンプルに理解する3つのポイントを示しつつ、「遵守」と「順守」が混在していることの原因について解説しています。

「遵守」と「順守」の違いと使い分けを理解する3つのポイント

  1. 「遵守」と「順守」、意味は全く同じ。
  2. 「遵守」の代用語として「順守」という表記が出来た。
  3. 公文書、公用文、ビジネス文書に使うのは「遵守」



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「遵守」と「順守」の違いと使い分け方を解説

「遵守」と「順守」の公用文・ビジネス文書での使い分け

コンプライアンス(法令を守ること)という概念がビジネスの現場に定着して以来、「法令遵守」という言葉がビジネス文書などにも頻繁に使われるようになってきました。

しかし新聞などでは「法令順守」と表記されているため、公用文やビジネス文書などでは「遵守」と「順守」のどちらを用いるべきなのか一部に混乱が生じているようです。

結論から言うと、役所などが作成する公用文は「遵守」で統一されています。言葉の用い方に厳密な法令文も「遵守」を選んでいます。実際「遵守」という表記を用いた法令が557本存在するのに対して「順守」を用いている法令はわずかに一本しかありません。

また筆者自身、職業としてコンプライアンスを研究した経験があり、その際に作成した文書はすべて「遵守」で統一することが求められていました。

公文書、公用文、ビジネス文書に使うのは「遵守」です。しかし、新聞などでは「遵守」ではなく「順守」という表記が使われているのは何故なのでしょうか。

「遵守」の代用語として「順守」が出来た

「遵守」「順守」という同じ読み方をする二つの言葉。それぞれ「決まり事をよく守ること」という全く同じ意味を持つ言葉です。

同じ意味を持つ言葉ですが、もともとは「遵守」だけが使われていました。

それが現在のように「遵守」と「順守」が混在するきっかけとなったのは、当用漢字から「遵」が削除されたこと。後に常用漢字の中で「遵」が復活したこと。

その削除と復活の歴史の中で、削除された「遵守」の代用語として「順守」がつくられ、その「順守」という表記で統一することを決めた新聞の慣習が、「遵守」が復活した今も残っているのが混在の原因です。

以上、「遵守」と「順守」が混在する背景をざっくりと解説しましたが、より詳しいところを知りたい方は、下記に「遵守」と「順守」の混在の歴史を年表形式でまとめました。

参考にしていただければ幸いです。

「遵守」と「順守」の混在の歴史年表

遵守 順守
昭和29年3月 国語審議会「当用漢字補正資料」で当用漢字表から「遵」が削除される。 当用漢字表からの「遵」削除にともない「遵守」の代用語として「順守」が作られる。
昭和30年4月 日本新聞協会が新聞の表記の基準に「当用漢字補正資料」を採用。表記の基準から「遵守」を削除 日本新聞協会の「当用漢字補正資料」採用にともない、表記の基準として「遵守」を「順守」に差し替え
昭和56年10月 当用漢字表が廃止、常用漢字表が告示されその中で「遵」が復活する。 日本新聞協会は過去四半世紀の慣習を継続し「順守」表記を続け今に至る

「遵守」と「順守」の違いと使い分け方、まとめ

「遵守」と「順守」は全く同じ意味を持つ言葉です。

新聞を読む限りでは「順守」ばかりが目につくので「順守」と書いてしまいがちですが、公用文やビジネス文書では「遵守」を使うことが求められています。

「遵守」と「順守」の違いと使い分けを理解する3つのポイントをつかみ、正しい使い分けをしていただければ幸いです。

  1. 「遵守」と「順守」、意味は全く同じ。
  2. 「遵守」の代用語として「順守」という表記が出来た。
  3. 公文書、公用文、ビジネス文書に使うのは「遵守」



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