「秘密」「内緒」「内密」「機密」は4つの違いがポイント!使い分けの例文付き

Advertisement(広告)

「秘密」「内緒」「内密」「機密」はどれも「隠して知られないようにする」という意味ですが、どのような場面で使うのか、知られないようにする事柄はどの程度重要なのか、やわらかい表現なのか硬い表現なのかなど、いくつかの点で違いがあります。その違いを簡単にまとめると以下のようになります。

 ①場面②重要度③行動/事柄④表現
秘密日常的、私的な
ビジネス場面、公的な
さまざまなことを・隠して他に教えないようにする
・隠す事柄そのもの
やわらかい~硬い表現
内緒日常的、私的なちょっとしたことを隠して他に教えないようにするやわらかい表現
内密ビジネス場面、公的な影響力のあることを隠して他に教えないようにする硬い表現
機密政治的、軍事的な極めて重要な隠す事柄そのもの硬い表現

このページでは「秘密」「内緒」「内密」「機密」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)

「秘密」「内緒」「内密」「機密」の意味と例文

まず、「秘密」「内緒」「内密」「機密」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【秘密】
1.他人に知られないように、こっそり行うこと。
2.他者に知らせないようにしている事柄。

【内緒】
表向きにせず、内々にすること。関係者だけに秘めて、外部には知られないようにすること。内密。

【内密】
隠して表ざたにしないこと。ないしょ。

【機密】
〔国家・機関・組織などの〕重要な秘密。

出典:『学研国語辞典』

どれも他人に知られないようにしたり、表沙汰にしないようにすることであるのはわかりますが、どのように使い分ければいいのかまではわかりません。以下でより詳しい意味や例文を見ながらそれぞれの違いを確認していきましょう。

「秘密」「内緒」「内密」「機密」の4つの違い

「秘密」「内緒」「内密」「機密」の違いは、以下の4つの点を比較すると見えてきます。

  • 場面:どのような場面で使われるのか
  • 重要度:隠す内容はどのくらい重要なことなのか
  • 行動/事柄:隠す行動なのか、隠す事柄そのものなのか
  • 表現:話し言葉で使われるやわらかい表現なのか、書き言葉で使う硬い表現なのか

これらの4点を確認しながら、一つ一つの意味と使い方を確認していきましょう。

「秘密」の意味と例文

「秘密」は「内緒」「内密」「機密」の言葉の中で最も一般的な表現で、使える場面も広い言葉です。

「秘密」は、日常的、私的な場面から公的な場面やビジネスシーンまでさまざまな場面で使うことができます。また、「秘密」の対象となる事柄の重要度も幅広く、軽めの内容から非常に重要な内容まで「秘密」で表すことができます。例文を見てみましょう。

・既婚者の41.5%が、夫もしくは妻に秘密にしていることがある!
・犯人の捜索は、こんな田舎にしては極めて秘密かつ厳重に行われた。

夫や妻への隠し事というのは日常的で私的な場面です。そして、その内容はささやかなものから深刻なものまであると思いますが、どの場合でも「秘密」と言うことができます。また、犯人捜査のような公的な場面でも「秘密」を使うことができます。

「秘密」は「秘密にする」「秘密で行う」のように、人に知られないように隠す行動を示す言葉として使うことができますが、以下の例文のように隠している事柄そのものを指すこともできます。

・何かよくわからないが、重大な秘密を見てしまったような気がした。
・「従業員が企業秘密を持ち出した場合の対応・予防策について」

「重大な秘密」「企業秘密」は、他者や外部には知られたくない内容そのものを指しています。

「秘密」は、やわらかい表現としても硬い表現としても使われ、話し言葉、書き言葉の両方で用いることができます。「このことは僕たちだけの秘密だよ」のような、やわらかい会話の中でも使えます。

「内緒」の意味と例文

「内緒」は、日常的、私的な場面でのみ使える言葉です。また、あまり深刻な事柄とは馴染まず、ちょっとした軽い隠し事の場合に用います。例文を見てみましょう。

・「親に内緒でこんなものを買うなんて、何を考えてるんだ!」
・ある日、彼女は絶対に内緒よとささやいてある写真を見せてくれた。
・私は、内緒でちょっとだけその人の髪型を真似してみたりもした。

上の例文はどれも日常的で私的な場面なので、「内緒」を使うことができます。もし一つ目の例文の場面が会社で、上司が「上司である私に内緒で契約するとは、何を考えているんだ!」と言ったとすると違和感がありますよね。「内緒」はビジネス場面や公的な場面で使うことはできないのです。

「内緒」は原則的には話し言葉で使われるやわらかい表現です。小説などで使われることもありますが、上の例文のように主に会話の場面や日々の出来事を描写するような日記のような書き方の中で使われます。

また「内緒」は、「内緒で買う」「内緒で真似る」のように行動を表す言葉で、隠している事柄そのものを指すことはできません。事柄を指したい場合には、「内緒話」「内緒ごと」のようにします。

「内密」の意味と例文

「内密」は、ビジネスの場面や公的な場面で使う言葉です。例文を見てみましょう。

・この件を内密に処理し事後社内外に公表するという対応策を決めた。
・将軍の死は内密にしてあるとは言え、間もなく一般に知れ渡るに違いない。

「内密」は、部外者に知られるとビジネスに影響が出たり、社会的に問題が生じたりするような事柄を隠す場合に用います。そのため意味も強く、ひた隠しにするような意味合いがあります。「内密」は、硬い表現で、主に書き言葉で用いられます。

先ほど説明した「内緒」は、家族や仲間に知られないようにするような場面で用いられる、軽くてやわらかいイメージの言葉ですが、「内密」はその真反対だと考えるといいと思います。

「内密」も「内密に処理する」「内密にする」のように行動を表す言葉です。隠している事柄そのものを指すことはできません。事柄を示す場合には、「内密な話」「内密な問題」のようにする必要があります。

「機密」の意味と例文

「機密」は、政治的、軍事的に国家にとって極めて重要で隠さなければならない事柄に対して用いられる言葉です。もともとは国家に関わる重要事項に対して用いられていましたが、組織や企業で重要度や深刻度が非常に高い事柄にも使われるようになりました。「秘密」「内緒」「内密」「機密」の中では、最も重く硬い言葉だと言えます。例文を見てみましょう。

・政府の機密のなかでも、もっとも厳重な警戒のもとに防衛されてきた。
・兵器で使用されるプログラムのソースコードはきわめて重要な機密とされる。
・社の機密書類が紛失したことからトラブルが起った。

上の例文の「機密」は、どれも極秘情報のような意味で用いられています。失われたり暴露されたりすれば重大な危機や多大な損失になるような事柄に対して使われるのが「機密」です。

「機密」は隠している事柄そのものを指します。行動を表したい場合には、「機密扱いにする」のようにして使います。

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)

「秘密」「内緒」「内密」「機密」の違い、まとめ

「秘密」「内緒」「内密」「機密」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

 ①場面②重要度③行動/事柄④表現
秘密日常的、私的な
ビジネス場面、公的な
さまざまなことを・隠して他に教えないようにする
・隠す事柄そのもの
やわらかい~硬い表現
内緒日常的、私的なちょっとしたことを隠して他に教えないようにするやわらかい表現
内密ビジネス場面、公的な影響力のあることを隠して他に教えないようにする硬い表現
機密政治的、軍事的な極めて重要な隠す事柄そのもの硬い表現
Advertisement(広告)