「会話」「談話」「対話」の違いと使い分けの例文

「会話」「談話」「対話」は、どれも「互いに思っていることを話すこと、またその内容」のことですが、①誰と、②どんな状況で、③なんのために話すのかという点で違いがあります。その違いを簡単にまとめると以下のようになります。

 ①誰と②どんな状況で③なんのために
会話二人以上の人と何気ない日常で/外国語で言葉を交わすために
談話大勢の人と自由に打ち解けて語り合うために
対話立場や意見が異なる人や物事と向かい合って結論を得るために
心を通い合わせるために

このページでは「会話」「談話」「対話」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

「会話」「談話」「対話」の意味と例文

まず、「会話」「談話」「対話」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【会話】
複数の人が互いに話すこと。また、その話。

【談話】
1.話をすること。会話。はなし。
2.ある事柄に関して、非公式にまたは形式ばらずに意見を述べること。また、その内容。

【対話】
向かい合って話し合うこと。また、その話。

出典:『大辞泉』

辞書ではそれぞれの違いがわかりやすく説明されていないので、もう少し整理して理解する必要がありそうです。以下でより詳しい意味や例文を見ながらそれぞれの違いを確認していきましょう。

「話」の漢字の意味

言葉の意味を知るときには、漢字の意味を知るとよりわかりやすくなりますので一つずつ見ていきたいと思います。

まずは、「会話」「談話」「対話」のすべてに使われている「話」からです。「話」は「言+舌」からできています。「言」も「舌」も上側の文字は刃物を、下側の文字は人の口を表していますが、少し違いがあります。「言」は取っ手がついた刃物です。その刃物を使って、閉じたままでもぐもぐ言っている口に切れ目を入れて、はっきりと発音させる様子を表しています。

「舌」のほうの刃物は、丸くくり抜くときに使われるものです。口を丸くくり抜いてゆとりを持たせることで、勢いよくものを言うことができるようにする様子です。この二つが組み合わさった「話」は、言葉がすらすらと流れ出るという意味を持っています。

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「会」「談」「対」の漢字の意味

「会」は、もともとは「會」と書いていました。上側が蓋で、下側は米などを蒸すための土器です。土器と蓋がぴったりとあう様子が「会」です。そこから、二つ以上のものが集まったり出会ったりするという意味を持つようになりました。

「談」は「言+炎」からできています。「言」は、「話」のところで説明したようにはっきりと発音させる様子で、右側の文字は燃え立つ炎です。ここから「談」は、勢いよく盛んに言葉を交わすという意味を持っています。

「対」は、「對」と書かれていました。右側の「寸」は人の手です。左側の文字は良く見ると左右対称ですが、これは二つの楽器を向かい合わせて掛けられる台座を表しています。「対」は、人が楽器を手で持って一組になるように向き合わせて掛ける様子です。そこから二つでひと揃えにする、向き合うという意味で使われるようになりました。

では、それぞれの漢字の意味がわかったので、「会話」「談話」「対話」について詳しく見ていきましょう。

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「会話」の意味と例文

「会話」は、それぞれの漢字の意味を組み合わせると「二つ以上のものが集まる+言葉がすらすらと流れ出る」となります。「会話」は、二人以上から数人が集まって互いに話を交わすこと、またその内容のことです。例文を見てみましょう。

・親友との何気ない会話が落ち込んだ気持ちを立ち直らせてくれた。
・大勢での会話になると無口になってしまいます。
・犬同士の会話で使われるイヌ語というものがある。
・英文読解は強いが、会話は苦手だ。

「会話」は「談話」「対話」の中では最も制限の少ない言葉で、さまざまな場面で使うことができます。親友と対面で話しても、大勢が集まって話しても「会話」です。また、人間ではなく動物同士が鳴き声で意志を伝え合うような場合、ロボットと話す場合などにも「会話」を使うことができます。

「会話」には、あとで説明する「談話」や「対話」のような特別な目的はなく、言葉を交わす、意志の疎通を図るための単なるやりとりです。そのため、日常的な何気ない場面で使われることが多いです。

「会話」で特徴的なのは、「外国語で話し合う」という意味を持っている点です。「英会話」とは言いますが、「英談話」「英対話」とは言えないのも、このためです。

「談話」の意味と例文

では、次に「談話」の意味を見てみましょう。「談話」は、漢字の意味を組み合わせると「盛んに言葉を交わす+言葉がすらすらと流れ出る」となります。「盛んに」という意味を持っている「談話」は、ざっくばらんに打ち解けて話したり、大勢の人と語り合ったりするときに使います。例文を見てみましょう。

・明るいオープンな雰囲気の談話室は患者さんに人気の場所です。
・対面式のキッチンで料理をしながら家族との談話を楽しむことができる。
・総理大臣は新たな安全保障政策について談話を発表する方針を固めた。

「談話室」は「談話」の意味を理解するのにぴったりの言葉です。「談話室」は人が集まって和気あいあいと語らう部屋ですが、まさにそれが「談話」です。

「談話」は、ある程度の人数が集まって語り合うときに使うので、「家族との談話」のように複数人がいることをイメージできる場合には使えますが、「親友との談話」のように一対一の場面では使えません。

「談話を発表」の「談話」は、「ある事柄についての非公式な意見」という意味です。他の二つの例文と違って直接人と語り合っているわけではありません。しかし、「大勢の人」に対して「形式ばらずに」意見を述べるという点で、「談話」と同じ特徴を持っているのです。

「対話」の意味と例文

「対話」は、二つの漢字の意味を組み合わせると「向き合う+言葉がすらすらと流れ出る」となります。二人の人や立場・意見の異なる人たちがきちんと向かい合って話すという意味です。向かい合って話すのは、目的があるからこそです。「対話」はただ言葉を交わすのではなく、異なる考えの人たちの間で妥協点を見出したり、結論を得るために行われる話し合いです。例文を見てみましょう。

・反抗期だからといって親子の対話を諦めてはならない。
・行政と地域住民との対話を促進する必要がある。
・歴史は現在と過去の対話である。

「親子の対話」は、意見が一致しない親と子が真剣に向き合って話し合うという意味ですが、これを「親子の会話」に変えると親子で何気ない日常の話をするという意味に変わります。「対話」と「会話」では、このように大きく印象が変わります。また、「行政と地域住民との対話」のように多数間であっても「対話」を使うことができます。

「会話」「談話」「対話」の中で、「対話」だけが持つ意味として「物事と心を通わせる」というものがあります。「歴史/自然/自分との対話」のように物事と向き合って、そこから何かを感じ取ったり、心と心で気持ちを通わせるような場合にも「対話」を使うことができます。

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「会話」「談話」「対話」の違い、まとめ

「会話」「談話」「対話」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

 ①誰と②どんな状況で③なんのために
会話二人以上の人と何気ない日常で/外国語で言葉を交わすために
談話大勢の人と自由に打ち解けて語り合うために
対話立場や意見が異なる人や物事と向かい合って結論を得るために
心を通い合わせるために