「分かれる」「別れる」の違いと使い分けの例文

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「分かれる」「別れる」はどちらも「わかれる」と読み、「もともと一つだったものが、二つ以上の異なったものになる」ことですが、以下のような違いがあります。

 何がどうなる
分かれる一つだった物や事柄が二つ以上になる。差異や区別が生じる。ばらばらになる。
別れる一緒にいた人が離れて別々になる。関係を解消する。死別する。

このページでは「分かれる」「別れる」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

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「分かれる」「別れる」の意味と例文

まず、「分かれる」「別れる」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【分かれる】
1.一つだったものが別々になる。
2.一まとまりのものがより小さく区別できる。
3.一つにまとめられなくなる

【別れる】
1.人や場所から離れて去る。
2.恋人や夫婦がその関係を絶つ。

出典:『ハイブリッド新辞林』

「分かれる」「別れる」にはいくつかの意味があります。それぞれの意味の違いや使い方をより詳しく見ていきましょう。

「分」「別」の漢字の意味

言葉の意味を知るときには、漢字の意味を知るとよりわかりやすくなりますので一つ一つ見ていきたいと思います。

「分」は「八+刀」からできていて、物を二つに切りわける様子から作られています。そこから、「分」は物や事柄をわけたり、区切ったりするという意味を持っています。

「別」の右側にある「刂」は刀を表しています。左側にある文字は、人骨です。「口」が頭部を表していて、その下が体です。つまり、「別」は刀を使って骨から肉を取り分けられて残った人骨を表しています。そこから「わけとる、ばらばらに分解する」という意味を持つようになり、人と人とが離れ離れになるという意味でも使われるようになりました。

では、このような漢字の成り立ちを踏まえながら、より具体的な使い分け方を例文を見ながら確認していきましょう。

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「分かれる」の意味と例文

「分」は、物や事柄をわけたり、区切ったりするという意味を持っていて、以下のような場合に使われます。例文を見てみましょう。

・中央通路の奥まで進むと左右に分かれる廊下があった。
・修業後、老舗そば屋から分かれて開業しました。

「左右に分かれる」のように、廊下や道などがある点で分岐して別々の方向に離れていく場合に「分かれる」を用います。また、「分かれて開業」のように本体から離れて別のものとして独立する場合にも使います。

このように「分かれる」は、一つのものが二つ以上のものになることを表す場合に使いますが、以下のような使われ方もあります。

・昆虫のからだは頭、胸、腹の三つに分かれている。
一連の政策がどれだけの成果を収めたかは評価が分かれる。

「頭、胸、腹の三つに分かれている」は、一つの物を切って別々にするのとは違い、一つのものを区切ることで別のまとまりとして区別するという意味で用いられています。また、「評価が分かれる」は、ある事柄に対していろいろな違いが出てきたことで一つにまとめられなくなったことを表しています。

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「別れる」の意味と例文

「別」は、刀を使って肉を削り取られた人骨を表した様子から作られた漢字であることから、「別れる」は「人」と関わる場合に用います。例文を見てみましょう。

・案内してくれた少年に礼を言って駅で別れた。
・彼女と別れてもう二年になる。
・幼くして両親と別れ、親戚に引き取られて育った。

「駅で別れた」は、一緒にいた人が物理的に離れて別々になることを表しています。「彼女と別れて」は、物理的な距離が離れるというよりも関係性が解消されたことを意味していますが、このような場合にも「別れる」を用います。「両親と別れ」は離れ離れになったという意味でも解釈できますが、文全体からは死に別れたことがわかると思います。「別れる」は死別という意味も持っているのです。

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「分かれる」「別れる」の注意点

「分かれる」と「別れる」の大きな違いは、「分かれる」は物や事柄に対して使い、「別れる」は人に対して使うことですが、以下のような使い方には気を付ける必要があります。

・10人いるのでタクシー三台に分かれて乗りましょう。
・生徒は二つのグループに分かれて相談していた。

どちらの例文も「人」を対象にしていますが、この場合は「別れる」ではありません。「10人」または「生徒」を小さな単位に区切ってまとまりをもたせたということを伝える文なので、「分かれる」を使います。

また、「分かれる」と「別れる」は送り仮名にも気を付けてください。「分れる」という書き方を見ることもありますが、それは「別れる」の送り仮名と混同してしまっているのかもしれません。正しくは「分かれる」です。

「分かれる」「別れる」の違い、まとめ

「分かれる」「別れる」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

 何がどうなる
分かれる一つだった物や事柄が二つ以上になる。差異や区別が生じる。ばらばらになる。
別れる一緒にいた人が離れて別々になる。関係を解消する。死別する。
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