「交代」と「交替」の違いはローテーションの有無にある

「交代」と「交替」という二つの言葉は多くの辞書が同じ意味を持つ言葉として解説しているので、二つの言葉の間の違いを理解することが困難です。このページでは、辞書ではわからない違いと使い分け方をシンプルに理解できるポイントをお伝えしています。

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「交代」と「交替」の違いをシンプルに理解する3つのポイント

  1. 入れかわりが一回だけで終わる場合
  2. ローテーションの中で入れかわりが行われる場合
  3. 例外があるので注意が必要
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「交代」と「交替」の違いを理解する3つのポイントを徹底解説

入れかわりが一回だけで終わる場合

「交代」と「交替」も、ともに「入れかわること」「入れかわり」を意味する言葉です。同じ意味を持つ言葉ではありますが、一般的には「入れかわり」が一回限りのものか、それとも「入れかわり」が繰り返されるかで区別されています。

昼勤と夜勤の方が入れかわるのは毎日繰り返されているのに対して、野球の試合の中でのピッチャーの入れかわり(入れかえ)は一回限りです。

よって、ピッチャーが入れかわる際には繰り返しの意味を持つ「交替」ではなく、一回限りの意味を持っている「交代」が用いられ【ピッチャー交代】と表記されます。

しかしここでちょっとした矛盾が生じてきます。

同じ選手の入れかえにも関わらず、野球の選手の入れかえが一回限りというルールが定められているのに対して、バレーボールのルールでは選手の入れかえは何回も可能です。

バレーボールでは選手の入れかえが繰り返されてしまうのです。しかし、バレーボールの世界でも「選手交替」ではなく【選手交代】と表記されてしまいます。

この矛盾を克服するために、このページでは「交代」と「交替」の違いを理解しやすくするためにローテーションの有無を軸にしてみました。

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ローテーションの中で入れかわりが行われる場合

多くの人が勤務し、しかも稼働時間も長い店舗や工場などの職場では、勤務時間帯や勤務曜日が細かく区切られ、特定の働き手に負担がかからないように働く時間帯や曜日が分散される仕組みを持っています。

この仕組みはローテーションと呼ばれますが、このローテーションの中で働き手が入れかわることを「交替」。ローテーションが決められていない中での臨時性の高い入れかわりを「交代」とすると区別がつきやすくなります。

実際、漢字の選定について極めて厳密な法律条文を精査したところ、ローテーションの有無によって「交代」と「交替」が明確に使い分けられていました。

よって、ローテーションの中での入れかわりか。それともローテーションとは無関係の入れかわりか。この一点で区別していれば、大きな間違いは避けられます。

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例外があるので注意が必要

ただし例外はありますので注意が必要です。例外の代表例は「参勤交代」という江戸時代に行われていた制度のことです。

江戸時代、徳川幕府は諸藩の反乱を未然に防ぐため、諸藩の藩主を定期的に江戸に住まわせることで諸藩の財政に経済的な負担をかけていました。

この制度は、一種のローテーションによって行われていた制度ですが、ローテーションを前提とする「交替」は使われず一般的な表記は「参勤交代」です。(「参勤交替」と表記される場合もあります)

「参勤交代」のように慣用的に使われる例外も存在します。例外については、違いや使い分けを考えると混乱を招くだけですので、深く考えずに丸暗記してしまいましょう。

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「交代」と「交替」の違いと使い分け方、まとめ

「交代」と「交替」の違いは、

  1. 入れかわりが一回だけで終わる場合
  2. ローテーションの中で入れかわりが行われる場合
  3. 例外があるので注意が必要

とご説明しましたが、使い分けにあたって、それでもなお混乱する方もおられるかも知れません。もし混乱するようでしたら、ポイントをさらに絞って次のように使い分けてみてはいかがでしょうか。

  1. ローテーションの中で入れかわりが行われたら「交替」
  2. それ以外は「交代」
  3. ただし例外がある