「計る/測る/量る」の違いと使い分け方のポイントやヒント

「計る」「測る」「量る」はどれも「はかる」と読み、大きく分けると二つの意味があります。一つは物の長さや重さなどの数値を調べるという意味、もう一つは物事や人の心中をあれこれ考えるという意味です。でも、それぞれ①何の数値を調べるのかや、②何をどのように考えるのかといった点で少しずつ意味が違い、使う場面も異なります。その違いを簡単にまとめると以下のようになります。

 ①何の数値を調べるのか②何をどのように考えるのか
計る数、時間を調べる

・物事の良し悪しを考える
・物事のやり方を考える

測る長さ、広さ、深さ、高さを調べる

基準や根拠をもとに
・人の心の状態を考えて判断する
・能力の程度を考えて判断する

量る容積、重量を調べる

・技術・腕前の高さ(技量・力量)を知ろうとする
・心の大きさ(度量)を知ろうとする

このページでは「計る」「測る」「量る」の違いについて、詳しい意味を具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

「計る/測る/量る」の意味と例文

まず、「計る」「測る」「量る」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【計る・測る・量る】
1.物の長さ・量・重さなどを調べる。
2.推定する。

出典:『ハイブリッド新辞林』

「計る」「測る」「量る」は、辞書では同じ項目で説明されている場合が多く、それぞれの言葉をどのように使い分ければいいのかまではよくわかりません。上の辞書の説明でも意味が二つあることしかわかりませんよね。以下で、より詳しい意味や例文を見ながらそれぞれの違いを確認していきましょう。

「計」「測」「量」の漢字の意味

言葉の意味を知るときには、漢字の意味を知るとよりわかりやすくなりますので一つ一つ見ていきたいと思います。

「計」の漢字の意味

まず「計」からです。「言+十」から出来ており、「言」ははっきりと発音して話すときの口の形を、「十」は針をたくさん集めてまとめた様子を表しています。この二つが一緒になった「計」は、物を集めて口で声に出しながら数えることや、数の出入りを調べるという意味を持っています。

また、それが転じて、物事を集めてその良し悪しを調べたり、集めたものを比べてやり方を探すという意味でも使われるようになりました。

「測」の漢字の意味

次に「測」です。右側の「則」は「鼎(かなえ・足のついた食器)+刀」からできています。食器のそばにナイフをくっつけて置いた様子から、「そばにくっついて離れない」ことを示していましたが、のちにそばにくっついて離れない基準や法則という意味で用いられるようになりました。

その「則」の左側に水を表す記号がついたのが「測」です。ある単位を基準にして水の深さをはかるという意味で使われていました。しかし、「測」は徐々に長さ、広さ、高さ、温度など様々なものをはかるときに用いられるようになりました。

また、「推測」という言葉の中でも使われているように、なんらかの基準や根拠をもとに人の心の中のことを考える場合にも使われます。心の中はこのような状態だろう、能力はこの程度だろうと見当を付けるという意味で使われています。

「量」の漢字の意味

最後に「量」ですが、上にある「日」のような字は「じょうご」を表しています。「じょうご」とは、口の狭い容器に液体や粒状のものを注ぎ入れるときに使う道具です。「量」の下側にあるのは袋です。「量」は袋の中に液体や粒状のものを入れて、その体積や重さをはかる様子を表しています

また、そこから転じて、技量、力量といった技術や腕前の高さや、度量(心の大きさ)を知ろうとする場合にも用いられるようになりました。

以上のような漢字の意味の違いを踏まえながら、「計る」「測る」「量る」の使い方の違いを例文とともに確認していきましょう。

Advertisement(広告)

「計る」の意味と例文

「計る」は、「物を集めて数えたり、調べたりする」というのが主な意味です。数量を数えて計算したり、時間を数えたりするときに用いられます。例えば、以下のように使われます。

・人の行為を損得や銭金で計ってはいけない。
・GDPは国の経済力を計る目安の指標となる。
・100メートル走のタイムを計る。

人の行為をお金にするといくらだろうと計算したり、経済力を試算するときに「計る」が使われています。このように「計る」には「計算する」という意味合いがあるので、「計る=計算」と覚えておくと使い分けのヒントになると思います。また、三つ目の例文では時間を計っています。時間をはかるときに使うのは「計る」です。「計る=時計」とも覚えておいてみてください。

また、「計る」は「物事の良し悪しを考える、やり方を考える」という意味でも使われます。

・我が身の安全を計るために相棒を見殺しにしてしまった。
・私としたことが、まんまと計られてしまった。
・人間関係の良し悪しを計るポイントは職場の雰囲気だ。

「安全を計る」「まんまと計られた」には「計画」「計略」の意味が含まれているので「計る」を使います。三つ目の例文の「良し悪し」は、この点は良いがこの点は悪いのように数えらなくもないですよね。だから「計る」を使うんだというイメージを持っておくといいと思います。

Advertisement(広告)

「測る」の意味と例文

「測る」は、「何らかの基準をもとにして数値を調べる」という意味で、長さ、広さ、高さ、温度など様々なものをはかるときに用いられます。例文を見てみましょう。

・ボールを投げた地点から着地した地点までの距離を測る。
・正確に体温を測るには脇の下が一番良い。
・通信速度を測るアプリをダウンロードした。

「測る=測定、観測」と覚えておくと使い分けるときのヒントになると思います。

また、以下のように能力の程度や心の状態を知ろうとする場合にも「測る」が使われます。あとで説明する「量る」も似たような使い方をするのですが、「測る」のポイントは「基準がある」という点です。まず、例文を見てください。

・今の実力を測るために模擬試験を受けることにした。
・ウソの話をして相手の興味を測ってみた。

どちらの場合にも、このぐらいはあるだろうという基準があって、それとの違いを知るという目的があります。そのため「測る」を使います。基準があるということは、基準に照らした結果も出るので、「測ってみたらこのぐらいだった」と判断できるような場合に使われます。

「量る」の意味と例文

「量る」は、「物の体積や重さを調べる」時に使われます。例文を見てみましょう。

・水を量る時には大さじ八杯で一合になります。
・ダイエットのために毎日体重を量っている。

「量る」の使い分けのヒントになる言葉は、「容量」「重量」です。

また「量る」は、「測る」と同じように能力の程度や心の状態を知ろうとする場合にも使われますが、「量る」には基準がありません。この基準のあるなしが「測る」と「量る」の違いです。例文を見てみましょう。

・他人のために尽くすことによって、自己の力を量ることができる。
・あんなことを急に言い出した社長の真意は量りかねる。
・君の心中を推し量ると、同情を禁じ得ない。

「自己の力」「真意」「心中」のように、どのくらいの力や深さ、広さがあるのかわからないようなものの場合に「量る」が使われます。「測る」は測ってみて判断するのですが、「量る」は量ってみたもののよくわからないとか、量ることはできないという場合に使われることが多い言葉です。

ただし、「測る」と「量る」の違いはとてもあいまいで、辞書や用例集などを見ても「推し量る(測る)」「〖測・量〗あれこれ考えてだいたいのところをおしはかる。」のようにどちらも使えることを示しているものも複数あります。

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)

「計る/測る/量る」の違い、まとめ

「計る」「測る」「量る」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にご活用ください。

 ①何の数値を調べるのか②何をどのように考えるのか
計る数、時間を調べる

・物事の良し悪しを考える
・物事のやり方を考える

測る長さ、広さ、深さ、高さを調べる

基準や根拠をもとに
・人の心の状態を考えて判断する
・能力の程度を考えて判断する

量る容積、重量を調べる

・技術・腕前の高さ(技量・力量)を知ろうとする
・心の大きさ(度量)を知ろうとする