「予言」「預言」の違いと使い分けの例文

「予言」と「預言」はどちらも「よげん」と読み、漢字も似ているので混同しやすい言葉ですが、①何を根拠として、②何について言うのかという点で違いがあります。その違いを簡単にまとめると以下のようになります。

 ①何を根拠として②何について
予言経験、データ、勘など未来や未知の出来事を言う
預言神の言葉過去、現在、未来に対する神の意志や教えを言う

このページでは「予言」と「預言」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

「予言」「預言」の意味と例文

まず、「予言」と「預言」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【予言】
未来の出来事を見通していうこと。また、そのことば。

【預言】
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教で、神によって超人的力を授けられた人が、神のことばを預かり、それを人々に語ること。また、そのことば。

出典:『明鏡国語辞典』

「予言」は未来のことを言うこと、「預言」は神の言葉を言うこと、また言った言葉そのものという意味であることがわかります。以下では、より詳しく意味を掘り下げ、例文を見て使い方も確認しておきましょう。

「予」「預」の漢字の意味

「予言」「預言」の違いは「予」と「預」の意味の違いと関係しているので、それぞれの漢字の意味を確認しておきましょう。

「予」はもともとは「豫」と書かれていました。「予」は二つの輪が上下に重なった様子から作られていて、上の小さい輪を下の大きい輪の方に押しやる様子を表しています。機織りをする時の横糸を押す様子を表しているとも言われており、横糸を押す時にはぎゅうぎゅうときつく押すのではなく、緩やかに伸びやかに押すことから「ゆとりを持つ」という意味も持っています。

右側にあるのは動物の「象」で、これはのんびりした動物の代表です。「豫」は「ゆとりを持つ+のんびりした象」で、そこから慌てずゆとりを持って行うこと、「前もって・あらかじめ行う」という意味を持つようになりました。

「予」が使われている熟語を調べてみると、「予感:何かが起こるのを前もって感じる」「予算:必要な費用を前もって見積もる」「予備:前もって準備しておく」という意味で、どれも「前もって」という意味が共通しています。

次に、「預」ですが「予」のもとの字と比べると、右側にあるのが「象」ではなく「頁」という違いがあります。「頁」は人間の頭を表しています。「預」は人にのんびりとしたゆとりを持たせることを表していて、そこから「あずける」という意味を持つようになりました。

「預」の熟語である「預金:お金を銀行などにあずける」「領地:大名などがあずかる土地」には「あずける/あずかる」という意味が含まれていますね。

このような「予」「預」の違いは、「予言」「預言」でも受け継がれています。

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「予言」の意味と例文

まず、「予言」の意味と例文を見てみましょう。

「予言」は「前もって+言う/言葉」という意味で、まだ起きていない未来の出来事や未知の事柄を前もって言うことや、その言葉そのものを指します。例文を見てみましょう。

・船長の予言通り魚群が現われ、その日は大漁となった。
・恒星は規則正しい運動をするため将来の位置を正確に予言することができる。
・小6の時にタイムカプセルに書いて入れた「未来予想図」の予言が的中した。

「予言」は、未来のことを推測して言うさまざまな場面で使うことができます。船長の長年の経験や天文学者のデータ分析などのように何らかの根拠をもって未来を予測して言うことも「予言」ですし、夢や勘のような感覚的な予測の場合にも「予言」を使うことができます。

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「預言」の意味と例文

では次に「預言」の意味と例文を見てみましょう。

「預言」は「あずかる+言う/言葉」となり、誰かからあずかった言葉を言うという意味になるのですが、誰からあずかっているのでしょうか。

答えは「神様」です。「預言」は、ユダヤ教やキリスト教などの宗教における神様の言葉を、特別な力を与えられた人があずかって他の人々に伝えることを言います。

特別な人とは神様に超人的な力を授けられた人で、「預言者」と呼ばれます。海を割ったといわれるモーセという人を聞いたことがあるのではないかと思いますが、モーセはユダヤ教・キリスト教・イスラム教などの多くの宗教における重要な預言者の一人です。

聖母はヤコブに預言を伝え、自分が出現した地に教会を建てるよう頼んだ。
・近所の教会に通っている知り合いは、聖書の預言を熱心に信じている。

「予言」の根拠は、経験でもデータでも、あるいは夢や勘でもいいと説明しましたが、「預言」の根拠は「神の言葉」のみです。

また、「預言」は神からあずかった言葉なので、未来や未知のことばかりではありません。「預言」には、神しか知りえない過去や現在のことを告げるものもあります。

「予言」は、未来はこうなるだろうという予告のようなものであるのに対し、「預言」は神様の意志や教えのようなものだと言えます。

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「予言」「預言」の違い、まとめ

「予言」「預言」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

 ①何を根拠として②何について
予言経験、データ、勘など未来や未知の出来事を言う
預言神の言葉過去、現在、未来に対する神の意志や教えを言う