「音読み」「訓読み」はどう違う?漢字の歴史から知る特徴や見分け方

日本語で使われている漢字には「音読み」と「訓読み」があります。例えば、「山」という漢字の音読みは「サン」、訓読みは「やま」というようにです。なぜ日本の漢字には二種類の読み方があるのでしょうか。またそれらを見分ける方法はあるのでしょうか。その答えを簡単にまとめると以下のようになります。

音読み:中国語の音をそのまま取り入れた読み方。呉音、漢音、唐音がある
訓読み:日本でもともと使っていた言葉の音を漢字にあてはめた読み方 

見分けるための特徴音読み訓読み
①音を聞いて意味がわからないわかる
②送り仮名が必要ではない必要
③かな文字で書くと三文字以内以内ではない
④濁点の付く文字か「ら行」で始まるでは始まらない
⑤かな文字で書くと「う・ん・ち・く・き・つ・い」で終わるで終わらない
⑥かな文字で書くと二文字目が小さい「ゃ・ゅ・ょ」であるではない
⑦他の読み方がない

この記事では、「音読み」と「訓読み」について、二種類の読み方がある理由やそれぞれの特徴、見分け方などについてわかりやすく解説しています。

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なぜ音読みと訓読みがあるの?

日本語の漢字に「音読み」と「訓読み」がある理由は、漢字の歴史を紐解くとわかります。

漢字は中国から日本に伝わり使われるようになりました。もともと日本に文字はなく、中国で作られた金印や銅銭などに彫られた漢字を見ることで文字と出会ったのです。

6~7世紀ごろになると中国から儒教や仏教などが取り入れられるようになり、漢文で書かれた書物を読むことができる日本人も出てきました。その際、中国語の音をそのまま取り入れて読んだり、日本でもともと使っていた言葉の音をあてはめて読んだりしていました。

例えば、最初に例としてあげた「山」ですが、この漢字は、高く土地が盛り上がった地形を指す文字です。そこで、日本語の「やま」という言葉にはこの漢字を使おうということになったのですが、富士という名前の山は中国語の発音である「サン」を使って「ふじサン」と呼ぼうということになったりしたのです。

このようにして、もともとの中国語の発音がそのまま使われている読み方、上の例で言えば「サン」が「音読み」、漢字に日本語の言葉をあてはめた読み方、「やま」が「訓読み」として日本語に定着していきました。

更にもう少し深掘りすると、「山」には「中山道(なかせんどう)」のように「セン」という読み方もありますよね。「サン」は「漢音」で「セン」は「呉音」と言います。中国のどの時代に伝わってきたかで、読み方が違うのです。

一番最初に日本に入ってきた音は「呉音」で、7世紀ごろに中国南部の呉という国と交流のあった朝鮮の百済を通して伝わってきました。その次が「漢音」。奈良時代から平安初期にかけて遣唐使などによって伝えられた中国中央部の地域の発音です。そして、もう一つ「唐音」もあります。平安中期から江戸時代までに貿易などを通して日本に伝ってきた音です。このころの「唐」とは中国一般を指す名称で、「唐音」とは中国から伝わってきた音という意味です。

中国にはそれぞれの地域に方言があり、長い時間をかけて様々な方言の音が日本に取り込まれたため、一つの漢字にいくつもの読み方がされるようになったのです。漢字によっては呉音、漢音、唐音の三種類の読み方を持つものもあります。「音読み」は、これらの三種類の読み方の総称です。

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音読みと訓読みの違いは?

では、「音読み」と「訓読み」ではどのように違うのかをもう少し具体的に見てみましょう。

「音読み」は中国語の音をそのまま取り入れた読み方なので、聞いただけでは意味がわからないものが多いです。例えば、「サン」と聞いても「山、三、参、賛…」のどれなのかはわかりません。

一方で、「訓読み」は音を聞くと意味がわかるものが多いです。例えば、「やま」と聞けば「山」のことだとわかりますよね。

「音読み」と「訓読み」の大きな違いは、このような音だけで意味がわかるかどうかという点なのですが、すべての漢字がそのように単純に区別できるわけではありません。

例えば、「量」や「駅」や音読みだと思いますか、それとも訓読みだと思いますか。どちらも「リョウ」「エキ」という音を聞けば意味がわかるので「訓読み」だと思うかもしれませんが、実はどちらも「音読み」です。

漢字の歴史で説明したように「音読み」と「訓読み」は何かの規則に従って作られたわけではなく、この言葉にはこの音を、あの言葉にはあの音をとその時々で選択されてきました。また、長い時間の中で一つの漢字がいくつかの読み方を持つようになったり、中国の音がまるで日本語のように定着していったものもあります。そのため「音読み」と「訓読み」簡単に区別する方法というのはありません。でも、手がかりになる特徴はいくつかあるので、それを整理しておきたいと思います。

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音読みと訓読みを見分けるには?

「音読み」なのか「訓読み」なのかを知りたいという時には、以下の特徴をチェックするとわかってきます。

見分けるための特徴音読み訓読み
①音を聞いて意味がわからないわかる
②送り仮名が必要ではない必要
③かな文字で書くと三文字以内以内ではない
④濁点の付く文字か「ら行」で始まるでは始まらない
⑤かな文字で書くと「う・ん・ち・く・き・つ・い」で終わるで終わらない
⑥かな文字で書くと二文字目が小さい「ゃ・ゅ・ょ」であるではない

先ほど挙げた「量(リョウ)」と「駅(エキ)」を使って確認してみましょう。

まず、「①音を聞いても意味がわかる/わからない」で考えると、「量」と聞いてすぐ意味はわかるので「訓読み」となります。でも、「②送り仮名が必要/必要ではない」を見ると、「量」に送り仮名は必要ないので「音読み」となりますね。次の「③かな文字で書くと三文字以内」については、「量(りょう)」はちょうど三文字なので、これも「音読み」の特徴に合致しています。

次の項目はどうでしょうか。「量(りょう)」は「ら行」で始まっているので「音読み」、「⑤「う・ん・ち・く・き・つ・い」で終わる」ので「音読み」、「⑥小さい「ゃ・ゅ・ょ」である」という点も「音読み」です。このように丁寧に特徴を確認していくと、「量」は実は「音読み」だということを知ることができます。

では、「駅(エキ)」もチェックしてみましょう。①から⑥まで確認してみると、①訓読み、②音読み、③音読み、④訓読み、⑤音読み、⑥訓読みとなり、どちらの特徴もちょうど半分ずつ持っていることがわかります。こんな時、もう一つ追加で考えるといいのが、他の読み方があるかどうかです。

「駅」には、他にどんな読み方がありますか。よく考えてみると「えき」しかありませんよね。一つしか読み方がないということは、中国の音がそのまま日本語に定着したという証拠です。なので「駅」は「音読み」ということになるのです。

このような漢字は他にも「服(フク)」「肉(ニク)」「席(セキ)」などがあり、どれも「訓読み」のようですが「音読み」です。

「音読み」「訓読み」の違い、まとめ

「音読み」と「訓読み」がある理由や見分けるための特徴ついて、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、ポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

音読み:中国語の音をそのまま取り入れた読み方。呉音、漢音、唐音がある
訓読み:日本でもともと使っていた言葉の音を漢字にあてはめた読み方 

見分けるための特徴音読み訓読み
①音を聞いて意味がわからないわかる
②送り仮名が必要ではない必要
③かな文字で書くと三文字以内以内ではない
④濁点の付く文字か「ら行」で始まるでは始まらない
⑤かな文字で書くと「う・ん・ち・く・き・つ・い」で終わるで終わらない
⑥かな文字で書くと二文字目が小さい「ゃ・ゅ・ょ」であるではない
⑦他の読み方がない