「超える」と「越える」の違いと使い分けを理解する2つのポイント

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ともに「こえる」と読む「超える」と「越える」と言う二つの言葉。辞書で意味を調べても解説は抽象的で違いを理解するのは困難です。そこでこのページでは、具体的な用例をパターン分析して違いと使い分け方を理解しやすいように解説してみました。

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「超える」と「越える」の違いと使い分けを理解する2つのポイント

  1. 「超える」は数字がともなう場合が多い
  2. 「越える」は移動をともなう場合が多い

この2つのポイントについてさらに詳しく解説します。

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「超える」と「越える」それぞれの言葉の意味

「超える」と「越える」それぞれの言葉の意味を複数の辞書で調べたところ、主に中学生向けに編纂されている小学館の『新選国語辞典』が、もっとも明瞭に二つの言葉を区別して解説していましたので、意味の一部を引用します。

【超える】
ある基準を上回る。
超越する。
枠・限界の外に出る。

【越える】
上を通り過ぎて行く。
乗り越える。
ある時間・時期を過ぎる。

これで大体の意味はわかるかと思いますが、具体的に使い分けする際にどう区別したら良いのかその違いを理解するのは困難です。

また、辞書によっては同じ言葉として区別していないものもあります。実際、二つの言葉に共通する意味も少なくないのでその区別はあいまいで、「越える」と「超える」の違いをわかりにくくしています。

ところが、具体的な用例をたくさん集めてそこに共通点を見つけて行くと、おのずと「超える」と「越える」の違いがはっきりと見えてきます。

用例を比較すると「超える」は数字がともなう場合が多いことがわかる

「超える」と「越える」の具体的な用例をたくさん集めて比較すると「超える」には数字や数値で測ることができる言葉と一緒に使われる傾向がわかります。

える越える
親の身長を超える 気温が真夏日の30度を超える 過半数を超える 想定を超える 人知を超える 基準値を超える 年収が1000万円を超える頭上を越える 山を越える 年を越す 飛び越える 国境を越える 権限を越える 壁を越える ハードルを越える 困難を乗り越える 六十の坂を越える 

 

「越える」は移動をともなう場合が多い

数字など具体的な基準値があると使われることが多い「超える」ですが例外もあります。では例外はどのように見分けたら良いのでしょうか。

「超える」と「越える」、それぞれの同義語を比較すると「越える」だけが持っている同義語が存在します。「越える」だけが持っている同義語とは「通りすぎる」「通り越す」「通り抜けてその先に進む」などの移動がともなう言葉です。

この移動の有無は「国境」という言葉と組み合わせるとわかりやすくなります。「国境」という言葉と組み合わせると文脈によって意味が変わってくるからです。

国境を越えてフランスからオランダへ旅をする」と言う場合、そこには移動が伴い通り過ぎると言う意味になります。しかし「国境を超えた愛」と言う場合の「超える」には移動が伴いません

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「超える」と「越える」の違いと使い分け、まとめ

「超える」と「越える」の違いと使い分けのポイントを今一度振り返ってみましょう。

  1. える」は数字がともなう場合が多い
  2. える」は移動をともなう場合が多い

数字や数値で数えることが出来る時は「超える」。場所や時間などの移動がある場合、通り過ぎてその先に進み続けるという意味を含む場合は「越える」。これが「超える」と「越える」の違いと使い分けのポイントです。

参考までにNHKでは「超える」と「越える」を次のように使い分けしているのだそうです。NHKも「超える」と「越える」を区別するポイントは数字と移動です。

  1. える」ある一定の数量・限度などを上回る
  2. える」場所・時間などを過ぎて向こうへ行く

NHKサイトより引用

もちろん例外もありますが、まずはこの2つの基本を押さえておけば十中八九間違いを防げるのではないでしょうか。

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