「関わる」と「係わる」の違いと使い分け方については、インターネット上に古い誤った情報が拡散されています。大切な場面で間違ったり恥ずかしい思いをしないよう、このページでは最新の正しい情報をお伝えしています。
このページの目次
「関わる」と「係わる」の違いと使い分けを理解する3つのポイント PLUS1
- 「関わる」と「係わる」の意味に違いはない
- 迷ったら「関わる」を使う
- 公用文・公文書で使えるのは「関わる」だけ
- 公用文で「かかわる」と表記する説は古い情報
「関わる」と「係わる」の違いと使い分けを解説します
「関わる」と「係わる」の意味に違いはない
「関係」という熟語を構成する漢字のうちどちらか一字を用いて、関係や関連などの意味を表す時に用いられる言葉「関わる」と「係わる」。
結論から言うと両方ともほぼ同じ意味を持ち、その間に明確な違いはありません。
それぞれの言葉が持つ微妙なニュアンスの違いで使い分けるとの説もありますが、そもそもニュアンスというものは主観で決まるもの。ニュアンスの違いを客観的に判断できる基準など容易にもうけられるものではありません。
よって「関わる」と「係わる」のどちらを使っても、それが個人的な書面や手紙であるのなら問題はありません。
ただし、公用文・公文書を作成する場合や学校でのテストの解答。さらに正しい使い分けにこだわりたい場合、迷った場合には「関わる」を使ってください。
迷った場合、公用文・公文書で「関わる」を使う理由
公用文・公文書。学校のテスト。さらに正しい使い分けの際に「関わる」を使うべきであるとするその理由は、まったく同じ意味を持つ「関わる」と「係わる」という二つの言葉のうちで「関わる」だけが常用漢字だからです。
常用漢字とは公用文・公文書などで原則として使用されることが定められた漢字で、新聞・雑誌等の公共性の高い出版物でもこの常用漢字に準じた漢字の運用がなされています。
同様に教育現場などでも常用漢字の使用が原則とされていますので、学校のテストの答案用紙に解答を記入する際には「関わる」と書かないと間違いとされてしまいます。くれぐれもご注意ください。
公用文・公文書で「かかわる」と表記する説は古い情報
「関わる」も「係わる」もともに常用漢字ではない。よって、公用文・公文書では「かかわる」が正しいという情報がインターネット上に大量に拡散されています。
この情報、実は古い情報です。
平成22年(2010年)11月30日付け内閣告示第2号「法令における漢字使用等について」にて、「関わる」という表記が常用漢字表に新たに加えられています。
常用漢字表により漢字で表記することとなったものとしては,次のようなものがある。
「関わる」
平成22年11月30日付け内閣告示第2号「法令における漢字使用等について」より引用
「関わる」は常用漢字です。迷ったら「関わる」を使いましょう。
「関わる」と「係わる」の違いと使い分け方、まとめ
「関わる」と「係わる」の違いと使い分け方について最後にもう一度まとめます。
「関わる」は常用漢字です。平成22年(2010年)に常用漢字表に加えられました。よって公用文・公文書では「関わる」を用います。
迷った時も「関わる」を使用。
学校のテストの答案用紙への記入も「関わる」と書くのが正解です。