「趣旨」と「主旨」の違いをお調べの方の多くは、これら二つの言葉を正しく使い分けられるようになることが目的かと思います。
そこでこのページでは、まずは二つの言葉を使い分けるポイントをシンプルにお伝えし、その上でちょっとややこしい違いについて理解を深めるという構成でまとめています。
「趣旨」と「主旨」を正しく使い分けるための3つのポイント
- 物事の目的を伝えたい時は「趣旨」を使う
- 物事を簡潔に伝えたい時は「主旨」を使う
- どちらを使うべきなのか迷ったら「趣旨」を使う
「趣旨」と「主旨」の違いと共通点
物事の目的を伝えたい時は「趣旨」を使う
「趣旨」という言葉は「目的」と言い換えることができます。例えば、以下に挙げる「趣旨」という言葉を使った例文の「趣旨」を「目的」に言い換えても意味が通じます。
- 会社設立の趣旨
- ある本を出版した趣旨
- オリンピック大会開催の趣旨
「趣旨」を「目的」に変換▼▼▼
- 会社設立の目的
- ある本を出版した目的
- オリンピック大会開催の目的
また、目的(趣旨)には賛否両論がつきものです。
会社設立の趣旨に賛同する人もいれば異を唱える人もいます。その会社創業者が道を踏み外して会社設立の趣旨に反することもあります。不正な行為をしたアスリートがオリンピック開催の趣旨にそぐわないという場合もあります。
上に述べた「会社設立の趣旨に賛同する」「会社設立の趣旨に異を唱える」「会社設立の趣旨に反する」「オリンピック開催の趣旨にそぐわない行為」のような賛否がともなう場合、「趣旨」を使います。
物事を簡潔に伝えたい時は「主旨」を使う
例えば「会社設立の趣旨」という文章を起草したとしましょう。雄弁な会社創業者であればそれを読むだけで20分も30分もかかってしまうような長文の「会社設立の趣旨」を書き上げてしまうかも知れません。
そんな時、その会社創業者が会社を設立した目的を簡潔明瞭に知りたがる人も出てくるはずです。20分も30分もかけず、出来るなら1分か2分で理解したいという短気な人が。
その人のために「会社設立の趣旨」のポイントだけを伝える要約版を作ったとしましょう。この要約版が「主旨」に当たります。
目的を伝えるか。それとも要約を伝えるか。この一点で「趣旨」と「主旨」を使い分けると覚えていただければと思います。
どちらを使うべきなのか迷ったら「趣旨」を使う
以上、「趣旨」と「主旨」の違いをご説明しました。しかし、これら二つの言葉には共通点が存在します。実は「趣旨」という言葉にも「ポイントだけを伝える要約版」としての意味があるのです。
また「目的」と置き換えられる場合には「趣旨」を使うと上に述べはしましたが、そもそも「目的」と置き換えられるかどうか判断がつかない場合も出てくるはずです。
そのような迷いが生じた時は「趣旨」を使ってください。
ちなみに日本新聞協会が発行している『新聞用語集』という言葉の選び方・使い方のガイドラインでは、新聞紙面では「趣旨」に統一して用いることが定められています。
よって、迷った時は「趣旨」を使う。これを覚えておけば間違いはありません。
「趣旨」と「主旨」の違いと正しい使い分け、まとめ
いかがでしたか?「趣旨」と「主旨」の違い。こうして整理してみるとその違いと使い分けのポイントは意外にシンプルなことがお分かりいただけたかと思います。
「趣旨」と「主旨」の使い分け方のポイントを今一度まとめますので、ご活用ください。
- 物事の目的を伝えたい時は「趣旨」を使う
- 物事を簡潔に伝えたい時は「主旨」を使う
- どちらを使うべきなのか迷ったら「趣旨」を使う