「同居」「同棲」「居候」「内縁」の違いと使い分けの例文

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「同居」「同棲」「居候」「内縁」は、どれも誰かと一緒に住んでいる状態やその関係を表しています。「同居」は「一緒に住む」という広い意味を持ちますが、「同棲」「内縁」「居候」は一緒に住んでいる人同士の関係性の違いによって使い分けられます。その違いを図にまとめると、以下のようになります。

このページでは「同居」「同棲」「居候」「内縁」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

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「同居」「同棲」「居候」「内縁」の意味と例文

まず、「同居」「同棲」「居候」「内縁」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【同居】
  • 家族が一つの家で一緒に生活すること。
  • 家族以外の人が同じ家に住むこと。
  • 本来あるはずでないものがともに存在すること。


  • 【同棲】
    一緒に住むこと。特に、正式に結婚していない男女が同じ家で一緒に暮らすこと。


    【居候】
    他人の家に世話になり食べさせてもらうこと。また、その人。

    【内縁】
    事実上は同居して婚姻関係にありながら、婚姻届を出していないために法律上の夫婦とは認められない男女の関係。

    出典:『大辞林』

    「同居」の意味と使い方

    では、まず「同居」について詳しく見てみましょう。

    「同居」の「居」は、「台上にしりを乗せて、腰を落ち着けること」を表しており、そこから「住む」という意味を持つようになりました。「同居」は「同じ」ところに「居る・住む」という意味で、一緒に住む人同士の関係性についてはあまり制約がありません。

    例文で確認してみましょう。

    ・両親と同居する。
    ・芸人三人で同居する。
    ・異なる二つの記憶が同居している。

    「両親」のように親や親せきなど血縁関係がある人と一緒に住む場合に「同居」が使われることには馴染みがあると思います。しかし、それだけではなく「芸人三人」のように血縁関係のない人、友達や他人が一つ屋根の下に暮らす場合にも「同居」を使うことができます。

    また、「記憶が同居する」のような比ゆ的な表現をすることもできます。このような使い方は、「同棲」「居候」「内縁」にはありません。

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    「同棲」の意味と使い方

    では、次に「同棲」について詳しく見てみましょう。

    「同棲」の「棲」は、「ねぐらに生息する」という意味を持っています。「棲む(すむ)」のように使われることもありますが、この場合、単にある場所に身を置くという意味の「住む」とは違い、生き物がつがいや群れで相互に利益を受け合いながら生活するという意味を表します。このような意味を持つ「棲」という漢字が使われた「同棲」は、「同居」という状態の中でも、特に正式な婚姻関係のない男女が一緒に住んで生活する場合に用いられます。

    例文を見てみましょう。

    ・恋人と同棲する。
    ・入籍せずに同棲することにした。

    このように、明らかに婚姻関係のない男女が一つ屋根の下に住む場合に「同棲」を使います。裏返してみると、「同棲」と言えば、家族でも友達でもなく男女の関係であることを伝えることになりますから使う際には気を付ける必要があります。

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    「居候」の意味と使い方

    では、次に「居候」について見てみましょう。

    「居候」は、もともと身分の高い人の身辺警護や用事をしたりする人を表す肩書でした。同居をして警護していたので、「〇〇の方に居候」(〇〇氏の家に住んでおります)のようにして、公文書での記載や郵便物の宛先として使われていたそうです。しかし、明治以降になって「他人の家に世話になり食べさせてもらう厄介者」という意味に変化しました。

    例文を見てみましょう。

    ・姉夫婦のところに居候している。
    ・知人宅に居候することになった。

    「居候」は、「姉夫婦のところ」のように血縁関係がある人の家に住む場合も、「知人」のような他人の家に住む場合にも使います。ポイントは「養ってもらっているかどうか」です。「姉夫婦」であれ「知人」であれ養ってもらう義務はない人の家に住んでいるにも関わらず、家賃や生活費をほとんど払わず住まわせてもらっている場合は、「居候」です。

    実家の両親と暮らす場合、親は子どもを養う義務がありますから「居候」とは言いません。しかし、立派な大人になっても実家暮らしで親のすねをかじっているような場合、親の心境としては「居候」と言いたくなるようです。

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    「内縁」の意味と使い方

    「内縁」は、「事実上は婚姻関係にあるが、婚姻届けを出していない男女」という意味です。

    「同居」「同棲」「居候」とはやや異なり、一緒に住んでいるかどうかよりも、そこに住んでいる人の関係性はどうかという点に焦点が当てられた言葉です。そのため「(場所)で同居している/同棲している/居候している」とは言えても、「(場所)で内縁している」とは言えません。

    焦点の当て方の違いはあるものの、「内縁」も一緒に住むことに違いはありません。むしろ「内縁」という関係が法律的に認められるには、三年間以上の同居が条件の一つであるため、一つ屋根の下に暮らすことを前提とした言葉です。

    「内縁」は以下のように使います。

    ・無名時代を支えてくれた内縁の妻と結婚した。
    ・内縁の妻と別居し、その関係を解消することにした。

    「同居」「同棲」「居候」「内縁」の違い、まとめ

    「同居」「同棲」「居候」「内縁」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

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