「分かる」「解る」「判る」の違いと使い分けの例文

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「分かる」「解る」「判る」は、どれも「意味や区別がはっきりして明らかになる。知ることができるようになる。」という意味ですが、「どのようにわかるのか」という点で以下のような違いがあります。

  • 分かる:分類・整理してはっきりさせることで。
  • 解る :複雑な過程を経て納得することで。
  • 判る :区別して定めることで。

このページでは「分かる」「解る」「判る」の違いについて、詳しい意味を具体的な使い方とともに解説しています。

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「分かる」「解る」「判る」の意味と例文

まず、「分かる」「解る」「判る」の辞書での意味を確認しておきましょう。多くの辞書で、「分かる」「解る」「判る」はまとめて説明されています。

わかる【分かる(▽判る・▽解る)】

  • 物事が区別されてそれと知られるようになる。はっきりと明らかになる。判明する。
  • 物事の意味・内容・価値などが理解できる。
  • 人情・世情に通じていて人の気持ちなどがよく理解できる。
  • 《多く「━・りました」の形で》承知した意を丁寧にいう。

出典:『明鏡国語辞典』

「解る」と「判る」には▽の記号がついていますが、これは常用漢字(文化庁によって定められた、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すもの)ではないことを示しています。法令、公用文書、新聞、雑誌、放送などでは常用漢字を使う必要があるので、「分かる」または「わかる」しか使われません。

ということは、「分かる」「解る」「判る」のどれを使えばいいかわからない!というときには、どんな場合にも「分かる」を使っておけばいいということです。

そうは言っても、書籍やネット記事などで「分かる」「解る」「判る」が使い分けられていることは多いので、ここでしっかり確認しておきましょう。

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「分かる」「解る」の比較と例文

では、まず「分かる」と「解る」の意味の違いを見てみましょう。この二つは比べることで違いがよりわかりやすくなります。

「分かる」に使われている「分」という漢字は「八という印を刀で左右に切りわける」ことを示しています。シンプルですね。一方で「解る」の「解」は「刀で牛のからだや角をばらばらに分解する」ことを示しています。「分」と比べると、複雑です。この複雑さの違いは意味に反映されています。

「分」を使う熟語として「分別」や「分類」などがあります。「分別」は「物事の是非を知っていること」ですが、是なのか非なのかを切りわけていますね。「分類」は「種類別にまとめること」ですが、なんらかの基準に照らし合わせて、Aはこちら、Bはこちらのように切りわけて整理しています。このように「分」は混ざっているものを、あちらとこちらに切りわける、つまり整理するという意味を持っています。

「解」を使う熟語には「解釈」や「理解」などがあります。「解釈」は「物事の意味を解きほぐして説明すること」で、「理解」は「物事を悟り知ること」です。「ときほぐす」「悟る」のは簡単なことではありませんよね。「解」は「分」よりも複雑な過程が必要で、その先に深い納得感を伴います。

このような違いが「分かる」「解る」にも関係しています。例文で比べてみましょう。

<分かる>
・運動会が中止かどうかまだ分からない。
・行方不明だった父の消息が分かった。
・あの人は話が分かる人だ。

<解る>
・私には現代音楽の良さが解らない。
・暗号の解き方がようやく解った。
・スペイン語が解る人を探している。

「分かる」は、「中止かどうか」「父がいるかいないか」「理解があるかないか」のように、あちらとこちらに整理する状況のときに使われます。あるかどうかがはっきりすれば、それが「分かった」という状態で、納得感までは必要ありません。

一方で「解る」は、「音楽の良さ」や「暗号の解き方」「語学」のようにわかるまでに複雑な過程が必要です。「解った」と言えるのは、良さや解き方、語学のルールが納得できていて、説明できたり運用したりできる状態のときです。

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「分かる」「解る」「判る」の比較と例文

では次に、「判る」を「分かる」「解る」と比べながら見てみましょう。

「判る」の「判」という漢字は、「牛のからだを両方に切りわけること」を示しています。牛をばらばらにすることを示している「解」と、似ているようで少し違います。「判」の特徴は、のちに「可否や黒白を区別し見分ける」という意味を持つようになったことです。「分」のようにただ整理するのとも違い、また「解」のように複雑な過程と納得感を持っているのでもなく、「判」は黒白はっきりさせて決める、つまり「区別して定める」という意味を持っているのです。そのことは「判断」や「判別」のような熟語で「判」が使われていることからもわかると思います。

では、「判る」の例文を見てみましょう。

<判る>
・ついに真犯人が判った。
・敵方の人間なのか味方なのか判らなかった。
・彼の言っていることはすぐに嘘だと判った。

「真犯人は誰か」「敵か味方か」「嘘か真実か」は「分ける」のように整理して分類するだけでは不十分です。「解る」のようは複雑な過程は必要ですが、悟りのような深い納得感が求められているわけでもありません。ここでは「区別して定める」という意味を持った「判る」が最も適切です。

では、最後に以下の例文で「分かる」「解る」「判る」の意味の総復習をしておきましょう。

・文学が分かる。:文学とそうでないものを整理することができる
・文学が解る。 :文学の価値を理解することができる。
・文学が判る。 :傑作と駄作を区別して定めることができる。
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「分かる」「解る」「判る」の違い、まとめ

「分かる」「解る」「判る」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でお解りいただけましたでしょうか(この場合は、「解る」ですね)。

最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。

  • 分かる:分類・整理してはっきりさせることで。
  • 解る :複雑な過程を経て納得することで。
  • 判る :区別して定めることで。
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