「土偶」「埴輪」の意味の違い

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「土偶」「埴輪」の意味の違いは次の通りです。

  • 【土偶】縄文時代の遺跡から出土する素焼きの土製人形のこと。主な目的は祈願やおまじない。
  • 【埴輪】古墳時代に古墳の外部に並べられた素焼きの土製品のこと。主な目的は古墳埋葬者の権威の顕示。

このページでは、「土偶」「埴輪」、それぞれの違いについてさらに詳しく解説しています。

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【土偶】縄文時代の遺跡から出土する素焼きの土製人形のこと。主な目的は祈願やおまじない。

「土偶」は縄文時代(約1万年前~紀元前4世紀頃)の遺跡から出土する素焼きの土製人形のことです。

基本的には人型で、その多くは女性を模しています。

また、体の一部が故意に破壊されているものがほとんどです。

出土する場所は集落の跡地で、特にゴミ捨て場などが多く、意図的に壊して放棄されているといわれています。

諸説ありますが、「土偶」は以下のようなさまざまな目的があげられています。

―「土偶」の主な役割―

  • 安産・多産の祈り
  • 豊穣の祈り
  • 怪我や病気を治すおまじない
  • 厄払い

ほとんどの「土偶」が女性型をしていることから、安産・多産や豊穣を祈願して作られたという説と、また意図的に一部が壊されたものが多いことから、怪我や病気を治すおまじないとして作られたという説があり、いずれも病気や天候などの自然の脅威を収めるために作られたとされています。

「土偶」は形状によって、以下のようなさまざまな種類があります。

  • 遮光器土偶…ゴーグルをかけたような顔。
  • 筒型土偶…手足が省略された人型。
  • ハート型土偶…頭がハート型。
  • みみずく土偶…目が丸く、とさか状の頭。
  • 山形土偶…頭が三角形の山のような形。

【土偶】縄文時代の遺跡から多く出土する素焼きの土製人形。用法・製作目的などに諸説あるが、主に呪術的・宗教的意味をもたせて作られたとされている。

三省堂「大辞林」
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【埴輪】古墳時代に古墳の外部に並べられた素焼きの土製品のこと。主な目的は古墳埋葬者の権威の顕示。

「埴輪」は古墳時代(3世紀~7世紀)に古墳の外部に並べられた素焼きの土製品のことです。

諸説ありますが、「埴輪」は以下のようなさまざまな目的があげられています。

―「埴輪」の主な役割―

  • 古墳の装飾
  • 埋葬者の生前の権威を示す
  • 埋葬者への供え物
  • 葬儀の様子の表現
  • 殉死の代用

古墳の周りに並べられていることから、故人を弔うために作られたという説と、また古墳を囲むように並べられていることから、墓所という聖域を守るための柵の役割で作られたという説があり、いずれも古墳に眠る権力者の権威を示す目的で作られたとされています。

「埴輪」のモデルは武人や巫女などの人物、馬や犬などの動物、家、船、刀や鎧、物の姿ではない円筒形など、さまざまです。

これらの形状の異なる「埴輪」は大きく2つの種類に分けられます。

ー円筒埴輪ー

円筒埴輪は円筒の形をした「埴輪」のことです。

設置場所は墳丘を囲む土塁(周提)の上、墳丘の頂部、階段のようになっている墳丘のそれぞれの段の平坦面などで、横一列に並べられました。

円筒埴輪は細分化すると普通円筒・朝顔形埴輪・鰭付円筒埴輪に分けられます。

ー形象埴輪ー

形象埴輪は人や動物などを模した「埴輪」のことです。

形象埴輪は墳丘の頂部、造り出しと呼ばれる古墳に付随する壇上の施設の上などに並べられました。

細分化すると人物埴輪・動物埴輪・家形埴輪・器財埴輪に分けられます。

【埴輪】古墳の外部に並べられた素焼きの土製品。円筒埴輪と形象埴輪に大別され、後者は家形埴輪・器財埴輪・人物埴輪・動物埴輪に細分される。聖域を示すために並べたとも、墳丘土の崩壊を防ぐためであるともいわれる。

三省堂「大辞林」
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「土偶」「埴輪」の意味の違い、まとめ

「土偶」「埴輪」の言葉の違い、おわかりいただけましたでしょうか。

このページの最後にもう一度、それぞれの違いのポイントを以下にまとめますので、おさらいにご活用ください。

  • 【土偶】縄文時代の遺跡から出土する素焼きの土製人形のこと。主な目的は祈願やおまじない。
  • 【埴輪】古墳時代に古墳の外部に並べられた素焼きの土製品のこと。主な目的は古墳埋葬者の権威の顕示。
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