「アザラシ」「アシカ」「オットセイ」「トド」「セイウチ」の違いと見分け方は次の通りです。
- 【アザラシ】アザラシ科の総称。前肢が小さく、陸上で歩けない。
- 【アシカ】アシカ科の総称。狭義ではアシカ科アシカ属の総称。前肢で上体を起こし、歩くことができる。
- 【オットセイ】アシカ科のうちキタオットセイ属とミナミオットセイ属の総称。アシカ科のうち最も小さい。
- 【トド】アシカ科トド属のこと。アシカ科のうち最も大きい。
- 【セイウチ】セイウチ科セイウチ属のこと。長く大きな牙を持つ。
このページでは、「アザラシ」「アシカ」「オットセイ」「トド」「セイウチ」、それぞれの違いと見分け方についてさらに詳しく解説しています。
このページの目次
【アザラシ】アザラシ科の総称。前肢が小さく、陸上で歩けない。
「アザラシ」はアザラシ科の海棲哺乳類です。
種類が多く、体長1メートルほどの種類から、6メートル以上に達する種類まで、大きさはさまざまです。
「アザラシ」を見分ける最大の特徴は、陸上で歩けないことです。
前足がとても小さく短いため、上体を支えられるようになっておらず、陸上では寝そべったまま滑ったり転がったりして移動します。
前足に比べ後足が発達しているため、水中では「アシカ」などより早く泳ぐことができます。
あざらし【海豹】食肉目アザラシ科の海獣の総称。頭は丸く四肢はひれ状、毛は青黒色で光沢があり、黒色の斑点が散る。性質はおとなしく、よく人になれる。オットセイに似ているが、外耳がなく、後肢は前に曲げられない。魚類・甲殻類を食べる。主に寒帯の海に分布。日本では北海道近海にフイリアザラシ(体長一~一・四メートル)、ゴマフアザラシ(体長一・五~二メートル)などがすむ。毛皮・脂肪を利用する。
三省堂「大辞林」
【アシカ】アシカ科の総称。狭義ではアシカ科アシカ属の総称。前肢で上体を起こし、歩くことができる。
「アシカ」はアシカ科の海棲哺乳類の総称で、一般的には「オットセイ」「トド」も含まれますが、これらを区別する場合、狭義ではアシカ科アシカ属の総称となり、ニホンアシカ、カリフォルニアアシカ、ガラパゴスアシカの3種を指します。
「アシカ」「オットセイ」「トド」はアシカ科のため、共通して耳たぶがあり、また前足で上体を起こして、お腹を地面から離してひょこひょこと器用に歩くことができます。
これらは同じアシカ科のため、見た目の特徴も似ていますが、狭義での「アシカ」を見分けるポイントは以下のとおりです。
- 身体が小さく、耳たぶが長く、鼻先が尖っていて、毛がふさふさ→「オットセイ」
- 体や耳たぶが並の大きさで、鼻先がそれほど尖っておらず、体がツルツル→「アシカ」
- 体が大きく、耳たぶが短い→「トド」
あしか【海驢・葦鹿】①食肉目アシカ科の海獣の総称。アシカ・トド・オットセイ・オタリアなどを含む。②①の一種。体長は雄が約二メートル、雌は約一・五メートル。毛は暗褐色。四肢は遊泳に適するよう、魚のひれ状に変化している。一夫多妻で、群れをなして生活し、警戒心が強い。皮が薄く綿毛がないので毛皮は利用されない。太平洋に広く分布。うみうそ。
三省堂「大辞林」
【オットセイ】アシカ科のうちキタオットセイ属とミナミオットセイ属の総称。アシカ科のうち最も小さい。
「オットセイ」はアシカ科のうちキタオットセイ属とミナミオットセイ属の総称です。
「オットセイ」はアシカ科のうち最も体が小さく、雄は体長2メートル、体重200キロほどです。
「オットセイ」を見分ける最大の特徴は、耳たぶが長いことです。
また、小柄な体を防寒するために、ふさふさとした毛で覆われていることや、鼻先が尖っていることも特徴的といえます。
おっとせい【膃肭臍】〔「膃肭」はアイヌ語の音写。中国で臍(ほぞ)を薬用としたのでこのように記された〕アシカ科の哺乳類。雄は体長二・二メートル、体重二〇〇キログラムに達するが、雌は一・三メートルほど。前後肢はひれ状で、泳ぐのに適する。耳介はごく小さい。全身ビロード状の黒褐色の毛で覆われ、下毛は淡い赤褐色の綿毛で、毛皮が珍重される。繁殖期には、雄は数頭ないし数十頭の雌を従え、ハレムをつくる。北太平洋に産し、冬は日本にも回遊する。
三省堂「大辞林」
【トド】アシカ科トド属のこと。アシカ科のうち最も大きい。
「トド」はアシカ科トド属の海棲哺乳類です。
「トド」を見分ける最大の特徴は、体が大きいことです。
アシカ科のうち最も体が大きく、雄は体長3メートル、体重1トンにも及びます。
耳たぶはアシカ科の「アシカ」「オットセイ」と比べて最も短く、体も大きいとはいえ「セイウチ」よりは小型・小顔で、牙もありません。
とど【胡獱】アシカ科の哺乳類。アシカ類中最大で、雄は体長三・五メートル、体重一トンに達し、雌はやや小さく二・五メートルほど。体は黄褐色ないし暗褐色。主に魚を捕食する。北太平洋で繁殖し、春には北海道付近まで回遊してくる。漁業に損害を与えることがある。
三省堂「大辞林」
【セイウチ】セイウチ科セイウチ属のこと。長く大きな牙を持つ。
「セイウチ」はセイウチ科セイウチ属の海棲哺乳類です。
「セイウチ」を見分ける最大の特徴は、長く大きな牙を持つことです。
また、体長3メートル、体重3トンととても大きく、口の周りにヒゲが密集していることや、皮膚がたるんで胴体にしわが走っていることも特徴的といえます。
セイウチ【ロシア sivuch】セイウチ科の海獣。北極海の沿岸と浮氷上にすみ、体長三メートル、体重三トンに達する。体毛はほとんどなく、ひげが生え、四肢はひれ状となり、二本の大きな牙をもつ。二枚貝を主食とする。海馬。〔「海象」とも書く〕
三省堂「大辞林」
「アザラシ」「アシカ」「オットセイ」「トド」「セイウチ」の違いと見分け方、まとめ
「アザラシ」「アシカ」「オットセイ」「トド」「セイウチ」の違いと見分け方、おわかりいただけましたでしょうか。
このページの最後にもう一度、それぞれの違いのポイントを以下にまとめますので、おさらいにご活用ください。
- 【アザラシ】アザラシ科の総称。前肢が小さく、陸上で歩けない。
- 【アシカ】アシカ科の総称。狭義ではアシカ科アシカ属の総称。前肢で上体を起こし、歩くことができる。
- 【オットセイ】アシカ科のうちキタオットセイ属とミナミオットセイ属の総称。アシカ科のうち最も小さい。耳たぶが長い。
- 【トド】アシカ科トド属のこと。アシカ科のうち最も大きい。耳たぶが短い。
- 【セイウチ】セイウチ科セイウチ属のこと。長く大きな牙を持つ。