「タイツ」「ストッキング」は、女性用のインナーですが、どれも良く似ていますよね。それぞれ、以下のような定義があります。
- 【タイツ】防寒、保湿を目的とした厚みのある腰からつま先まで全体をカバーするインナー
- 【ストッキング】足を美しく見せるのを目的とした薄手の下半身用インナー
このページでは、「タイツ」「ストッキング」の定義と違いを詳しく解説していきます。
「タイツ」「ストッキング」の定義
「タイツ」「ストッキング」の意味は、辞書で以下のように説明されています。
【タイツ】
腰から下と脚部全体をくるみ、からだの線をそのまま表すように作った衣類
【ストッキング】
長靴下
出典:三省堂「新明解国語辞典第六版」より抜粋
なんと、辞書ではタイツとストッキングは「カバー部分」によって差別化されているんですね。
しかし、現在「タイツ」「ストッキング」という名称で販売されているインナーは、どちらも腰からつま先まで全体を覆うタイプが多いです。
冒頭でも解説した通り、「タイツ」は防寒対策に加えて肌の乾燥防止を目的とした、腰からつま先までをカバーするインナーで、「ストッキング」は足を美しく見せることを目的とした薄手のインナーになります。
「タイツ」「ストッキング」の違い
「タイツ」と「ストッキング」の違いは、「防寒・保湿効果」「美脚効果」という目的だけではありません。「タイツ」「ストッキング」の違いを詳しく掘り下げて解説していきましょう。
厚さが違う
「タイツ」と「ストッキング」は厚さが違います。「タイツ」は防寒効果を高めるために、「ストッキング」に比べて厚さがあります。
「タイツ」の厚さはさまざまで、「デニール」という単位で表します。「デニール」は糸の太さを表す単位です。直径ではなく、質量(重さ)で表します。
デニール数が大きいほど、厚みや密度も大きくなり、より高い防寒効果があるのです。デニールの違いによって、以下のように見た目や温かさも変わります。
- 【30デニール】タイツの中でもかなり薄く防寒効果は小さいが、ストッキングに近い美脚効果も期待できる。
- 【80デニール】一般的に「タイツ」と呼ばれる厚さ。厚みがしっかりあるので透けにくく、防寒保湿効果をしっかり持ちながら綺麗な足のラインを魅せてくれる。
- 【110デニール以上】バッチリ分厚いので高い防寒保湿効果があるが、カジュアル見えするので合う服が限定される
一般的に25デニール以上の糸で作られたものを「タイツ」、それ未満の糸で作られたものを「ストッキング」と分類しています。「ストッキング」は薄手が前提なので、特にデニール数の表記はありません。
カバー面積が違う
「タイツ」と「ストッキング」は、どちらも下半身のインナーですが、カバー面積にも違いがあります。
- 【タイツ】腰からつま先まで全体をカバーする
- 【ストッキング】腰からつま先までだけではなく、さまざまな丈がある
ストッキングは足を美しく見せるのが目的なので、着ている服によってカバー部分を選べるのが特徴です。
例えば、ミニスカートならば腰からつま先全体をカバーするストッキング、パンツスタイルなら足首以下のみカバーしたストッキングと言ったように、使い分けができるのです。ストッキングの丈には、以下のような種類があります。
- 腰からつま先まで
- 太もも
- 膝上
- 膝下
- ふくらはぎ下
- くるぶし
ストッキングは防寒効果が低いものの、真夏に足全体を覆うと汗ばみ不快感を持つ人もいます。気温や湿度、その日の服に合わせて選べるよう、多様な丈が用意されています。
ちなみに、ストッキングの中でもタイツと同様腰からつま先まで全てカバーするものを「パンティストッキング(パンスト)」と呼びます。
一方、防寒・保湿が目的のタイツは「腰からつま先まで」のスタイルになります。同じような素材でも、足首までのものは「スパッツ」または「レギンス」に名称が変わります。
「タイツ」「ストッキング」のまとめ
「タイツ」と「ストッキング」は、見た目の厚さ以外にも、目的やカバー部分に違いがあります。最後に、それぞれの定義と違いをまとめましたので、参考になさってくださいね。
タイツ | ストッキング | |
目的 | 防寒・保湿 | 美脚 |
厚み | 25デニール以上 | 25デニール未満 |
形状 | 腰からつま先まで | さまざまな丈がある |