「聞く」「聴く」「訊く」の違いと使い分けの例文

「聞く」「聴く」「訊く」はどれも「きく」と読み、主に①意識せず耳に入る。②意識して耳に入れる。③尋ねる。という3つの意味がありますが、それぞれの言葉でどの意味を担当するかが違います。

以下に、その違いを図示してみました。

「聞く」が最も担当範囲が広く、①意識せず耳に入る。②意識して耳に入れる。③尋ねる。のすべての意味を担当しています。「聴く」は②意識して耳に入れる。を、「訊く」は③尋ねる。という意味を担当しています。

このページでは「聞く」「聴く」「訊く」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

「聞く」「聴く」「訊く」の意味と例文

まず、「聞く」「聴く」「訊く」の意味を辞書で確認しておきましょう。

多くの辞書で、「聞く」「聴く」「訊く」は「きく」の項目でまとめて説明されています。

1.音・声を耳で感じとる。耳に感じて,知る。
2.心を落ち着け注意して耳に入れる。傾聴(ケイチヨウ)する。《聴》
3.人の言うことを理解して,受け入れる。また,従う。ききいれる。
4.(「訊く」とも書く)たずねて,答えを求める。問う。
5.においをかぐ。鑑賞したり調べたりする。
6.(「利く」とも書く)酒を味わって優劣などを判定する。
7.釣りで,当たりがあったかどうか確かでないときに軽く竿をあげて合わせてみる。

出典:『大辞林』

「聞く」は、なんと7つの意味を持っているとても守備範囲の広い言葉です。

「きく」という意味を伝えたい時に最も一般的に使われるのは「聞く」で、どのような場合にも「聞」という漢字だけを使っても間違いではありません。

なんだ、だったら簡単じゃないかと思うかもしれませんが、一つの漢字で様々な意味を表せるというのは便利で簡単というメリットがある一方で、意味の区別がつきにくいというデメリットもあります。そこで、いくつかの意味については異なる漢字を使って区別することがあります。それが、今回取り上げている「聴く」と「訊く」です。

辞書の説明をよく読んでいくと、「2.心を落ち着け注意して耳に入れる。傾聴(ケイチヨウ)する。《聴》」は「聴」の漢字を使うことがわかります。そして、「4.(「訊く」とも書く)たずねて,答えを求める。問う。」では、「訊」の漢字が使われることがわかります。

よりわかりやすく意味を伝えるためには、「聞く」「聴く」「訊く」の使い分けを理解しておくことは大切です。

「聴く」の意味と例文

では、まず「聴く」の意味と使い方を詳しく見てみましょう。

「聴」という漢字は、中国語では「聽」と書きます。左側は「耳」、そして右側の字を分解してみると「十」「目」「一」「心」からなっていることがわかります。つまり、耳と目と心を使ってしっかり聞くという意味を持っています。そのため、耳を傾けて聞いたり、耳を澄まして注意深く聞くことを表すときには「聴」の漢字が用いられます。

いくつか例文を上げておきます。

・ラジオでニュースを聴く。
・有権者の声を聴く。
・声なき声を聴く。

「聴」という漢字を使うことで積極的に聞こうとする姿勢を伝えることができます。

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「訊く」の意味と例文

では、次に「訊く」の意味と使い方を見てみましょう。

「訊」という漢字の左側は「言う、言葉を発する」、右側の字は「飛」という字の一部です。「鳥が飛ぶようにすいすいと言葉を発する」という様子から、「次々と問う、尋ねる」という意味になりました。また、ただ質問するというよりも、言い訳をする暇を与えず、次々と問いただすというような意味を伝えるときに使われます。

いくつか例文を上げておきます。

・本音を訊く。
・警察に事情を訊かれた。
・自分の胸に訊く。

なお、「訊」の漢字は常用漢字(文化庁によって定められた、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すもの)ではないため、法令、公用文書、新聞、雑誌、放送などでは使われません。

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「聞く」の意味と例文

では、最後に「聞く」の意味と使い方も見ておきましょう。

「聞」という漢字は、「門」と「耳」の漢字からできており、門で遮られていたものが耳に入ってくるという意味を表しています。「聞」は、言語・声・音などに聴覚器官が反応して活動をすることを示す場合に用いられ、単に耳で感じとって聞くことから、耳を傾けて注意深く聴く、答えを耳に入れようとして訊くというような様々な意味で広く用いられます。

「聞く」の使い方を「聴く」「訊く」と比べながら確認しおきましょう。

・音楽を聞く。:BGMとして流れている音楽を耳に入れる。
・音楽を聴く。:音や楽曲の特徴に注意したり味わったりしながら鑑賞する。
・犯行の動機を聞いた。:たまたま犯人が動機を話しているところが耳に入ってきた。
・犯行の動機を聴いた。:動機を明らかにするために犯行に至るまでの事情を詳しく聞き取った。
・犯行の動機を訊いた。:どうして犯行に及んだのかを厳しく問いただした。

このように、「聞く」「聴く」「訊く」の漢字の違いによって伝わる意味が少しずつ違いますので、意味をより適切に伝えるためには、3つの言葉の使い分け方を知っておくことは大切です。

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「聞く」「聴く」「訊く」の違い、まとめ

「聞く」「聴く」「訊く」の違いと正しい使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。

最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを以下に記します。頭の中の整理にお役立てください。