「精神科」「心療内科」「神経内科」「メンタルクリニック」の違いは次の通りです。
- 【精神科】「こころ」の症状を扱う診療科のこと。精神神経科。
- 【心療内科】心理的な要因で「からだ」に症状があらわれる「心身症」を扱う内科のこと。
- 【神経内科】脳、脊髄、神経、筋肉の症状を扱う内科のこと。脳神経内科。
- 【メンタルクリニック】無床もしくは19床以下の精神科・心療内科のこと。
このページでは、「精神科」「心療内科」「神経内科」「メンタルクリニック」、それぞれの違いと選び方についてさらに詳しく解説しています。
このページの目次
【精神科】「こころ」の症状を扱う診療科のこと。精神神経科。
「精神科」は「こころ」の症状を扱う診療科のことで、主な疾患はうつ病、統合失調症などです。
治療方法は薬物療法、心理療法(カウンセリング)、認知行動療法、作業療法、環境調整法、TMS治療(磁器刺激治療)などがあります。
カウンセリングや作業療法などをおこなう場合は、薬の処方をおこなう医師とは別に、カウンセラーや作業療法士が担当することが一般的です。
主な症状 うつ病、統合失調症、双極性障害、パニック障害、強迫性障害、気分の落ち込み、いらいら、幻覚、幻聴、認知症、不眠症、睡眠症状 |
【心療内科】心理的な要因で「からだ」に症状があらわれる「心身症」を扱う内科のこと。
「心療内科」はストレスなどの心理的、社会的な要因で「からだ」に症状があらわれる「心身症」を扱う内科のことで、主な疾患は胃潰瘍、過敏性腸症候群、高血圧症などです。
「心身症」の治療と定義されていますが、「精神科」と同じ診断基準を持つため、軽いうつ病などの精神疾患をみる科も多く、治療対象は広いといえます。
ストレスなどの要因の自覚がなくとも、「からだ」の症状が続いているが専門科を受診しても異常が見つからない、といった場合の受診にも適しています。
主な症状 胃潰瘍、過敏性腸症候群、高血圧症、気管支ぜんそく、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気、胃痛、怠惰感 |
「精神科」と「心療内科」の選び方
「精神科」は「こころ」の症状を、「心療内科」はこころに起因する「からだ」の症状を主に扱いますが、「こころ」と「からだ」は連動しているため、どちらにも症状があらわれるというケースは少なくありません。
ベースが精神疾患と身体症状で異なるものの、「精神科」と「心療内科」は対象としている症状や診断基準などが重複しており、「こころ」と「からだ」の双方への対応が可能なため、どちらを受診しても間違いではなく、受診される側にとって大きな差はないといえます。
また、「精神科」と「心療内科」が併設され、どちらの分野もトータル的に診療できる医療機関も多く存在します。
【神経内科】脳、脊髄、神経、筋肉の症状を扱う内科のこと。脳神経内科。
「神経内科」は脳、脊髄、末梢神経、筋肉の症状を扱う内科のことで、主な疾患は認知症(アルツハイマー病)、脳梗塞、パーキンソン病などです。
「神経内科」が関わる領域は広く、「内科」「心療内科」「精神科」「整形外科」「脳神経外科」など、さまざまな科と連携して診療をおこなう場合があります。
そのため、からだを全体的にみることができる「神経内科」で症状の原因を突き止め、骨や関節の症状の原因が麻痺や震えなら「整形外科」、手術が必要なら「脳神経外科」など、診療に適した科と連携して治療がおこなわれます。
主な症状 認知症(アルツハイマー病)、脳梗塞、パーキンソン病、多発性硬化症、てんかん、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、頭痛、めまい、手足の麻痺や震え |
【メンタルクリニック】無床もしくは19床以下の精神科・心療内科のこと。
「メンタルクリニック」は無床もしくは19床以下の入院施設がある「精神科」・「心療内科」のことで、「精神科」専門のところから「心療内科」や「カウンセリングクリニック」を兼ね備えているところなど、さまざまです。
入院治療が必要となった場合は転院する必要があるなどのデメリットはありますが、土日の診療を受け付けていたり、診療時間を夕方まで設けていたりするクリニックが多く、比較的通院しやすいといったメリットがあります。
「精神科」「心療内科」「神経内科」「メンタルクリニック」の違い、まとめ
「精神科」「心療内科」「神経内科」「メンタルクリニック」の違いと選び方、おわかりいただけましたでしょうか。
このページの最後にもう一度、それぞれの違いのポイントをまとめますので、おさらいにご活用ください。
- 【精神科】「こころ」の症状を扱う診療科のこと。精神神経科。
- 【心療内科】心理的な要因で「からだ」に症状があらわれる「心身症」を扱う内科のこと。
- 【神経内科】脳、脊髄、神経、筋肉の症状を扱う内科のこと。脳神経内科。
- 【メンタルクリニック】無床もしくは19床以下の精神科・心療内科のこと。