「着物」「浴衣」「振袖」「襦袢」の意味の違いと使い分け方

Advertisement(広告)

「着物」「浴衣」「振袖」「襦袢」の意味の違いは次の通りです。

  • 【着物】洋服に対して、和服。特に長着のこと。
  • 【浴衣】入浴後や夏季に着る薄手の着物。
  • 【振袖】袂の長い袖。未婚女性の礼装用の長着。
  • 【襦袢】和服の下着。肌襦袢(肌着・裾除け)・長襦袢・半襦袢など。

このページでは、「着物」「浴衣」「振袖」「襦袢」、それぞれの違いと使い分け方についてさらに詳しく解説しています。

Advertisement(広告)

【着物】洋服に対して、和服。特に長着のこと。

「着物」は洋服に対して、和服。すなわち、日本の伝統的な衣服として用いられる言葉で、特に長着のことを表します。

「着物」には基本となる格付けと種類があり、格の高い順に大きく分けると次の通りです。

礼装着

黒留袖、本振袖、喪服など

準礼装着

色留袖、訪問着、付け下げ、振袖、色無地など

外出着

小紋、無地の紬(つむぎ)、絞りなど

普段着

紬(つむぎ)、絣(かすり)、ウール、木綿、浴衣など

コラム:右前・左前どっち?
着るひとから見て、服が手前にくるのは左右どちらでしょう?
洋服では女性が「左前」、男性が「右前」になることが多いですが、和服では男女どちらも「右前」になります。
これは、「着物」の懐に入れた小銭入れなどを、右手で出しやすいように考案されたためといわれています。
また、亡くなったひとが着る死装束の場合は「左前」になるので、和服での左前は縁起が悪いとされています。

【浴衣】入浴後や夏季に着る薄手の着物。

「浴衣」は入浴後の寝間着や、夏などの暑い季節の遊び着のことで、プライベートやカジュアルな場面で着用する「着物」です。

形とサイズは「着物」と同じですが、素材が異なり、風通しのよい薄手の生地が特徴です。

また、着付け方法は「着物」とほぼ同じですが、下に着るものに違いがあり、「浴衣」は素肌のまま着用、または「肌襦袢」のみで「長襦袢」は着用しません。

【浴衣】〔「ゆかたびら」の略〕木綿で作ったひとえの着物。入浴後や夏季に着る。
出典:三省堂「大辞林」

Advertisement(広告)

【振袖】袂の長い袖。未婚女性の礼装用の長着。

「振袖」は「袖を振る」ことに由来し、ほかの「着物」に比べて袖が長いのが特徴です。

「振袖」を身に着けることができるのは未婚の女性と決められており、成人式、結婚式、パーティーなど、フォーマルな場面で着用します。

「振袖」には以下の3つの分類があり、袖の長さの違いによってふさわしい着用シーンがあります。

大振袖

袖丈114cm前後。結婚式の婚礼衣装など

中振袖

袖丈100cm前後。結納、結婚式のゲスト衣装、成人式、卒業式など

小振袖

袖丈85cm前後。成人式、卒業式、卒業袴、観劇など

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)
Advertisement(広告)

【襦袢】和服の下着。肌襦袢(肌着・裾除け)・長襦袢・半襦袢など。

「襦袢」は和服の下着のことで、「着物」の下に着用します。

大きく分けて「肌襦袢・長襦袢・半襦袢」の3種類があります。

「肌襦袢」について

「肌襦袢」は「着物」が肌に直接触れないようにするための肌着のことです。

肌着・裾除けの上下に分かれているタイプと、ワンピースタイプがあり、ワンピースタイプは「着物スリップ」と呼ばれることもあります。

「肌襦袢」は和装ブラを使用する場合はその上に着用するため、キャミソールのイメージに近いといえます。

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)

「長襦袢」について

「長襦袢」は「肌襦袢」と「着物」の間に着る下着のことです。

「長襦袢」には以下のような役割があります。

・「着物」の滑りをよくして着やすくする。

・着崩れしにくいよう形を整える。

・汗などの汚れから守る。

・防寒対策。

また、「長襦袢」は「着物」の衿(えり)や袖口から生地が見えるため、「着物」を美しく見せる役割も担っています。

Advertisement(広告)
Advertisement(広告)

「半襦袢」について

「半襦袢」は胴体が「肌襦袢」と同じ生地、衿(えり)が「長襦袢」と同じ半衿(はんえり)で作られた下着のことです。

生地は「肌襦袢」、見た目は「長襦袢」のため「うそつき襦袢」という呼び名もあります。

この生地と見た目により、本来は「肌襦袢」と「長襦袢」どちらも着用する必要があるところを、「半襦袢」は1枚で代用することができます。ただし、その際は別途、裾除けは必要です。

コラム:「襦袢」の語源について
語源はアラビア語のジュッバ(jubbah)から派生したポルトガル語ジバゥン(gibao)で、それを音写して当て字で「襦袢」となりました。 

【ジバン】〖gibao〗和服の下着。半襦袢・長襦袢など。ジュバン。〔「襦袢」とも書く〕
出典:三省堂「大辞林」

「着物」「浴衣」「振袖」「襦袢」の意味の違い、まとめ

「着物」「浴衣」「振袖」「襦袢」の言葉の違い、おわかりいただけましたでしょうか。

このページの最後にもう一度、それぞれの違いのポイントを以下にまとめますので、おさらいにご活用ください。

  • 【着物】洋服に対して、和服。特に長着のこと。
  • 【浴衣】入浴後や夏季に着る薄手の着物。
  • 【振袖】袂の長い袖。未婚女性の礼装用の長着。
  • 【襦袢】和服の下着。肌襦袢(肌着・裾除け)・長襦袢・半襦袢など。
Advertisement(広告)
Advertisement(広告)