「香り」と「薫り」の意味の違いと使い分け方は次の通りです。
【香り・香る】鼻で感じられる良い匂い。
茶の香り。香水の香り。菊が香る。梅の花が香る。
【薫り・薫る】主に比喩的あるいは抽象的なかおり。
文化の薫り。初夏の薫り。菊薫る佳日。風薫る五月。
出典:文化庁・文化審議会国語分科会『「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)』
このページでは「薫り」と「香り」の意味の違いについて、使い分け例文とともにさらに詳しく解説しています。
【香り・香る】【薫り・薫る】意味の違いと使い分け例文
【香り・香る】鼻で感じられる良い匂い
鼻で感じるにおいのうち、良いにおいが「香り」です。
「香」は、「黍(きび)」と「甘(口に含む)」という二つの漢字がそれぞれの意味とともに一つに組み合わされて出来た漢字です。
「黍」は、黍を煮たときや、ふかしたモチ黍を口に含んだときの良い匂いという意味。「甘」は、口の中で味わうという意味を持っています。
「香」という漢字が含まれる熟語
- 抹香
- 香水
- 香料
- 香辛料
- 芳香剤
「香り・香る」の文例
- 香りのいいお茶
- 香水の香り
- むせかえるほどの花の香り
- 竹が爽やかに香る
- 朝の食卓に漂う香り
【薫り・薫る】主に比喩的あるいは抽象的なかおり
肌や雰囲気で感じる抽象的なかおりが「薫り」です。
「薫」は、「草」と「熏(いぶす)」が組み合わされて出来た漢字で、香草をいぶしたときにたちこめる匂いが言葉の由来です。
「薫」という漢字が含まれる熟語
- 薫香
- 薫風
- 芳薫
- 余薫
「薫り・薫る」の文例
- 芸術的な薫り
- 初夏の薫り
- 文化の薫り高い郷土
- 風薫る初夏
- 伝統が薫る
【香り・香る】【薫り・薫る】意味の違い、まとめ
「香り」と「薫り」の意味の違いと使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
最後にもう一度、このページで解説したことを以下にまとめますので頭の中の整理にお役立てください。
- 【香り・香る】鼻で感じる花やお茶などの良い匂い。
- 【薫り・薫る】肌や雰囲気で感じる抽象的なかおり。