美味をあらわす言葉としての「うまい」と「おいしい」には次のような違いがあります。
- 【うまい】おいしいのぞんざいな語
- 【おいしい】うまいの上品な語
また「うまい」を「旨い・美味い・甘い」と書きますが、いずれも常用漢字ではありません。使い分けに迷った場合はひらがなで書けば間違いありません。
- 【旨い,美味い,甘い】迷ったらひらがなで書く。
このページでは、美味をあらわす「うまい」と「おいしい」。漢字で表記した場合の「旨い」「美味い」「甘い」。
それぞれの違いについて詳しく解説しています。
【うまい,おいしい】の違い
食べ物が美味であることをあらわす言葉としての「うまい」と「おいしい」の違いは、ぞんざいな言い方か上品な言い方か。品の良し悪しで区別されます。
違いは次の通り。以下、国語辞典からの引用です。
【うまい】
「おいしい」のぞんざいな言い方。
出典:小学館『類語例解辞典』【おいしい】
「うまい」より上品な語。
出典:岩波書店『広辞苑』
上記の通り品の良し悪しで区別される「うまい」と「おいしい」は、それらの言葉を使う人の性別によっても区別されます。
「うまい」は主に男性が使い、女性が「うまい」使うのは限られたケースです。一方の「おいしい」は男性、女性ともに使うことが多い言葉です。
なお「うまい」という言葉には、食べ物が美味であることをあらわす意味の他に、物事が巧みである、上手であるという意味もあります。
その場合は「上手い」という漢字が当てられます。
また、ある人にとって有利な条件などのこと「おいしい」と表現する場合もありますが、この使い方は俗語です。正しい使い方として認識されていませんのでご注意ください。
【旨い,美味い,甘い】の使い分け
食べ物が美味であることをあらわす「うまい」には「旨い」「美味い」「甘い」という三通りの漢字が使われます。
これら三つの表記のどれを選べば良いのか迷う方が少なくありません。迷うのも無理はなく、「旨い」「美味い」「甘い」には使い分けの基準は存在しないのです。
もし「旨い」「美味い」「甘い」の使い分けに迷ったら、ひらがなで「うまい」と書いてください。
何故ならこれら三通りの漢字表記、実はいずれも常用漢字ではないからです。
常用漢字ではないため、学校のテストの解答用紙などはひらがなで「うまい」と書かないと不正解とされかねません。
学校のテストの解答用紙、または公用文など言葉の使い分けの正しさが厳しく求められる場合には、迷わずひらがなの「うまい」を選んでください。
【うまい,おいしい】の違い【旨い,美味い,甘い】の使い分け、まとめ
「うまい」と「おいしい」の違い。「旨い」「美味い」「甘い」の使い分け方はこのページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。
最後に、このページの解説の要点を以下にまとめますので頭の中の整理にお役立てください。
うまい | おいしい | |
品 | ぞんざい | 上品 |
性別 | 主に男性が使う | 男女ともに使う |
旨い | 美味い | 甘い |
いずれも常用漢字ではないため、迷ったらひらがなで「うまい」と書く |