【薬,薬物,薬品,薬剤,医薬】意味の違いと使い分け方

【薬、薬物、薬品、薬剤、医薬】は、主に以下のように使い分けられています。

  • 【薬】以下の言葉の意味をすべて含む、最も一般的な日常語。
  • 【薬物】違法で中毒性のあるものに主に使われる。
  • 【薬品】医薬品や化学薬品など特定の分野の品類。
  • 【薬剤】殺虫剤、農薬、洗浄剤などに主に使われる。
  • 【医薬】病気を治療する薬に限定して使われる。

ただし、実際の使い分けられ方と、それぞれの言葉が持つ本来の意味には若干の相違が存在します。

このページでは上記の使い分け方の違いに加えて、【薬、薬物、薬品、薬剤、医薬】の意味の違いについても解説しています。

【薬、薬物、薬品、薬剤、医薬】意味の違い

【薬、薬物、薬品、薬剤、医薬】これら五つの言葉の使い分けられ方は上に述べた通りですが、それぞれの言葉は次のような意味を持っています。

【薬】以下の言葉の意味をすべて含む、最も一般的な日常語

「薬」という言葉は、「薬物」「薬品」「薬剤」「医薬」などの意味もすべて含み、最も一般的に使われている日常語です。

さらに「薬」は、比喩表現などにも使われ、人の心と体に滋養や利益を与えることを「薬になる」。また少額の賄賂を「鼻薬をきかす」などと言う場合があります。

【薬物】違法で中毒性のあるものに主に使われる

「薬物」という言葉のそもそもの意味は薬そのもの。また、薬のもとになる物質のことを指す言葉です。

しかし、「薬物」という言葉の実際の使われ方で最も多いのは、違法で中毒性のある薬のことを指す場合です。

「薬物依存」「薬物汚染」などのように使われます。

【薬品】医薬品や化学薬品など特定の分野の品類

「薬品」という言葉は、医薬品や化学薬品など、薬のジャンルを特定する際などに主に使われます。

一方で、すべてのジャンルを含んでいる「薬」という言葉と同じような使われ方をする場合もあります。

「薬」ほど幅広く使われることはありませんが、書き言葉としては「薬」以上に使い方を数多く持つ言葉といえます。

【薬剤】殺虫剤、農薬、洗浄剤などに主に使われる

「薬剤」という言葉の本来の意味は、複数の薬を混ぜ調合したものを意味します。

よって調剤薬局などで調合された医療のための薬を指す場合もありますが、「薬剤」という言葉が最も一般的に使われているのは殺虫剤、農薬、洗浄剤など業務用の薬です。

【医薬】病気を治療する薬に限定して使われる

「医薬」という言葉は、漢字が示す通り医療のための薬です。

医療のための薬を「薬」「薬物」「薬品」「薬剤」などと言う場合もありますが、「医薬」という言葉を、医療以外のジャンルの薬に使うことはできません。

【薬、薬物、薬品、薬剤、医薬】意味の違い、まとめ

【薬、薬物、薬品、薬剤、医薬】意味の違い、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。

これら五つの言葉の使い分けは、実際に目にすることも少なくありません。しかし、それぞれの言葉の本来の意味には、普段の使い分け方からは想像もできないような意味が含まれているのが【薬、薬物、薬品、薬剤、医薬】など、薬に関する言葉の特徴です。

  • 【薬】最も一般的。比喩表現にも使われる。
  • 【薬物】薬のもとになる物質のこと。
  • 【薬品】特定の分野の品類。
  • 【薬剤】調合された薬のこと。
  • 【医薬】病気を治療する薬限定。
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