「治癒」「治療」「療治」。よく似た言葉の違いを簡潔にまとめると次の通りです。
- 【治癒】病気が治ること。
- 【治療】病気を治すこと。
- 【療治】病気を治すこと。
次の順序で区別を進めると、三つの言葉の違いはさらに理解しやすくなります。
- 【治癒】と【治療・療治】を区別する。
- 【治療】と【療治】を区別する。
このページでは、「治癒」「治療」「療治」の違いと使い分け方をさらに詳しく解説しています。引き続きご覧ください。
【治癒・治療・療治】の違い
【治癒】と【治療・療治】を区別する
「治癒」とは、病気や怪我が治ることです。
一方の「治療」「療治」はともに、病気や怪我を治すことです。
「治る」のか「治す」のか。この一点が違いです。
ちなみに「治癒」という言葉に含まれている「癒(ゆ)」という漢字。「治療」と「療治」という言葉に含まれている「療(りょう)」という漢字。
それぞれの漢字の意味は次の通りです。
【癒】病気やきずがなおる。いえる。
【療】病気をなおす。いやす。
出典:小学館『日本國語大辞典』
「癒」という漢字の意味は、病気や怪我が治ること。「療」という漢字の意味は、病気や怪我を治すこと。
この漢字そのものの意味の違いが「治癒」と「治療・療治」の違いを区別しています。
言葉の意味から逆引きして整理するとこうなります。
- 【病気が治ること】「癒」「治癒」
- 【病気を治すこと】「療」「治療・療治」
なお、「癒」と「療」という漢字が含まれている、「治癒」「治療」「療治」の類語には以下のようなものがあります。
【癒】治癒、快癒、全癒、平癒
【療】治療、療治、療養、医療、診療、施療
出典:小学館『日本國語大辞典』
【治療】と【療治】を区別する
「治療」と「療治」は、ともに病気や怪我を治すというまったく同じ意味を持つ言葉です。
しかし、これらの言葉が実際に使われる場面に違いがあります。
「治療」は最も一般的に使われている言葉で、病気や怪我を治す行為全般に対して使われています。
一方の「療治」が使われる場面は限定されています。
はり・灸・マッサージなどによって、病気や怪我を治す場面で主に使われるのが「療治」という言葉の特徴で、西洋医術で病気や怪我を治す場面では使われません。
なお、はり・灸・マッサージなどによって、病気や怪我を治す場面では「療治」だけでなく「治療」も使われています。
【治癒・治療・療治】の違い、まとめ
「治癒」「治療」「療治」。これらの言葉の違いを図で示すと次のようになります。
- 【治癒】と【治療・療治】を区別する。
- 【治療】と【療治】を区別する。