「元気」と「健康」はともに、心と体の調子が良好な状態を意味する言葉ですが、心と体のどちらに重点を置くかで、以下のように違いが区別されます。
- 【元気】心の良い状態に重点をおく
- 【健康】体の良い状態に重点をおく
このページでは「元気」と「健康」の意味と、意味の違いについて解説しています。
「元気」と「健康」の意味の違い
「元気」と「健康」の意味
「元気」と「健康」。それぞれの言葉の意味は次の通りです。『日本国語大辞典』から引用しました。
【元気】
①天地間に広がり、万物が生まれ育つ根本となる精気。
②活動のみなもとになる気力。心身の活動力。
③体の調子がよくて健康なこと。気力、勢力が盛んなこと。また、そのさま。【健康】
①体の状態。体の良い状態に重点をおいて、異常があるかないかという面からいう。
②体のどの部分にも悪いところがなく、元気で丈夫なこと。また、そのさま。精神の面についていうこともある。壮健。健全。出典:小学館『日本国語大辞典』
以上が「元気」と「健康」の言葉の意味です。
二つの言葉はともに心と体の調子に関する意味を持っていることがわかりますが、心と体への重点の置き方がやや異なっています。
以下、心と体への重点の置き方を整理してみました。
「元気」と「健康」心と体への重点の置き方の違い
「元気」と「健康」。二つの言葉の心と体への重点の置き方は次の通りです。まずは体への重点の置き方から・・・
体のどの部分にも悪いところがなく、元気で丈夫なこと(健康)
「元気」と「健康」。両方とも「体の調子が良好である」ことにはっきりと言及されています。一方、心の状態はどうでしょうか。
活動のみなもとになる気力(元気)
気力、勢力が盛んなこと(元気)
精神の面についていうこともある(健康)
「元気」は「気力」という言葉によって心の状態について言い及んでいますが、一方の「健康」は、「いうこともある」という表現から、心の状態に重点を置いていないことが見て取ることができます。
この重点の置き方を一覧にまとめると次のようになります。
元気 | 健康 | |
体 | ○ | ○ |
心 | ○ | × |
「元気」と「健康」の違い、まとめ
以上のことから「元気」と「健康」の違いはこのページの冒頭にも述べた通り、次のようにまとめることができます。
- 【元気】心の良い状態に重点をおく
- 【健康】体の良い状態に重点をおく
- 【共通点】体の良い状態
古語に「減気」という言葉があります。「減気」と書いて「げんき」と読みます。意味は病気が治ること。病気が快方に向かうこと、など。この「減気」から転じて「元気」にも病気が治るという意味を持つ時期がありました。なお、病気が治る意味として使う「元気」も古語です。現代では使いません。