「日」と「太陽」の意味の違いと語源・由来

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「日」は数多くの意味を持つ言葉ですが「太陽」は一つの意味しか持っていません。

数ある「日」という言葉の主な意味と、たった一つしかない「太陽」の意味を比較すると次の通りです。そしてこの意味の数の差が「日」と「太陽」の大きな違いです。

意味英語日の用例太陽の用例
太陽系の恒星sun日が昇る太陽が昇る
日光sunlight日に当たるなし
日昇から日没までの間daytime日がのびるなし
一日day日に7時間眠るなし
天気weather穏やかな日なし

上の一覧表では、「日」と「太陽」の意味の違いの主なものをまとめましたが、「日」にはまだ他に数多くの意味があります。

このページでは「日」という漢字が持つ数多くの意味を知ることで「日」と「太陽」との違いを明らかにしつつ、それぞれの語源・由来を解説しています。

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【日】の意味と使い方いろいろ

「日」だけが持ち「太陽」にはない意味や使い方は上の一覧表にあげたものだけではありません。本欄では、他にもある「日」の意味と使い方をご紹介します。

読み方意味日の用例
太陽日が高くなる
日光日に焼ける
日の出から日没までの間日が短くなる
一日日に三度の食事
天気暑い日
日柄、日の吉凶日が悪い
毎日、日々日参
日数入社して日が浅い
過去の特定の時期幼き日の思い出
天照大神の子孫日の御子
にち日本の略日米
時間の単位二日、三日
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【日(ひ)】の語源・由来

日本語の「日」という言葉の語源・由来には諸説あります。

  1. ヒ(火)の意味 -『日本語原学(林武臣編纂、1932年)
  2. ヒ(霊)の意味 -『異物同訓言葉の根しらべ(鈴江潔子纂、1874年)』
  3. ヒカリ(光)の -『国語の語源と其の分類(大島正健、1931年)』

上に記した通り、日(ひ)の語源・由来を火(ひ)とする説がある一方で、日(ひ)と火(ひ)は同根ではないとする説もあります。

奈良時代頃(上代)の万葉仮名による文献に使われ、それ以降には使われていないかな遣いで「上代特殊仮名遣(じょうだいとくしゅかなづかい)」と呼ばれるものがあります。

「上代特殊仮名遣」とは、上代には現在の50音よりも多い仮名があったとする説にもとづくかな遣いのことです。

現代の50音図にあるキ・・ミ・ケ・ヘ・メ・コ・ソ・ト・ノ・モ・ヨ・ロの13字は、上代にはそれぞれ2種類に書き分けられていました。

そのため、上記の13字は甲類と乙類の二つに分類されています。

そして【ヒ=ひ】も甲乙に分類され「ヒ甲類」「ヒ乙類」と呼ばれ、日(ひ)と火(ひ)は甲乙別分類でした。

  • 日(ひ):ヒ甲類
  • 火(ひ):ヒ乙類

上記の通り、日(ひ)と火(ひ)は別の分類がされているため、二つの言葉の語源・由来は同一ではないとする説もあります。

参考:小学館『日本国語大辞典』

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【太陽】の語源・由来

「太陽」という言葉はもともとは漢語で、語源・由来は古代中国の易姓思想にあります。

古代中国の易姓思想では、この世界は「陰」と「陽」の二つの気で構成されていると考えられており、それぞれの気が極まった状態を「太陰」「太陽」と呼びました。

そして「陰」の気のもとになっている夜を照らす星を「太陰」、「陽」の気のもとになっている昼を照らす星を「太陽」と呼び、ここから「太陽」という言葉が生まれました。

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「日」と「太陽」の意味の違い

「日」と「太陽」の違いは、意味の数の差にあると述べました。

しかし「日」すなわち「ひ」がひらがな・カタカナ成立以前から存在する日本語であるのに対して、「太陽」は中国から輸入された外来語であるという点。

この点も「日」と「太陽」の大きな違いです。

最後にもう一度、このページで述べた「日」と「太陽」の違いの要点を以下にまとめます。

  • 【日】太陽に関連する広い意味を持つ。「ひ」はカナ成立以前からの日本語。
  • 【太陽】太陽系の恒星。漢語由来。語源は古代中国の易姓思想にある。
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