「完全」と「完璧」の違い/完璧の本来の意味

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「完全」と「完璧」はよく似た意味を持つ言葉ですが、言葉の強度が以下のように異なります。「完全」のさらに上をゆくのが「完璧」です。

  • 【完全】不足や欠点が無いこと。無いようにすること。
  • 【完璧】完全無欠なさま。完全よりも強い意味を持つ。

このページでは「完全」と「完璧」の違いのさらに詳しい解説。そして「完璧」の本来の意味の起こりである古代中国の故事をご紹介しています。

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「完全」と「完璧」の違い

「完全」と「完璧」。いずれの言葉も「不足や欠点が無いさま」を意味しています。ただし「完璧」には「完全無欠なさま」という意味も含まれています。

「完全無欠」とは「不足や欠点がまったく無いさま」という意味です。

「完全無欠」という言葉が持っている意味を用いて、「完全」と「完璧」の意味の違いを比較すると次のようになります。

  1. 【完全】不足や欠点が無いさま
  2. 【完璧】完全無欠なさま
  3. 【完全無欠】不足や欠点がまったく無いさま

つまり「完全」と「完璧」の違いは「まったく」の有無です。「まったく」が付いて不足や欠点が無いことが強調されている「完璧」の方がより強い言葉と言うことができます。

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完璧の本来の意味「史記・藺相如伝」

「完璧」という言葉の本来の意味は中国の故事に由来します。

物語の舞台は中国の戦国時代に存在した国、趙(ちょう、紀元前403年-前228年)。趙には「和氏の璧(かしのへき)」という名玉(名宝)がありました。

名玉「和氏の璧」を欲した秦の昭襄王は、自国内に所有する15もの城と「和氏の璧」との交換を趙の恵文王に提案。

恵文王は、その提案に応えて家臣・藺相如(りんしょうじょ)を秦に派遣します。

「和氏の璧」を携え秦の昭王のもとを訪ねた藺相如は、秦の昭襄王には約束を守るつもりがないこと。15の城を明け渡す意思がないことを察知。

藺相如は身命を賭して「和氏の璧」を取り返し趙に帰国。藺相如が「璧(へき)を完(まっとう)」したことから、完全無欠なことを「完璧」と言い表すようになりました。

コラム:「和氏の璧(かしのへき)」
「完璧」という言葉の由来となった「和氏の璧(かしのへき)」という名の名玉(名宝)にもエピソードが隠されています。
物語の舞台は中国の戦国時代に存在した国、楚(そ、紀元前223年)。卞和(べんか)という人物が見つけた玉の原石を楚の厲王(蚡冒)に献上。しかし鑑定士がその石を雑石と鑑定したため厲王は激怒し卞和の右足の筋を切断。厲王が没した後、卞和はその石を武王に献上するもののまたしても雑石と鑑定され、卞和は激怒した武王に左足の筋を切断されてしまいます。武王についで即位した文王の代になり、ようやくその原石が名玉であることが判明。文王は、その名玉に卞の名から一字を取り「和氏の璧」と命名。卞和を称えました。

なお、「和氏の璧」が欠点のない名玉だったことから完全無欠のことを「完璧」と言い表すようになったとする説もあるようです。

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「完全」と「完璧」の違い、まとめ

以上。言葉の成立の背景に物語が存在する「完璧」は「完全」よりも強い言葉である、というのが「完全」と「完璧」の違いです。

  • 【完全】不足や欠点が無いさま
  • 【完璧】不足や欠点がまったく無いさま
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