「つば」「よだれ」「唾液」の違いと使い分け方

「つば」「よだれ」「唾液」は、すべて口の中から分泌される消化液です。三つの言葉の意味はまったく同じです。

しかし使い方に大きな違いがあり、特に以下のような使い方の場合は他の二つの言葉に置き換えることができません。

  • 【つば】つばを吐く
  • 【よだれ】よだれを垂らす
  • 【唾液】唾液が分泌する



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「つば」「よだれ」「唾液」の違いと使い分け方

「つば」「よだれ」「唾液」は同じものです。しかし、それぞれの言葉の使い方は使う場面や状況に応じてまったく異なります

違いと使い分け方は以下に述べる通りです。

【つば】つばを吐く

「つば」は漢字で「唾」と書き「つばき」がより正確な言葉です。

「つばき」は「唾吐く(つはく)」の連用形「唾吐く(つはく)」から転じた言葉と言われていますが、他に次のような語源説も存在します。

  • ツバは口・舌・唇の意味。キは液汁の意味。
  • ツはイヅ(出)の略。ハキは吐きのの意味。

参考:小学館『日本國語大辞典』

「つば」は話し言葉です。書き言葉としてはふさわしくありませんので、かしこまった表現が求められる文書の中で「つば」を使うことはできません。

逆に「つば」だけに使えて「よだれ」「唾液」には使えない場面・状況は次の通りです。

用例
OK「つばを吐く」「つばを飲む」
NG:「よだれを吐く」「よだれを飲む」
NG:「唾液を吐く」「唾液を飲む」

「つばを吐く」「つばを飲む」など、会話の中でよく使うこれらの表現は

【よだれ】よだれを垂らす

「よだれ」は漢字で「涎」とも書きます。

「よだれ」そのものは「つば」や「唾液」と一緒ですが、「よだれ」という言葉が使えるのは「つば」または「唾液」が、垂れ流れた場合だけです。

一方で、「つば」または「唾液」が垂れ流れた場合の表現に「つば」と「唾液」は使えません。用例は次の通りです。

用例
OK「よだれを垂らす」
NG:「つばを垂らす」
NG:「唾液を垂らす」

なお、人が食べ物を見たときなどに「よだれ」を垂らすさまから、物欲しそうにしている様子を比喩的に「よだれを流す」と言う場合があります。

【唾液】唾液が分泌する

「唾液」は医療・看護用語の一つでもあるので、書き言葉として使い場合には迷わず「唾液」を使いましょう。

上に挙げた「唾液を吐く」「唾液を飲む」「唾液を垂らす」のような特定の場面・状況でなければ話し言葉として使うことも可能です。

ただし、医学や生物学のレポートなどの中で使えるのは「唾液」だけです。次のような使い方は笑われるだけです。ご注意ください。

用例
OK「唾液が分泌する」
NG:「つばが分泌する」
NG:「よだれが分泌する」

「唾液」とは

参考までに「唾液」は、『日本國語大辞典』では次のように解説されています。以下、引用します。

【唾液】
唾液腺から口腔内に分泌される無色、無味、無臭の液体の総称。食物をやわらかくし、消化を助ける働きをする。粘性のある液体で、表皮細胞、唾液小体を含むため多少にごる。弱酸性で、ムチン、尿素、アミノ酸、カルシウム、カリウム、ナトリウムなどの他、アミラーゼ、マルターゼ、オキシターゼ、リバーゼなどの酵素を含む。唾液の分泌中枢は延髄にあり口腔に食物が入ると反射的に分泌が起こる。つばき。
出典:小学館『日本國語大辞典』

「つば」「よだれ」「唾液」の使い分け方、まとめ

「つば」「よだれ」「唾液」の本体そのものはどれも全く同じです。そこにはいささかの違いはありません。

しかし、「つば」「よだれ」「唾液」それぞれの言葉の使い方は同じではありません。

以下の一覧表を参考にしながら、場面や状況に応じた適切な使い分けを心がけてください。

つば よだれ 唾液
吐く OK NG NG
垂らす NG OK NG
分泌する NG NG OK



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