「げっぷ」「おくび」「曖気(あいき)」。三つの言葉ともに「胃中のガスが口の外に出たもの」という同じ意味を持っています。
三つの違いを区別するのは、それぞれの言葉の使用頻度と使用する場面です。それぞれの違いは以下のように区別することができます。
- 【げっぷ】最もよく使われる
- 【おくび】慣用句での使用が主
- 【曖気】医療用語、看護用語
このページでは「げっぷ」「おくび」「曖気(あいき)」の違いについてさらに詳しく解説しています。
【げっぷ、おくび、曖気(あいき)】意味
「げっぷ」「おくび」「曖気(あいき)」。三つの言葉の意味は『広辞苑』では次のように解説されています。以下、引用です。
【げっぷ】胃中のガスの口外に出るもの。おくび。
【おくび】胃にたまったガスの、口腔外に出るもの。げっぷ。
【曖気】おくび。げっぷ。
出典:岩波書店『広辞苑』
『広辞苑』の解説を整理すると次のようになり、三つの言葉の意味はまったく同じであることが確認できます。
- 「げっぷ」=「おくび」
- 「おくび」=「げっぷ」
- 「曖気」=「おくび」=「げっぷ」
【げっぷ、おくび、曖気(あいき)】意味の違い
「げっぷ」「おくび」「曖気(あいき)」。三つの言葉の意味はまったく同じですが、使用頻度や使用場面が異なります。
三つの言葉の違いを区別するポイントは二点。使用頻度と使用場面です。
【げっぷ】最もよく使われる
日常生活の中の話し言葉・書き言葉として最もよく使われているのが「げっぷ」のため、普段づかいの言葉として使い分けに迷うことなく使うことができます。
また「げっぷ」は食べ過ぎ(飽食)によっても出てくることから、物事に飽き飽きしている心の状態を表す比喩表現としても「げっぷ」という言葉は使われています。
【おくび】慣用句での使用が主
「おくび」は漢字で「曖気」とも書き医療・看護用語として使われる場合もありますが、医療・看護用語として使われる場合があります。
しかし「おくび」は古い言葉なので、日常生活の中で「げっぷ」の意味で使われることは滅多にありません。
また古語の「おくび」は「げっぷ」と同時に「あくび」をも意味していました。
そして古語の「あくび」は口を開くことから「自白する」ことを意味する盗賊たちの隠語として使われていた歴史を持っています。
口に出して言わないことや、それらしい様子も見せないことのたとえとして「おくびにも出さない」という慣用表現が現代でもあります。
この「おくびにも出さない」という慣用表現の「おくび」とは、「自白する」の隠語としての「あくび」に由来するという説もあります。
【曖気】医療用語、看護用語
「曖気」は「げっぷ」の医療用語、看護用語です。
医療用語、看護用語として使う場合「曖」と書いて「おくび」と読む場合もあるようですが、大半は「曖気」と書いて「あいき」と発音します。
「曖気」という言葉は、医療・看護現場以外ではほとんど知られていない言葉なので、普段づかいの言葉として用いるにはふさわしくありません。
医療・看護現場以外で、固い言葉づかいが求められる文書などで「曖気」を使わざるを得ない場合などは、「げっぷ」を意味する旨の注釈をつけるのが無難でしょう。
【げっぷ、おくび、曖気(あいき)】違い、まとめ
「げっぷ」「おくび」「曖気(あいき)」は三つとも同じ意味を持つ言葉である上に、日常生活の中ではほぼ「げっぷ」しか使いません。
そのため使い分けに迷う必要はありません。あなたが医師や看護師でない限り、普段は「げっぷ」を使いましょう。
- 「げっぷ」=「おくび」
- 「おくび」=「げっぷ」
- 「曖気」=「おくび」=「げっぷ」