「養成」「育成」「教育」意味の違いと使い分け方

「養成」「育成」「教育」。これら三つの言葉を「人を育てる」という意味で用いる際の違いと使い分け方を①意味、②用例、③育てるゴールの三つのポイントで区別すると次の通りです。

養成 育成 教育
知識を与えて育てること 立派に育てあげること 育てることの総称
学生に知識を与え、個人の能力を伸ばすことにも使われる
エンジニアの養成 人材の育成 エンジニア教育、人材教育、学校教育
具体的 抽象的 具体的な場合と抽象的な場合がある

このページでは、「養成」「育成」「教育」の違いと使い分けを区別するポイントについてさらに詳しく解説しています。



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【養成、育成、教育】違いを区別するポイント

【養成、育成、教育】それぞれの言葉の意味

「養成」「育成」「教育」、それぞれの言葉の意味は国語辞典ではどのように解説されているのでしょうか。『日本国語大辞典』から引用します。

【養成】やしない育てること。教え導いて成長させること。
【育成】育てて立派にすること。育てあげること。
【教育】知識を与え、個人の能力を伸ばすためのいとなみ。
出典:小学館『日本国語大辞典』

大半の国語辞典が上記のような解説を行なっています。これらが「養成」「育成」「教育」三つの言葉それぞれの意味ですが、国語辞典上の意味では違いが判然としません。

しかし、「養成」「育成」「教育」それぞれの具体的な用例を観察すると、違いが鮮明になってきます。

【養成、育成、教育】具体的な用例と育てるゴール

「養成」「育成」「教育」、それぞれの言葉を「人を育てる」意味として用いる際の具体的な用例は次の通りです。

  • 【養成】エンジニアの養成
  • 【育成】人材の育成
  • 【教育】エンジニア教育、人材教育、学校教育

「養成」という言葉を用いる際、人をどこまで育てるのか、育てるゴールは極めて具体的且つ明確です。

エンジニア養成であれば育てる対象の人がエンジニアになることがゴール。教員養成であれば育てる対象の人が学校の先生になることがゴールです。

また、具体的なゴールが設定されていることから、知識や技術を与えるためのカリキュラムを組みやすいのも「養成」の特徴です。

しかし「育成」の場合は、ゴールが抽象的で不明確です。

人材という具体的な基準がないゴール。また教育基本法に「育成」という言葉が何箇所も使われていますが、具体的・定量的な基準はそこには示されていません。

「 公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成(全文)」
「平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成(第一条)」
「生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに 自立心を育成(第十条)」
出典:『教育基本法』より抜粋

一方、「教育」は「養成」や「育成」を含めた「人を育てること」の総称として使われるケースが少なくありません。

また「教育」は、学校で生徒や学生に知識や技術を与え個人の能力を伸ばすことを意味する際にも使われ、これが最も一般的な「教育」という言葉の使われ方です。

【養成、育成、教育】その他の意味・使い方

上記した「人を育てる」という意味で用いる以外にも、「養成」「育成」「教育」これら三つの言葉には様々な意味と使い方があります。

  • 【養成】「体力を養成する」やや抽象的なゴールを目指す際に使われる場合があります。
  • 【育成】「農産物の育成」農産物などを育てる際に使われる場合があります。
  • 【教育】「教育がある・ない」教育の結果、習得たものの有無をいう場合があります。

【養成、育成、教育】違い、まとめ

「養成」「育成」「教育」。三つの言葉の違いと使い分け方、このページの解説でおわかりいただけましたでしょうか。

最後にもう一度、このページの解説の要点を以下にまとめます。頭の中の整理にお役立てください。

  • 【養成】(例:エンジニアの養成)知識を与えて育てること。育てるゴールが具体的。
  • 【育成】(例:人材の育成)立派に育てあげること。育てるゴールが抽象的で曖昧。
  • 【教育】(例:エンジニア教育、人材教育、学校教育)育てることの総称。学生に知識を与え、個人の能力を伸ばすことにも使われる



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